先月はビートルズのアビーロード50周年の話題で世の中も個人的にも盛り上がった(イギリスで50周年盤がまたしても1位を獲得したとのニュースも流れていた!)ところだったが、今月、私にとって超重要なロック・アルバムがリリース50周年であることに気がついた。キング・クリムゾンの"In The Court Of The Crimson King(クリムゾン・キングの宮殿)"である。
この作品は1969年10月10日に発売されたそうなので、まさに今が50周年。クラシックや映画音楽好きだった私がロック・ミュージックに目を(耳を)向けるきっかけとなったアルバムであることはこちらで述べたので、今回は別の話題を。
まず「レコード・コレクターズ」2002年3月号にドラマーだったマイケル・ジャイルズのインタビュー記事が載っている。
バンド名の由来は「クリムゾン・キングの宮殿」という曲名から取ったそうだ。「だれもいいバンド名が思い浮かばなかったから曲名から持ってきた。」と言っている。私はバンド名を曲に盛り込んだと思っていたが逆であった。そしてインタビュアーが「日本では長いことビートルズの『アビーロード』をチャートの1位から引きずり下ろしたアルバムとして有名です。」と振ると、「いや、イギリスのアルバムチャートの最高位は5位だったと思う。我々自身もとても驚いたくらい自分達が必要としていた以上の成功だった。」と答えている。国内盤LPの帯にその記述があった「宮殿」のひとつの神話として信じられている話しだったが、無名のバンドがそこまで名を馳せたという事実はたとえ5位であっても変わらない。
そして今日のメインの話題はこれ。
クリムゾンのオフィシャル・サイトでクリムゾン誕生50周年を記念する貴重音源の公開を今年1月から行っている。(「ここ」)私がそれを知ったのは恥ずかしながら最近である。音源は週一回新たにアップされていて、当時の話題にも触れられていてとても興味深い。「1991年当時の所属レーベル、ヴァージンが企画したボックス・セット『フレーム・バイ・フレーム』のラジオ・プロモーション用に制作された「21世紀のスキッツォイド・マン」の幻のラジオ・エディット・ヴァージョン」と記載された第1回目の音源は曲の中間のソロ部分がカットされコンパクトにまとめられたバージョン。そして#40として聴くことができるのが何と幻のトニー・クラーク・プロデュース版"21st Century Schizoid Man"なのである。クリムゾンのメンバーは当初ムーディ・ブルースを担当していたクラークとアルバムのレコーディングを進めていたが、意見の対立で中止し、それまでの音源も破棄されたという話しを聞いたことがある。サイトの記載によると、実はエンジニアが倒れて作業が進まなくなったとあるが、それよりも驚いたのは長年残っていないと思われていた音源が見つかったということ。それをここで聴くことができるのだ。バッキング・トラックのみで、そのためレイクのヴォーカルは移植され、ギターとサックスのソロはジャッコとメルがオーバーダビングしたとのことだが、荒々しいけれど完全に土台ができあがっていることがわかる。本当に貴重だ。
クリムゾンの「宮殿」といえば、長年マスター・テープが紛失して最初のCD化はマスターのコピー版で行われたということだったが、後年そのマスターが見つかり、04年に改めてオリジナル・マスター・エディションとして発売された経緯もあった。アナログ・レコーディングの時代にマスター・テープと呼ばれるものはミュージシャンや音楽業界にとって大きな財産であるはずなのに「紛失」とはどういうことなのか、ちょっと腹立たしい気もするが無事見つかって良かったと遅ればせながら思う。今回紹介したこの音源も超貴重なものである。しかも無料で聴かせてくれるなんて、ありがとうキング・クリムゾン(ロバート・フリップ)!
(最初に買った2004年オリジナル・マスター・エディション盤。ピンクレーベルが模されている。)
この作品は1969年10月10日に発売されたそうなので、まさに今が50周年。クラシックや映画音楽好きだった私がロック・ミュージックに目を(耳を)向けるきっかけとなったアルバムであることはこちらで述べたので、今回は別の話題を。
まず「レコード・コレクターズ」2002年3月号にドラマーだったマイケル・ジャイルズのインタビュー記事が載っている。
バンド名の由来は「クリムゾン・キングの宮殿」という曲名から取ったそうだ。「だれもいいバンド名が思い浮かばなかったから曲名から持ってきた。」と言っている。私はバンド名を曲に盛り込んだと思っていたが逆であった。そしてインタビュアーが「日本では長いことビートルズの『アビーロード』をチャートの1位から引きずり下ろしたアルバムとして有名です。」と振ると、「いや、イギリスのアルバムチャートの最高位は5位だったと思う。我々自身もとても驚いたくらい自分達が必要としていた以上の成功だった。」と答えている。国内盤LPの帯にその記述があった「宮殿」のひとつの神話として信じられている話しだったが、無名のバンドがそこまで名を馳せたという事実はたとえ5位であっても変わらない。
そして今日のメインの話題はこれ。
クリムゾンのオフィシャル・サイトでクリムゾン誕生50周年を記念する貴重音源の公開を今年1月から行っている。(「ここ」)私がそれを知ったのは恥ずかしながら最近である。音源は週一回新たにアップされていて、当時の話題にも触れられていてとても興味深い。「1991年当時の所属レーベル、ヴァージンが企画したボックス・セット『フレーム・バイ・フレーム』のラジオ・プロモーション用に制作された「21世紀のスキッツォイド・マン」の幻のラジオ・エディット・ヴァージョン」と記載された第1回目の音源は曲の中間のソロ部分がカットされコンパクトにまとめられたバージョン。そして#40として聴くことができるのが何と幻のトニー・クラーク・プロデュース版"21st Century Schizoid Man"なのである。クリムゾンのメンバーは当初ムーディ・ブルースを担当していたクラークとアルバムのレコーディングを進めていたが、意見の対立で中止し、それまでの音源も破棄されたという話しを聞いたことがある。サイトの記載によると、実はエンジニアが倒れて作業が進まなくなったとあるが、それよりも驚いたのは長年残っていないと思われていた音源が見つかったということ。それをここで聴くことができるのだ。バッキング・トラックのみで、そのためレイクのヴォーカルは移植され、ギターとサックスのソロはジャッコとメルがオーバーダビングしたとのことだが、荒々しいけれど完全に土台ができあがっていることがわかる。本当に貴重だ。
クリムゾンの「宮殿」といえば、長年マスター・テープが紛失して最初のCD化はマスターのコピー版で行われたということだったが、後年そのマスターが見つかり、04年に改めてオリジナル・マスター・エディションとして発売された経緯もあった。アナログ・レコーディングの時代にマスター・テープと呼ばれるものはミュージシャンや音楽業界にとって大きな財産であるはずなのに「紛失」とはどういうことなのか、ちょっと腹立たしい気もするが無事見つかって良かったと遅ればせながら思う。今回紹介したこの音源も超貴重なものである。しかも無料で聴かせてくれるなんて、ありがとうキング・クリムゾン(ロバート・フリップ)!
(最初に買った2004年オリジナル・マスター・エディション盤。ピンクレーベルが模されている。)