私の一番古い記憶は、生後数か月の時、
父の胡坐をかいた膝の上に抱えられ
寝たままの姿勢で見上げていた宴会中の父の顎だった。
始終笑顔の父の体が揺れるに合わせて
自分の体にもその振動が伝わって来る。実に幸せな記憶だ。
随分古い記憶を持っているかと思えば、
肝心の物心がつく頃の記憶は余り持ち合わせていない。
普通ならとうに忘れても良い記憶だが、
言葉を発するのが遅かった為か言葉を発する前の記憶を
鮮明にファイルしてしまったのかも知れない。
先日、痛ましい事件が発覚した。幼児保育施設の虐待が明るみになったのだ。
9か月になる赤ちゃんを預けたが、赤ちゃんは頬に打撲根を残し死亡したという。
その幼児保育施設は親子経営してたいたらしいが
虐待の証拠として、子供達が毛布に包まれ紐で縛られている写真が
ニュースで繰り返し流れていた。
亡くなってしまった子供は戻らないが、縛られた子供達の記憶は残っている。
まだ口の利けない幼児だからと、虐待を繰り返していたのかも知れないが
子供達が成長し、口を利ける様になって
新たに発覚する事実も出てくるのではないだろうか。
夜道を歩いていると、暫く見掛けなかった『オッドアイ』が
小さなキジトラの子猫を連れて車の往来の少ないマンションの駐車場で
軽やかに追いかけっこをしている微笑ましい姿が見えた。
一度の出産で数匹産むはずの猫の親子にしては
母と子、二匹だけである。
どんな状況で二匹だけになったのかは想像出来なくもないが
たった一匹になり、手を掛けて育てている姿が伺える光景だった。
暫く佇んで眺めていたが、帰ろうとして振り返ると
私の足元には同様に、
私と猫の親子を見てそっと佇んでいる老猫が居た。
昨日は?位
←いつもありがとうございます。
昨日は?位
←感謝、感謝でございます。