路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

「悪魔のりんご」

2008-05-25 | ★ほんの日常

その絵本と出会ったのはつい最近の事だった。



荒野を彷徨ううちに空腹で力を無くした悪魔が、一人のジプシーの少女と出会う。
悪魔はジプシーの少女を隙あらば食べてやろうと思っていた。
悪魔が置いていった毒入りリンゴを、
少女はおじさん(悪魔)のためにとっておこうと考える。
少女の純粋な心に触れ、心の悪も魔法も失い悪魔が悪魔ではなくなってしまう。




このお話の凄い所は、「悪い奴」であるはずの悪魔が
「可哀想な奴」に変わってしまう事。




良い事と悪い事の間に
割り切れない何かを子供の心に伝えようとしている様で
大人の長い言い訳の様な、何だか切ないお話だ。




でも、そんな事は子供の方が良く知っているのかもしれない。




誰かの幸せの為には、誰かの犠牲は付きものだという事。
純粋である事は、時に残酷に成りうる事。
元来、役回りと言うものは決まっている事。
悲しい事は、いつでも何時でもやってくる事。
それを和らげたり紛らすのは「時」しか無い事。





これは、悪魔が可哀想だと涙する子供を
「感受性の強い子だ」と思いたい大人の為の物語ではないかと思う。






毒は薬にもなる。
自分の毒で体を清めたら薬になったというお話か?
いやいや、深読みしてはいけない物語もある。





全然感想文になっていない私の文章だが、
貴方の物語は、続いていますか?






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コメント (8)
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