goo blog サービス終了のお知らせ 

ラグランジュ・ポイント

日記帳です。トップページからは写真も見られます。全て私個人の見解で、所属団体の立場・戦略・意見ではありません。

京大漫トロピー

2016-12-08 22:46:09 | まんが・アニメ

京大漫トロピー

流石は京都大学の学生。濃い。
漫画ブログとしても、読み物としても
一級の出来だ。あの大学の話題に
触れる度に思うけど、人より優れた才能を
持った人間は、何かしらかの形で
それを表現して他者に伝えるべき。

逆に、それをしないという事は、放置して
忘れ去られた預金通帳の残高みたいなもので
もったいないし、リソースの無駄である。
特別信心深いわけではないが、そういうのって
不作為(怠惰)による犯罪という気さえする。

類まれなる天の恵みを無駄にしないでほしい。


うちのクラスの女子がヤバい

2016-12-08 00:08:39 | まんが・アニメ

うちのクラスの女子がヤバい

衿沢世衣子は、何となく一味足りないような気がして
遠慮してたけど、本作はなかなか骨太だ。

雰囲気としては、石黒正数短編集とか
平方イコルスンの「スペシャル」に
少し似ている。

使い道のない(しょーもない)超能力という設定、
思春期特有の、内なる感情が抑えきれずに
漏れ出てしまい、行き場がなくなってるような
様子をうまく表現している。

能力は、ふとしたはずみで発現して、いつのまにか
消えてしまう。命短し恋せよ乙女ではないが、
その儚さやあっけなさも、この年代の感性と
マッチしている。


#細かすぎて伝わらないこの世界の片隅にの好きなシーン

2016-12-06 01:22:52 | まんが・アニメ

#細かすぎて伝わらないこの世界の片隅にの好きなシーン

みんな、作品の細かい所までよく観てるなあと。
それに耐えうる、こだわりの極地とも言える
作品づくりには、ただ唸るしかない。
マイマイ新子にせよ、これにせよ、
片渕映画には、もはや学校教材に採用しても遜色ないほどの
価値がある。


この世界の片隅に

2016-12-05 20:14:33 | まんが・アニメ

映画観た。
原作を余すところなく、忠実に
映像化した作品だった。
カットされたシーンは少なく、
そのため尺が不足気味というか
各々の場面に費やせる時間が短くなったため
ややかけ足の印象があった。特に前半部分の
日常シーンはもう少しゆったりと描いても良かった。
説明的な台詞がほとんどない原作なので、
映像化するにあたっては、家族の何気ないやりとりの
シーンなど、もう少し噛み砕いてもよかったかなという印象。

後半、戦局の悪化とともに、映画の雰囲気は一変。
ヒロインすずが大切にしたかった、日常の定義が様変わり
していく。その様子はよく描けていたと思うが、あまりに
リアルな戦時下を再現したために、反戦的なメッセージが強く
出過ぎた感があった。
太平洋戦争を省みる事はこの作品の欠かせない要素ではあるが、
次々と訪れるあまりに過酷な現実を、真正面から直視し続けるのは
辛いものがある。
日常シーンとの落差によって人々の心を揺さぶるというやり方は
効果的とはいえ、本当に正しいやり方なのか、という気はした。

批判的に書いてみたが、しかしほとんど非の打ち所がない作品と
なっている。さすがは片渕監督。超一流の原作を申し分なくさばききった。

印象的なキャラクターとしては、義理の姉、径子。影の主役のように思われた。
原作漫画では、キーパーソンの一人ではあるが、そこまで強い
印象はなかったが、本映画では引っ込み思案のすずの補完的な役回りで
大活躍していた。すずと径子二人分あわせて、当時の庶民の本音という感じがした。

本作、各シーンの完成度が高く、特に後半は畳み掛けるような構成なので
泣けてくる。何年か後、もしも地上波で放映される事があれば、大反響を
呼ぶだろう。


背川 昇

2016-12-03 15:05:27 | まんが・アニメ

http://www.pixiv.net/member_illust.php?type=manga&id=2969152

位置原光Zっぽいタッチ。
そして、意外性のある展開とオチ。
漫画というのはやはり才能が物を言う世界。
慣れていない作者が、数をこなす内に
様になっていくという事はあるが、
全く面白みのない作家が、年季を
重ねた結果面白くなることはまず無い。

残酷やけど、芸術の世界ってそんなものかなと。

P.S.
しかしこの人、位置原さんに作風似すぎやな。
位置原光Zの二次創作なのでは。


バーナード嬢曰く。

2016-11-28 21:19:03 | まんが・アニメ

施川ユウキ作品はだいたい良作とはいえ、
とりわけ地味な部類である本作をわざわざ
アニメ化しようと考えた人に拍手したい。

テンポ、声、ED曲と、原作の魅力を何倍も引き立てた
見事な出来映え。アニメとしては今年一番かもなあ。

らぶ!ライブラリー
ED曲めっちゃ好き。しかし、原曲のライブとED版では出来が段違い。
神編集。

このアニメ、スタッフに恵まれてるわ。


瀬戸口みづき

2016-11-27 16:04:06 | まんが・アニメ

全く名前聞いたことなかったけど、かなりいいな。
作品によりかなり当たり外れあるけど。
そこそこ作品数はあって、毒舌系のラブコメと自虐エッセイが
得意ジャンルらしい。
うまくいかない事を笑い飛ばそうっていう作風は90年代の
漫画みたいだ。

初恋症候群 が特に良い。
幼馴染み二人にふりまわされる主人公っていう設定は
一見単純なようで、なかなか考え抜かれている。
多方面に転がせそうで、広がりがある。

買うほどではないけど、漫画誌に載ってたら間違いなく読む。
知らず知らずのうちに読みふけってしまうような漫画。


女騎士、経理になる。

2016-11-26 14:15:00 | まんが・アニメ

http://denshi-birz.com/onnakishi/

異世界ファンタジーもので、経営学を
展開するという話。着眼点はめちゃくちゃ面白いが、
たぶん作者、ふんわりとしか経済の知識ないっぽいな・・。
連載のために、付け焼刃で勉強しましたって感じ。
そもそも簿記の勉強しても経営の知識つかんしな別に。

ともあれ、進んだ知識を駆使して未開の地で
無双をする系の話は、読んでてスカッとする。


いらすとや

2016-11-26 13:38:48 | まんが・アニメ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm29982754

もずさんがツイートしてたやつ。
こうして眺めると完全に社会風刺。

ネットの内外を問わず、
今年はいらすとやが社会を侵食した年やった。
あまりに急速に普及したもんやから、不気味がられて
「一人歩きしたスタンド」とか言われてたのも印象的。

作者はこれで儲けたみたいやけど、一方で、若手のイラストレーターの
仕事を奪うから害悪って批判も出てて、ほんと有名になると多方面から
評価を受けるもんなんやなと感じた。


I(アイ)

2016-11-20 19:17:45 | まんが・アニメ

いがらしみきお著。
分かったつもりなことを言ってる奴は好きでない。
イサオは、他人を苦しみや俗世のしがらみから解放させる
事を目論んでいるのかもしれないが、殺す理由にはならない。
それは傲慢である。超能力を持った特殊な人間ではあるが、
それで特別偉いということにはならない。

やはり、いがらしみきおは狂人だと思う。
その意味深と思わせる発言に人は集まってくるが、
たぶんこの人には何も見えていない。
頭の悪い読者は、この人が描いたままの言葉を有り難がるかもしれないし、
頭の良い読者は、勝手に解釈してまた有り難がるだけだと思う。

「○○は××である。そういうもんだ。」一貫してこういう書き口。
それを何十個も書き連ねていく。そうすれば、しまいには誰にでも当てはまる
格言になる。宗教の教典の書き方に似ている。
神とか死とか生命とか、はっきりした定義のないものを論議するのだから
言ったもの勝ち感がある。誰も解釈を否定できないが、肯定される論拠もない。


小田桐圭介

2016-11-20 14:52:02 | まんが・アニメ

http://mavo.takekuma.jp/title.php?title=25

これは、才能の塊やな。天才。
抽象的な事を簡単なストーリーに
落とし込むのって実はとても難しい。
絵が下手さ加減が、結果的に素朴さと
シンプルさを際立たせる格好になっていて良い。
一種、絵本のようなメッセージ性を持っている。
コミティアのために存在するような作品。
これだけ単純化された表現だと、作品が
古臭くなる事がないのでそれも良さの一つ。
絵柄ちょっと、とよ田みのるに似てるな。


君の名は

2016-11-20 02:59:00 | まんが・アニメ

観た。僕はどうも、ファンタジーまる出しの作品は好きになれない。
一応SFジャンルなのだと思うが、理屈がない又は
分かるように描写されてないので、正確には
SFとも言えない。

一つ言えることは、この映画「全く論理的じゃない」という点。
ストーリーの要は、主役二人の恋愛であるが、正直弱い。
主題なのだから、だんだんと親密度が高まっていくとか、
決定的に仲良くなるようなイベントを挟むなりして、丁寧に描かれるべき。
しかし、ただ彗星衝突という出来事を目の当たりにして気分が高まり
何となくお互いの事を運命のパートナーだと錯覚してしまう話、
という風に見える。10代の恋愛ってそんなもんか・・。

ストーリーが脆弱で何がしたいのか分からない、という所は
いつもの新海さんだ。原因は、やはり人物描写の浅さ。
画面からキャラクターのバックボーンが伝わってこない。
だから、キャラクターの行動に説得力がないし、迫力に欠ける。

総合的に考えて、サマーウォーズとか猫の恩返しぐらいのレベル。
その程度の評価に留まる。

あと、この映画自体がRADWIMPSのプロモ動画みたいに
なってしまっている。主役を誰にしたいのかはっきりして欲しい。

作品が良かったから大ヒットしたのではなく、宣伝が功を奏して
ブームになったからヒットした、という点を忘れるべきではないと思う。
つまり、本作を機に、新海さんがレベルアップしたわけでも、
アニメが面白くなったわけでもないという事だ。