吉田修一著・映像化シリーズ一気読みしました。笑。
「怒り」上・下
とある残忍な殺人事件から物語は始まり、その容疑者らしき過去に傷を持つ人物描写から
人を信じる事の難しさや厳しさ、犯罪が起こりうる背景をしっかりと描かれている。
ただ、悔しいのは殺人現場に残された「怒」の文字の意味が知りたかったなぁ。
リンゼイ・アンフォーカーさん殺人事件の市橋容疑者の様に、整形して逃亡、
関西の日雇い労働現場に潜伏してみたり、
無人島に隠れてみたりのくだりはリアリティがあって面白かった。
「横道世之介」
青春小説の金字塔。最高に面白かった。
世之介くん、友達になりたい。こういう子、いたなぁ。
真っ直ぐでドジなんだけど、ちゃんとスジが通ってる。
オバサンになって笑顔で思い出すのはこんな子なんだよな。
「犯罪小説集」
ここ最近(でもないけど)日本で起こった主要な犯罪をモデルにした短編小説なんだろうな。
再現Vを見ているような、それでいて事実よりも真をついているのではないかと思える小説。
フィクションの中にしか描けない真実もあるのかも知れない。
これ、どんな具合に映像化されてるんだろう。そっちも気になるー。
「ひなた」(これは映像化されてないかも)
淡々とした日常・季節を追う家族(カップル)の物語。
人はそれぞれに思いを抱えて生きているし、他人からどう見られているかなんて
解らないけど、四季を通して時間の経過とそれぞれのカップルの形が
ひなたの様に、影のように、重なっている小説。
「さよなら渓谷」
とある安アパートに暮らす母子家庭、子殺しの事件が起こる。話はその隣人のカップルに移っていき
その過去があらわになった時…。
罪と罰と、被害者と加害者の関係性がいかに不思議な絆で結ばれるのかという問いにも似てもどかしい。
過去の事件を皮切りに居場所を失った被害者の行き着く先は加害者の元しかなかったのか。(ある意味ネタバレでスイマセン)
犯罪とは、法を犯すという上っ面を通り越すと究極の愛になるのかも知れない。
私の最近のマイブームなんですが、作家さん特集で読むと意外と面白いです。
作風の変化とか得意な題材とかもあるんでしょうが、他にも色々読みたくなる作家さんです。
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