back number - 青い春
サビのみ良い。主旋律とギターソロが綺麗。
美しい。
唐突感のあるラストだったが、
一応2話かけて閉めさせてもらってたし、
これはこれでベターな最終回かもしれない。
未来人の脳裏に最後まで残ったものが、
味覚の記憶だったっていうオチは、
なかなか洒落てるかもしれない。
クソマイナー作品やけど、まぎれもなく良作だった。
エッセイ漫画を描く人。
ブログ
カマタミワの作風に近い。
エッセイには、やはりある程度の
人生の年季、すなわち年齢が必要で、
若者が描くのは難しい。
人生経験に裏打ちされた、乾いた笑いのようなものが
一つの要素として必要。
ポテンヒットを地道に打ち続ける、そういう人生の在り方。
昔の施川ユウキ作品は
終わらない日常、サザエさんみたいな
設定の漫画が多かったが、最近のものは
心情の変化、小さな成長をテーマにしたものが多い。
人間の居なくなった街、動物の姿をした相方など、
本作はSFとなっているが、メインテーマはコミュニケーションだ。
殻にこもった子供が、外部の世界と折り合いをつけて
成長する話とも読める。
人間も生物である以上、大なり小なり日々変化していくもので
それは事実として避けられない。
だとしたら、その事実をどう受け止るか、それこそが個性とか生き方
なのだと思う。
連載中、人気がどれくらいだったのかは知らないが、
この作品が1巻で完結していることは、非常に良い。
日常ものに埋没せず、緊張感を持ったまま物語を
畳むことに成功したからだ。
それから、たった2名の登場キャラクターのみによって
物語が進行していき、また成立させているところに驚愕する。
キルミーベイベーにせよ本作にせよ、人間の深部の
感情を描くには、最低限、話者ともう一人さえ居れば十分という事実を
示している。キャラデザも、キャラ数も必要なし。
洗練された漫画だった。
サンデー今週号より新連載。
全くサンデーっぽくない。青年誌というか、
月間向け。絵柄は電撃大王とかっぽい。
ストーリーは温かく、生活の情感たっぷり。
なんとなく、毎回読んでしまいそうな感じだ。
そういう漫画ってなかなか貴重。
仕事納め。
今年はどんな一年だったと聞かれたけど
そんなん一言で表すの難しい。
色んな感情が入り混じった、「しんどい」一年だったとしか
言い様ない。
別式
群緑の時雨といい、これといい
かわいい絵柄の時代劇ってアリやな。
サムライうさぎなんかも良かったし。
それにしてもTAGRO先生の絵、めちゃカワやな。
線が、幾何学的に整ってる。
史実の別式女という役職にも少し興味が湧いてきた。
江戸時代って、調べてみると案外多様な社会だったと分かる。
BBC製作のドラマ版。
帝政ロシア下の貴族の群像劇。
やっぱり、あの国はヨーロッパ諸国に比べ
そこはかとなく野暮ったいイメージ。
大貴族達の立ち振舞いからでさえ、
田舎臭く凶暴な印象を受けた。
しかし、戦争や心の乱れを表現するには
うってつけだったと思う。
例えばもし、フランスを舞台にしていたら、
ベルサイユの薔薇みたいに様式美の世界に
なってしまいそうだったので、そうでなく
本作からは適度におどろおどろしさが感じられて良かった。
西洋の大河ドラマを見ていて、いつも思うのは
衛生観念の低さ。ドレスの裾が豚小屋の床を
こすっていても全く気にしないし、いつ洗濯してんねんていう
衣服に平気でキスする。何日も手洗ってないんじゃないの?
という状況で、素手でパンをちぎって人に渡す、とか。
そら貴族でもバンバン疫病で死ぬやろなあ。
様々事件は起きるが
日常的な所、同居人の女達の
心情こそが作品のテーマ。
嘘と本音。誰もが持つ二面性ではあるが、
過度に開きが出てくると、人格にダメージが生じる。
僕は嘘が苦手な方なので、本音を無理矢理に覆い隠して
生きる人の気持ちが分からない。しかし、そうした人達の
境遇を考えることはできる。自分に嘘をついて生きている人は
自分自身の力だけでは、自己を解放する事はできないという事なので
他者の援助が必要となる。
本作のシェアハウスという設定は、本能的に他者を求める人々を
象徴しているように思えた。
ところでこの作者は、ミステリーには向いてないな。
ヒロインの死亡フラグの立て方が分かり易すぎる。次のシーンで
絶対何かあるなって誰でも気づいてしまう。
真犯人の動機も訳分からんかったし。
常軌を逸した人格の持ち主という設定を酌んでも、全くしっくりこない。
それからヒロインの一人である女子高生、宝くじを当てたばっかりに
人生が狂ってしまい、気の毒でしょうがなかった。
本作は当初、ミステリーという事もあって、仔細は読者の想像に任せるっていう
スタンスだったと思うが、最終巻で何もかもつまびらかにしてしまい、ちょっと
呆気ないなと思ってしまった。言及すればするほど、前の場面との整合性が
取れなくなるという悪循環が生まれてしまった。いっそ、3巻までの情報開示で
留めておき、あとは真犯人周りの顛末だけ描いても良かったかもしれない。
とはいえ、面白かった~。
一風変わったハーレム物。
謎解きではないがミステリアスなストーリー。
最近読んだ中では、一番面白い。
絵は下手だが、結果的にキャラクターの心理を
読者に想像させる風に働いているので良し。
それにしてもこの主人公、なぜ各年齢層の若い女子から
モテまくる設定なのか謎。
続き買おう。
主演二人ともイマイチ好きでないので
見なかったけど、最終回の真田丸パートが気になって
視聴した。普通にドラマとしてよくできてるな。
脚本がよい。漫画っぽいドラマとして好感持てる。
調べたら本作の脚本家、
掟上今日子の備忘録とか重版出来!の人やん。
流石やわ。一流のスタッフに豪華な予算。
出るべくして出た人気という感じ。
がい子くじん
なんでこの人、こんな人生達観してんのや。
何者なの。こういう人が草の根レベルで
同人やってるのが凄い。
その道を極めた人が、一周廻ってまた
最前線に来ている、という感じ。
強くてニューゲームみたいな。
女教師ひとみが、ひたすら嘘をつきまくる話。
実は深いと見せかけてそうでもない。
ヒロインは、シンプルに嘘が好きなだけなのだろうが
周りが放っておかない。
ファンが生まれ、やがて信仰の対象に。
天才とはそういうものかもしれない。
この作風は僕には合わなかったので、もう買うことは
ないと思うが、倉島圭という人は、漫画界において
確かに、唯一無二の存在だ。
ところで、少し昔までは、どこの学校にも名物教師と
呼ばれる人が一人は居たもので、賛否両論ありつつも
生徒にとって刺激となっていたのは確かだった。
少なくとも、変人教師を認容する社会には価値があったと思う。
ひとみ先生のキャラクターからは、そういった事を考えさせられた。
八十八良の「ウワガキ」がいつのまにか完結してた。
無難な終わり方とも言えるけど、
正直ガッカリだった。作家だったら
もうちょっと何でもいいから捻れよと。
過去ログによると、5年ほど前にも似たような事を書いているが、
今回もやはり同じ感想。
この人の漫画、まずまず面白いので継続して読めてしまうけど、
最後の一押しというか何か一味足りない。
恋愛を題材にした漫画というのは、少女漫画を抜きにしても
数も多く、割合とっつき易い。
秀作もそこそこあるが、それ以上の傑作にはならない印象だ。
男女の好き合いを描くだけでは作品として限界がある。
日常のよしなし事や他者への慈愛とか、あるいは非日常の冒険
だったり、テーマは何でもよい。共通しているのは、
人を感動させ得るかという点。
純粋に恋愛要素のみで、人が深く感動する事はあまり無いように思う。
共感する人は居ても、結局は「はい。そーですね。」で済んでしまうので。