りおんの本棚 Shoji Rion

庄司利音の作品集 詩とイラストと朗読ライブ

詩 「 ほったらかし 」

2016-06-26 13:53:48 | 

「 ほったらかし 」



さて、ぼくは!

なにもかも ほったらかすことにしました

そういうことなので

やらなきゃ いけなかったことや

やるハメ になったことや

やりたくなくて やらなかったことや

やりたくても やれなかったことや

どれが どれで、 なにが どれでも

ぼくは ぜんぶ ほったらかします

おなかのなか ぜんぶが

げらげら わらってしまいそうです

さんまんこうねん さきの ぎんがまで

でんぐりがえし で いけそうです!


詩 にぎやかなバス

2016-06-19 13:46:20 | 
  「にぎやかなバス」


金紙を丸めたような 

ちくちくとした星々の沈む ソーダ水の夜の底


最終バスの乗客たちは

セルロイドのお面をかぶって 楽しそう

口の中には 甘いドロップ

眼には いっぱい  涙を溜めて

ほんの少し 眠そうに



窓の外では 木の吐く息が しゅるしゅると

後ろへ後ろへ  見えなくなって

みんなの眠る時刻には

宇宙のネジがそろそろ ゆるんで

ハッカの匂いの思い出たちが

揚々 落下傘で飛んでくる

窓から吹き込む まだるい風は

母の右手のように温かく

子守り歌の響きのようにも優しくて



バスは急ぐふうでもなくて

車輪の跡は風貴蘭(ふうきらん)の根のように

とろとろ ゆらゆら

あてどなく伸びたまま・・・

あとには さざめく声だけが

誰かのこぼした ミルクのように

にじんで ながれて ありました