庄司利音の本棚

庄司利音の作品集
Shoji Rion 詩と物語とイラストと、そして朗読

詩 「 マリアンヌも 朔太郎も 」

2016-03-29 13:16:08 | 
 詩  「マリアンヌも 朔太郎も 」
 

ほんの時たま、知らないうちに
きみは蟻を踏んづける
だからと言って
予定の明日になんのズレも起こしはしない

結局、僕らが歩いているのは、
ヂガヂガに熱せられたフライパンの上

マリアンヌも、朔太郎も・・・

立ち止まるだけの勇気はないし
立ち尽くすほどには感情がない

ほんの時たま、知らないういちに
きみは誰かに踏んづけられる
たとえば、こんなボクにさえ

あっけなく ナチュラルに 意味は無く

折り紙の最後の一折を放置され
なんの形にも成れないままに・・・

ほんの時たま、知らないういちに
きみは誰かを踏んづける

きみは、誰かを、
踏んづける


マリアンヌも、朔太郎も・・・

マリアンヌも、朔太郎も・・・




詩 「哀しき宇宙に今日もまた・・・」

2016-03-10 13:18:53 | 
   「 哀しき宇宙に今日もまた・・・ 」



哀しき宇宙に今日もまた
星が一つ、生まれます

こんこんこん
こんこんこん

背中を丸めて 誰かが咳をしたのです
苦しそうにも、安らぐようにも
星の小粒は 吐き出されます

あの星は、あのとき あなたが 吐き出した星
遠く遠くきらきら光る
いつまでも消えないあの光

哀しき宇宙に今日もまた
星が一つ 生まれます

こんこんこん
こんこんこん

生まれし者
たったひとり
歩いて歩いて 

お~い、おい
どこまで どうして 行くのだろうね
どうして そんなに 行けるのだろうね・・・

死に行く者
たったひとり
振り返り振り返り

ありがとね
そこまで そうして 行くのだろうね
やっとそこまで 行ったのだろうね・・・

こんこんこん
ここは果てしのない行き止まり
どこにもどうにも行かれない

ここはすべてが途切れる場所

こんこんこん

きらきら光る

哀しき宇宙に今日もまた・・・