好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

星新一ショートショート再読。(その41)

2023-12-27 | 星新一ショートショート
『愛用の時計』
新潮文庫、番号41、『ボッコちゃん』収録。

人は、往々にしてそれは男性は、日常生活に関わっている私物、無機物に強い思い入れを持つ事が多い。
それは車だったり、バイクだったり、カメラだったり、そして腕時計だったり。

スマホが普及した今、腕時計の存在意義は薄れたかもしれないが、少なくとも昔は、腕時計といえばステータスの象徴の一つだった。
自然、毎日一番大切にする存在となる。
まして、自分で毎回ネジを巻き上げて動かすようなタイプだったら尚更である。

この話の主人公も当然の流れで、自分の腕時計に愛情を注ぐ。
今で言う、ゲームなどでの無機物の擬人化、ひいては「推し」への「萌え」のさきがけでもあろう。
今時の作品だったら間違いなく、美少女キャラ化されたバージョンの絵が付く。時計の。

そしてある日、主人公の愛する美少女、もとい腕時計もまた、主人公へ掛け値無しの愛情で報いてみせる。
アナログ時計ならではの、シンプルにしてスマートなオチへの流れは、個人的にとても好み。
私が昔お気に入りだった腕時計も、何度調整しても針が進みがちになるきらいがあった。
おかげで待ち合わせに遅刻しないで済んだ事がしばしばあったっけ。

ところでデジタルのスマホだと、果たしてこういう展開作れるだろうか。
時刻の数字だけに不具合の出るバグって起こり得るのかな。
分どころか秒以下の単位で制御されてる今の機械だと厳しそう。
文字表示機能がおかしくなればチャンスあるか?

それでは。また次回。

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