好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

『2001年』映画版VS小説版。

2023-05-17 | 物語全般
『2001年宇宙の旅』(byアーサー・C・クラーク)、読了。

映画を見て分からない部分については、小説を読めば理解できる。
小説を原作としている映画なら、その道理が通る。

ただ、今回は事情が少々異なる。
『2001年宇宙の旅』において、映画と小説は同等。
この小説は、映画と同時期に書かれた、もう一つのバージョンなのだ。
よって、あくまで小説版は小説版独自の設定と見なす事。

上記を前提とすれば、映画版のある程度の補完として、やはり小説版は優秀だ。

まず、人が最初にモノリスと会った経緯については、非常に詳しく書かれている。
その後、1940年代に真空管による初期のAI登場、1960年代に実用AIの理論構築、1980年代に学習できるAI登場、そして2001年に音声認識&自律思考できるHALが登場する。
(因みにこの本は1968年初出)
1時間ごとにニュースが更新される電子パッドが流通してたりする。

地球の人口は約60億人、うち中国が20億人。
人口爆発による世界的な食糧難が発生しており、アメリカでも肉を食べられない。
核保有国が38に及び、中国が核兵器を売っている。そんな世の中。

HALが壊れた理由、そしてボーマンが至った「星の門(スター・ゲイト)」や「星の子(スター・チャイルド」)についても、本当に分かりやすい。

その一方、登場人物たちの死は実にあっさり。HALの死もせいぜい2ページ。
この辺の迫力は、映画版の方に軍配が上がるだろう。
映画を見たら小説を読んだら、また映画を見たくなった。どちらも傑作です。

それでは。また次回。

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