ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

今日の1枚:ポーキュパイン・ツリー『クロージャー/コンティニュエイション』

2022年07月17日 | プログレ

 久しぶりにアルバムの紹介を。スティーヴン・ウィルソン率いるポーキュパイン・ツリーの13年ぶりの新作アルバムが6月に発売された。私は輸入盤のCDと前作(ウィルソンのソロ作THE FUTURE BITES)同様カセットテープの2種類のメディアを購入した。

    

 スティーヴン・ウィルソンについてはここ数年のソロ作は必ず購入してきたし、ポーキュパイン・ツリーのアルバムも数枚持っている。プログレファンの私としては目の離せない存在である。ということで今回も楽しみにしていた。一聴して思ったのは、バンド作品ではあるが、彼のソロ作とあまり違いが感じられなかったということ。これは良い意味で言うのであるが、安定した裏切らないサウンドを聞かしてくれている。彼の音楽はとてもメロディアスな部分と、まるでホラー映画のサントラのような緊張感を感じさせる展開が絶妙にミックスされているように感じるのだが、今回もまさにそのような雰囲気。特に、4曲目のDignityは2013年ソロ作 The Raven that Refused to Sing (And Other Stories) に収録されていたもの悲しい名曲 Drive Homeを彷彿させる名曲だ。あるいは最終のChimera’s Wreckはエスニックなメロディの繰り返しが頭に突き刺さるような印象的な曲である。その他も長めの曲が多く、久しぶりにロックバンドのアルバムに没頭することができた。

 今回の新作は6月下旬の発売であったがそれまでにかなり待たされ、実は忘れかけていた(笑)。CDの予約をしたのが昨年の11月頃で、カセットテープの方は国内のストアで扱っていなかったためPorcupine Treeのサイト・ショップへ1月に注文。価格は10ポンド+送料3ポンド(追跡なし)。こちらはCDに遅れること2週間後の到着だった。どちらも通常盤7曲の構成で時間としては約47分。だからカセット版もリリースできるのかなと思うのだが、私としてはテープで聴くのが実は楽しみ。ウィルソン氏には今後もカセットでの作品リリースを続けてほしいと願っている。


祝!JUNO-106 復活の時

2022年07月14日 | シンセサイザー

 ローランドのシンセJUNO-106については、2019年3月の当ブログでメモリ用の内蔵電池不調で音色の保存ができなくなった旨記載した(こちら)。恐る恐るハンダ付けを試み何とか自分で補修できた!はずだったのだが少し時間を置いたら何と再び音色が消えてしまっていた。もう世の中に報告する気力も失せその後3年ほど放置することとなった。

 先日思い立って再度電源を入れてみたのだが、変わらず音色メモリは飛んだままであった。データをロードすると正常に音は鳴ったので、やはり内蔵電池の不備がどこかで生じているらしい。改めて修理対応してくれそうな所を探した。そして、結果として無事復活して戻ってきた。数日経つが、今のところ電源を切っても音色は保存されている状況だ。久しぶりの完動状態に感動!とついダジャレを言ってしまった、、、。

    

 今回お願いしたのは「楽器ソムリエ」さんという東京の会社である。そこによると、この度の修理は基板に「グランドジャンプ処理」をしたとのこと。初期の JUNO-106 には設計不良で電池の消耗が激しくなるものがあり、私のものもそれに該当したらしい。具体的にはpin4, 5 がグランドに接続されていない個体があり、その場合、バッテリーが直ぐに切れるということであった。電子や基板に全く疎い私はよくは理解できなかったが、結局はハード的な初期不良があったということなのだろう。今回はその修理のために改造し、さらにバッテリー用のソケット取り付けも行ってくれた。これで今後の電池交換がしやすくなる。ということで、今度こそ無事に復活したわがJUNO-106である。

    

 古いシンセは本当に手間がかかる。ここまで一難去ってまた一難である。でもこうして弾いてみるとやはり良い音がする。このストリングスやブラスの音は大好きだ。アナログ的なレバー操作や押しボタンも実にわかりやすい。好みの薄いパッド系の音もFREQとRES、ENVのADSRのツマミを触るだけでできてしまう。今のところ、ボリュームに少しガリが出るだけで、どのレバーも正常に反応していると思われる。ただ、6個ある発信器の調子が悪くなりやすいという話もよく聞くので、大切に使いたいものだがいつ不調が生じるか、ちょっと怖い気もしている。

 その中、ローランドからJUNO-XというJUNO-106が超進化したシンセが登場した。ルックスは106と似ているのだが、新たな機能が満載のようで何とも食指を動かされる存在である。私はこの10年間でコルグのmicroKORGとbehringerのDeepMind12という2台のシンセを購入し、ソフトシンセは十数種類入手し(正直使いこなせていない!)ので金銭的にも物理的にも所有することは叶わないが、このようなJUNO-106を彷彿させる楽器が登場し続けるということは初期のこのシリーズがいかに素晴らしいか、そして人気が続いていることの証であると理解する。よって自分のJUNOを大事にしていこうと思う。

<追伸>たまにはαJUNO2も弾いてあげねば、、、。