路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

外猫達の距離

2012-04-30 | 『小豆・米・大豆』


私は殆どの写真を携帯カメラで撮影しているので

自らの足がズームレンズ代わりなのだが、

警戒心の強い雌猫や子猫には割りと

時間を掛けて近付くようにしている。




プロ使用の素晴らしいレンズを付けていれば勿論、

被写体である猫との距離がある程度遠くても撮影は可能だし、

初めから距離を保ったままで

自然な姿で猫寄りの絵が撮れる。




写真の事は解からないという人でも

動物写真、特に猫写真で有名な岩合光昭さんの写真と

武田花さんの写真を見れば二人の写真が対照的だと感じる筈だ。

好対照でもあるこのお二人の写真の違いは

猫との物理的距離の差がその一つにあげられると思う。

岩合さんは動物をメインに、武田さんは廃墟と猫が中心という

撮り方やスタイルの違いもあるだろうが、

勿論、私はどちらの写真も大好きだ。




私の場合はたまたま猫に出会った時に

持っていたのが携帯カメラだったので、

出来るだけ猫に近付く事で、なるべく

何処で撮影しているのか解からない様に

かつ、その猫の特徴が解かる写真を撮るように心掛けている。

写真も文章もつたないもので、

自分の見たモノを互いに補う記録的なものだからだ。

でも、これがある意味

写真の基本の一つを学ぶ(まだまだ勉強中ですが)のには

かえって「良かった」と思えたのはしごく最近の事。

学生時代は父親から譲り受けた古いヤシカの一眼レフを

使っていたが、当時はフィルム全盛期。

最近はもっぱら、携帯カメラでばかり撮影しているので、

少し大きなレンズが付いた機種を持つと、

かえってレンズが邪魔に感じたりもする。

有難い事に、デジタル化の波はヘタな鉄砲を

沢山、撃たせてくれる。

自分の子供時代にこんなに便利な物があったなら、

さぞ楽しかった事だろう。




話が大分それたが、猫に戻そう。




そもそも、猫は群ではなく単独で生きる。

特に外で生きる猫達は、

飼われている動物達と違って

心の距離が物理的な体の距離と正比例する。




だからこそ、

距離を縮めつつ撮影する(縮めないと撮れない)

携帯カメラの面白さがあったりする。

勿論、大きなレンズを否定するつもりは更々ないのだが。










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コイ ノ サホウ

2011-05-24 | 『小豆・米・大豆』




「恋は、盲目」とは良く言ったものだ。

渦中に居るとすっかり周りが見えなくなる。

実際には、周りが見えないと言うよりは、

自分が客観的に見れなくなるものなのかも知れない。




以前職場で、一人の男性社員が

社内の女性社員全員の為にわざわざお菓子を買って来てくれた。

持ち帰る為の袋も付けて一人ひとりに配っていたが、

お店の手違いか、持ち帰り方が悪かったのか

一つだけ、包装紙が少し破れていた。

そんな事は多分、配る前から承知していたであろうはずが、

当たり前のようにある女性を後回しにしているのが解かった。

その男性は、社内に好きな女性がいたらしく、

後回しにした女性のことは特にどうでも良かったのだろう。

しかし、女性というのは怖~い生き物で、

男前に同じことをされてもがっかりする程度で終わるが

不細工くんに軽んじられると腹を立てるのだ。



学生時代にもよくあることだが、

仲間内に好きな人がいると、気持ちを伝える為に

特別なメールをその人だけに送りがちだが

恋する相手に特別扱いは当然でも、

案外回りの女子には不評だったりする。



学生ならまだしも、職場や同じ目的で集まった集団の中に

そういう輩がいると、

好きな人に「良い恰好」を魅せようと

必要以上に頑張ってくれて助かったりもするが、

案外邪魔で、面倒な場合が多い。

恋をしている当の本人からしてみれば

想定外に「馬に蹴られて死んで欲しい人」が

回りに沢山増えていくからかも知れない。

ある意味、

自らそれを生み出している事実に気付けなかったりする。



さて、人はさておき、猫はどうだろう。



雌の発情は年に3、4回、期間は1~3週間。

雄には、メスのように発情期間がなく、

発情期のメスに促されて発情する。




どちらにしても、女子(周りの女子も含めて)が

主導権を握っているのは間違いない。








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心のかさぶた

2009-12-23 | 『小豆・米・大豆』




最近気になっていたのは、

『米』のお腹のふくらみ。




去勢すると、雄猫は食欲が倍増するって話だけれど、

勿論、外に出れば優しい人が置いて行くご飯もあったり

訪れると必ずご飯を振舞ってくれる

素敵なお宅を持っている猫も居る。

この年末、食の誘惑が多いのは猫も人も同じかも知れない。

でも、それで太るってのは解せないくらいに

彼の行動半径は、広い。

家猫で太るのは解かるのだが、彼は飼い猫にも関わらず

往来を闊歩する外猫達とほぼ変わらない生活をしている。

ただでさえ、冬毛仕様の彼のお腹はふっくら膨らんではいるが、

その横にありえない大きさの瘤があるのだ。

撫でても触っても嫌がらない。

病気ならばきっと触られるのを嫌がる筈だし、不思議だった。




ある日、再び『米』に会った時に

その瘤は周辺の毛と共にごっそりなくなっていた。

そう、まるで自分でむしりとったように。

冬毛に隠れて気が付かなかっただけで、

喧嘩の時に怪我をして

傷口がかさぶたに覆われて抜け毛と固まったのを

ごっそり自ら引き抜いたようだ。

再び毛が生えてくるのか心配な位に、大きなハゲが出来ていた。




人の悲しみや変てこなこだわりも、

こんな風にごっそり取れてしまえば楽なのに。

私は幾つになっても、かさぶたが上手に取れないみたいだ。

傷が癒える前に手を出しては、紅い血が流れて振り出しに戻る。

体のかさぶたも、心のかさぶたも。




私の心配を他所に、呆れる位に元気な『米』が足元で

「さぁ、撫でてくれ」と横になった。

傷というのはこんな風に、

時間と傷を知らぬ他人に癒して貰うものなのかも知れない。








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里 子

2009-12-01 | 『小豆・米・大豆』



子猫が産まれてその路地へ行くのが

不謹慎ではあるが楽しみだった。




その日は、母猫『小豆』が路地の隅から出てくるのに

少し時間が掛かったけれど

母猫が出てくると安心するらしく、

ワラワラと可愛い子猫達も姿を現した。

この可愛い姿も、もう見納めになってしまった。



『黒豆』は3匹居たのだが、その内の1匹が

優しい里親さんに貰われていったのだそうだ。

そうこうしてる内に、

黒いのばっかりが全く姿を現さなくなってしまった。




知人の話に寄ると、

「巣立ちの時期も近かったし、黒猫女子部が先に旅立って行ったみたい

 白いのは草食系(男子)なのか、体は一人前にデカイけど出て行かんもんね」

…との事だ。





今時の…って言う程じゃないけど

動物の世界(勿論ヒトも動物だし)は

何のかんの言っても、

やっぱり雌が強いのかも知れない。今も昔も。





親猫の頭を撫でながら、

一向に撫でさせてはくれない白い息子を見て思う。

「そんなんじゃ、里親も見付からないよ」






心を許して貰えないのが

悔しいのは私だけではない筈だから。














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路地デビュー

2009-08-01 | 『小豆・米・大豆』

先日、ふと買い忘れたものに気付いたので

夜に外出した時の事。

「もしかしたら猫達に会えるかも」と薄い下心を持って

買い物にはちょっと遠回りの道を選んだ。

路地の真ん中にいた猫のシルエットを見て、

それが『小豆』だと解かる。

私は嬉しくなってその場にしゃがみ込んだ。

『小豆』も尻尾をピンと立てて、一目散に駆けて来る。



可愛い。


夜なので撮影出来る光源を探すが

この界隈は暗く、撮影は早々に諦めて

撮影料を少し持っていたのであげる事にした。

喜んで食べている『小豆』の頭の上を

黒い小さな影が通り過ぎた。



ん??何かいる?



それはそれは、可愛い子猫『黒豆』さんだった。

警戒心はあるものの、母である『小豆』が

歓迎している人だからと思ってか、やや警戒を解いて

かなり近く(触れる)の距離まで近付いてくれた。

あまりの可愛さに気を抜いて眺めていると

もう一匹、可愛い黒猫さんが車の下から出てきた。

さっきの一匹目の『黒豆』とソックリだ。

感動していると、犬の散歩の女性の方に声を掛けられた。

「子猫、何匹いる?」

「2匹です」

「そう?」




女性と犬が通り過ぎた後、

気が付いたら、小さな影は3つあった。

成程、そう言う意味か。

苦笑いしている私の前に『米』が現れた。

…と思ったら違った。

『米』にソックリな子猫『白豆』だった。

4匹目だ。



『小豆』は私の記憶の中では二度程妊娠している。

が、しかし、

一度も子猫ちゃんを拝ませて貰った事は無かった。

あの大雨の翌々日だったので

『小豆』が安全になったから外に出したのかも知れない。

幼い顔をした『小豆』はどうやら結構立派な母猫みたいだ。





大雨と夜の買い物が、子猫達の路地デビューと

素敵な出会いを運んでくれた。





※ちなみに、上の『小豆』の写真と子猫『黒豆と白豆』の写真は
 後日昼間に撮りに行った時のものです。









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鍵尻尾

2009-06-28 | 『小豆・米・大豆』

『大豆』の尻尾は鍵尻尾だ。

鍵尻尾の猫は、

「幸せを尻尾に引っ掛けてやって来る」とか

「幸せの扉の鍵を開けてくれる」と

言われたりする。





小学校の頃の私に猫の話を色々教えてくれた友達の家には

シャム猫、茶虎、黒猫の3匹の猫が居た。

それぞれに『チビ』(♀)、『ドラミ』(♂)、『クロ』(♂)

と言う名前が付いていて

シャム猫の『チビ』意外の2匹が、雄で鍵尻尾(尾団子)…

友達の話では、その2匹の親猫も鍵尻尾で

遺伝ではないかと言っていた。





ある日、その友達宅へ遊びに行った私は

初めて猫のお産に立ち会う事となった。

シャム猫の『チビ』が出産中だったのだ。

ご両親が自動車修理工場をしている事務所の片隅で

『チビ』は苦しみながら4匹の子猫を産んだ。

産み落とした子猫を舐めずに

先ず出産で疲れた自分の体を舐めた『チビ』を見て

友達の母さんはこう言い放った。




「あんた!子猫が先やろ~。自分は後!」






古来、日本の猫は歳をとると尻尾が分かれて「猫又」になると

言われていた為、鍵尻尾やボブテイルが好まれ

その交配に寄って増えたのではないかと言う説もあるくらいだ。

最近ヒトの間では

「離婚遺伝子説」と言うものがあるらしい。

離婚した人の子供は離婚する遺伝子を受け継ぐとか何とか。。






人口過多(猫又)になるのを恐れて

離婚率(鍵尻尾)を増やしている誰かが居るのかも知れない。











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