~「猫と釜蓋」(前編)から読む~
猫の見ているところで十二の弾をこしらえ、

その他に一つの金の弾を密かに用意した。

狩人は山猫退治に出掛け、夜中になって暗闇に光る
怪しい二つの目に向かって鉄砲を撃つが、ちゃりん
と言う音がして弾はそこに落ちたようである。

十二発ともそのようにして撃ちつくし、最後に隠して
いた金の弾を撃つと手ごたえがあった。
夜明けになって狩人が見ると、見た事のある茶釜の蓋
があり、その傍に十二の弾が転がっていた。
そこにこぼれていた血痕をたどって行くと、
大きい山猫が死んでいた。

狩人が家に帰ると、母親は何物かに喰い殺され、
茶釜の蓋が無くなっていた。
--おしまい--
※これは「猫と釜蓋」と言う昔話です。
ちょっと怖いお話ですが、
試しに漫画風に描いてみました。
本当に怖いモノって身近に潜んでいるんですよ。
ご用心、ご用心…ってお話かとも思いきや…
意外と今の世の中にも通用するお話ですよね。
そう、
静かな顔をして傍にいるのは猫ばかりではないのです。
内部告発、詐欺に横領、身内殺しや無差別殺人…
暗い話ばかりですが、
明日もきっと、良い日になりますように。
今日は何位?

なかなか昔話って奥が深いですよね。
面白かったです!
タヌキや狐と同じく猫は特に身近な存在なので
もっとお話に登場してても良さそうです。
猫にまつわる昔話、又時々アップしたいと思います。
鉄砲の弾12発も打ち込むようなことするから、
そうなるんですよ~。
・・と、私としては納得の終了でした!
おもしろかった~。
可愛がっていた母親を殺すなんて…と思いがちですが
この物語の強さはこのシーンが無ければ成立しないで
しょう。
それが昔話の良く出来た所かもしれません。