りおんの本棚 Shoji Rion

庄司利音の作品集 詩とイラストと朗読ライブ

詩 「 君の言葉 」

2017-06-30 13:16:37 | 
あの時 君が 

ぼくに言おうとした 言葉

だけど 結局、 

ぼくには 言わなかった 君の言葉

ぼくはあれから 

ずっと考えている

君がぼくに

言おうとした 言葉

君がぼくに

伝えようとした 

君の思いを


君のなかに膨らんでいた かたちに出来ない君の言葉を

摂氏37度の微熱の思いを

君は 

どこに しまってしまったのかい?

どこに隠してしまったのだろう・・・

今 ぼくは、

必死に捜しているんだよ

ぼくの言葉が 捜しているんだ

ぼくの思いが 捜しているんだ

だけど まだ 

捜せない


どの扉を開ければいいんだ!

百万個の扉を 百万回 叩きつづけるよ

君の言葉が 

そこにあるなら

君みの思いを 

そこに見つけられるのなら



時間は決して戻らないんだ

どこかに 分岐点は あった・・・

君も ぼくも 気がつかないで 通り過ぎた

戻らない 一歩を

ふっと、

歩いてしまったんだ



君がいて、ぼくがいた 

あの時間

ぼくの後姿を 君は見ていた


もう一度、ぼくが 振り向いていたならば

違った今が 

あったのだろうか


あの時 君が・・・

ぼくに言おうとした 言葉

だけど結局 

ぼくには言わなかった 君みの言葉


ぼくはあれから

ずっと考えている

君がぼくに言おうとした

言葉

君がぼくに伝えようとした 君の思いを



あのとき ぼくたちが見ていた

四角い未来

今も 

まわっているよ

遠くのままで

カ ク ン  カ ク ン 

音だけ聞こえる

カ ク ン  カ ク ン

遠くのままだ

近づかない



君が言えなかった 君の言葉が

たぶん、

ぼくにも 言えないんだ


ぼくが言えない 

ぼくの言葉

ぼくが伝えられない 

ぼくの思い


ぼくの言葉を 

だれが捜してくれるだろうか

百万回を 

誰が 

叩いてくれるだろう



ぼくはあれから ずっと

あらから ずっと

考えている











詩 「 イ イ コ ト 」

2017-06-15 12:17:41 | 

  ニコニコしていると

  イ イ コ ト が

  あなたに

  突進してきます

  ほんとです!

詩 「苔の時間」

2017-06-13 14:02:49 | 



地上すれすれに生きている

動かぬことの美しさ

ここに流れるのは
苔のための苔の時間

私はそれを見下ろしている

私の重さを
地面は黙して支えている

自分の図体の愚鈍さを
あきれるほどに悲しく思う

せめて私は
胎児のようにまるまって
そっと湿った息を吐こう

苔の時間を飛ばさぬように・・・

詩 「あんななん」

2017-06-13 14:00:28 | 


ななん なんなん あん ななん

ななん なんなん あん ななん


透明人間 透明人間 おまじない

ふやっと消えて あんななん

逃げちゃえ 逃げちゃえ ほら すいすい

みんなの隙間を ほら すいすい


ななん なんなん あん ななん

ななん なんなん あん ななん


あっかんべーえっ

お空の星にも べぇべぇのべぇーえっ

いい子なんかにゃなりゃしないっ

まーだママは怒ってる

あん ななん!

詩 「羽虫の日々」

2017-06-03 13:16:45 | 


下を向いて

下だけを見て 

歩いています

それでも曲がり角は曲がれるし

横断歩道も渡れます



下を向いて

下だけを見て

歩いています

それでも人の話は聞こえるし

聞こえないふりも出来るのです



さして困ることもありません

誰とも眼を合わせずに 一日を生きられます

誰とも関わらず 一日を生きられます



居ても居なくても、おんなじで

だから気が休まります



空は 私の蓋となり

地面は どんどん分厚くなって

もうじき 空と地面に挟まって

私は羽虫のように消えるのです



怒りもなく

妬みもなく


ただ ただ

今を愛おしみ



群れから離れた羽虫の日々は

あかぎれの手をすり合わせるような

そんな乾いた日々なのです



だから私の一日は 

誰よりきっと

穏やかなのです


だから私の一日は 

誰よりきっと

晴れやかなのです


カサカサとした手の平に

ひとしずくの雨粒が落ちました

それは それは

美しいのです