路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

「悪魔のりんご」

2008-05-25 | ★ほんの日常

その絵本と出会ったのはつい最近の事だった。



荒野を彷徨ううちに空腹で力を無くした悪魔が、一人のジプシーの少女と出会う。
悪魔はジプシーの少女を隙あらば食べてやろうと思っていた。
悪魔が置いていった毒入りリンゴを、
少女はおじさん(悪魔)のためにとっておこうと考える。
少女の純粋な心に触れ、心の悪も魔法も失い悪魔が悪魔ではなくなってしまう。




このお話の凄い所は、「悪い奴」であるはずの悪魔が
「可哀想な奴」に変わってしまう事。




良い事と悪い事の間に
割り切れない何かを子供の心に伝えようとしている様で
大人の長い言い訳の様な、何だか切ないお話だ。




でも、そんな事は子供の方が良く知っているのかもしれない。




誰かの幸せの為には、誰かの犠牲は付きものだという事。
純粋である事は、時に残酷に成りうる事。
元来、役回りと言うものは決まっている事。
悲しい事は、いつでも何時でもやってくる事。
それを和らげたり紛らすのは「時」しか無い事。





これは、悪魔が可哀想だと涙する子供を
「感受性の強い子だ」と思いたい大人の為の物語ではないかと思う。






毒は薬にもなる。
自分の毒で体を清めたら薬になったというお話か?
いやいや、深読みしてはいけない物語もある。





全然感想文になっていない私の文章だが、
貴方の物語は、続いていますか?






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8 コメント

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絵本 (ねこやま)
2008-05-25 12:25:37
本は良く読むのですが、周りに小さな子供もいないのでなかなか手が出ないのが絵本。
でも、読んでみたくなりました。
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ねこやまさんへ (rojineko)
2008-05-25 20:06:29
昔から読書感想文とかは苦手だったので
あまり参考にならないかとは思います。
でも、これは大人のための絵本のような気がします。
機会があれば、是非手にとってみて下さい。
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Unknown (ウェンディママ)
2008-05-25 22:30:29
最近、本を読みたい病なんですよね(^^;
ぜひ読んでみたいと思いました。
絵本って、大人が読むと『深いな~』と思うものがありますよね。
絵本ではないですが、《婚約のあとで》という本が、最近読んだ中で一番面白かったです。
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Unknown (y_and_r_d)
2008-05-25 22:40:04
こんばんわ。
読むヒトによって
様々な解釈ができそうな物語ですね。
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ウェンディママさんへ (rojineko)
2008-05-26 00:11:21
そうなんですよね。昔話とか民話とか、お伽噺…昔から知っているお話なのに読み返すと不思議な発見があったりしますね。

「深い」物語って何故か惹かれるんですよね。
「婚約のあとで」も読んでみたいので探してみますね。
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y_and_r_dさんへ (rojineko)
2008-05-26 00:14:46
子供の本って結局大人が選ぶものなので、
やはり大人も読めるものって言うのが前提なのかもしれませんね。

(色んな意味での)問題提起のようなお話だと思います。
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Unknown (さくらもち市長)
2008-05-27 15:49:17
本屋へ行くと、よく絵本コーナーに
立ち寄ります。
子供のころに読んだ絵本があると、うれしくなる。

大人になってから改めて読むと
全然印象が違ったりするんですよね。
十数年、あるいは何十年経っても
読まれ続けている絵本や童話って、すごいなぁと思ったり。
“歌”に近いものがあるのかも。
いい絵本は、いつまでも内容を覚えていられる。
刷り込まれた歌みたいに。
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さくらもち市長さんへ (rojineko)
2008-05-27 23:14:15
本当ですね。
大好きな絵本は、台詞の一つ一つまで覚えていたりします。

いつも思いますが、さくらもち市長さんのイラストと写真は、しっかりとした絵本になりそうですよ。
特にイラストのほっこり心が温かくなる線が大好きです。
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