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基礎からのアメコミ映画講座:X-MEN:ダーク・フェニックス編

2019-06-20 | 映画

お久しぶりの基礎からのアメコミ映画講座。
「X-MEN」シリーズついに完結、ということで、
これまでの経緯を簡単にまとめたいと思います。

原作アウトラインや旧シリーズについては過去の記事をどうぞ。
今回はそれ以降についてのお話になります。

まず、X-MEN本線に関しては60年代舞台の「ファースト・ジェネレーション」の次は
ベトナム戦争敗戦後の70年代と「ファイナルディシジョン」後の未来を舞台にした
フューチャー&パスト」へと続きます。
過去を変えるために未来から送られたウルヴァリンの活躍によって過去は修正され、
ここから明確に旧シリーズとは別の歴史を歩む、という形となっていきます。
そして東西冷戦の80年代を舞台に、X-MENと最強のミュータント、アポカリプス&4騎士との闘いを描く
アポカリプス」へと続き、90年代を舞台にしたのが「ダーク・フェニックス」になります。

「ダーク・フェニックス」の原作は過去に「ファイナルディシジョン」でも映画化された
「ダーク・フェニックス・サーガ」であり、死んだはずのジーン・グレイの復活と強化、暴走、
そして決戦・・・という流れは今回も同じはずなのですが、旧映画とも原作コミック
(先ごろ翻訳版が出ましたね(過去に「マーヴルクロス」で邦訳されてますが))とも
今作で異なる部分は(よほどのサプライズがない限り)このキャラの不在になります。

そう、X-MENを代表するキャラ、ウルヴァリンです。

スピンオフ2作目となった「ウルヴァリン:SAMURAI」は「ファイナルディシジョン」後に
心に傷を負って放浪していたウルヴァリンが日本に赴き・・・という物語であり
「フューチャー&パスト」の未来パートの前に挟まる物語、という位置づけとなります。
「フューチャー&パスト」では主人公、「アポカリプス」ではカメオ的な出演として
X-MENシリーズを彩っていたウルヴァリンですが、
その彼の「最後の物語」として作られたのが「ローガン」でした。
年老い、体も能力も弱ったウルヴァリン=ローガンと、能力の暴走を抱えたプロフェッサーX、
ローガンの能力を受け継いだ少女・ローラのロードムービーとして描かれる
ウルヴァリンの最後の物語は、「ヒーロー映画」とはまた違った質感で描かれたものとなり、
この作品でヒュー・ジャックマンはウルヴァリン役を「卒業」することになりました。

さて、ウルヴァリンが去ったX-MENユニバースの人気を引っ張っていく存在が
思わぬところから登場することになります。
「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」に登場するも原作とは全く違うキャラ付けで悪い意味で話題になり
演じた役者が「原作通りに映画を作りたい!」とテストショットを流出させ、
そこから制作を決定させた男であり、映画と観客を隔てる「第4の壁」を超える男。

赤いタイツの「おしゃべりな傭兵」、デッドプール。
他のシリーズに比べて低予算、年齢制限つき(セリフ・暴力・性描写)でありながら
1作目「デッドプール」は世界的に大ヒットとなります。
原作での扱いもどんどんユニバースの中心キャラとなっていき、邦訳も驚きの速さで刊行、
グッズも大量にリリースされていくことになりました。
2作目「デッドプール2」では予算も増え、主に増えた予算をキャラクターを原作通りの外見にする
(旧シリーズでただのおっさんだったキャラが原作通りの巨漢に!)ことに使ったりと
「客を楽しませる」ことに全力を尽くしている印象をうけました。
原作での扱いは手に入れたものをどんどん失う展開になり、邦訳も途中で止まりましたが。

・・・さて、なぜ「ダークフェニックス」でX-MENシリーズは完結してしまうのか。
それは皆さまもご存じの通り、20世紀FOXがディズニーに買収されたため、となります。

「X-MEN」「ファンタスティック・フォー」の2シリーズの映画化権を持ち、
MCU開始前まではマーベルコミックスの映画化といえばFOXとスパイダーマンのソニーだった時代は
MCUの成功によって大きく変化し、MCUとの協調も見せるソニーに対し、
FOXはあくまで権利を手放さず、一時は自社内でのユニバース化か?という話も流れていました。
しかし「F4」のリブートの失敗もあったのか、「X-MEN」からのスピンオフ作を増やす計画をするも
「デッドプール」以外では「ニューミュータンツ」がホラーテイストで制作されるも
再撮影・公開延期・劇場公開からネット配信移行か?という状態となり、
TVドラマでの「レギオン」「ギフテッド」が好評ながらも
結果的にはディズニーへと飲み込まれる形となってしまいました。

「X-MEN」と「ファンタスティック・フォー」という
マーベルユニバースの中核となる2作を手に入れたMCUの今後も当然気になりますが
まずは「ダーク・フェニックス」を楽しみ、
そしてディズニーが「テイストを変えず作る」と明言した
「デッドプール」の続編も待ちたいと思います。


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