四方を書物に囲まれた、その部屋は整っていた。
部屋の中央で、鎧姿のバルサス・ダイアがあたしを見ていた。
驚いたような様子で目を見開いている。その隙をあたしは突いた。
「《千里眼》の術よ――!」
あたしはバルサス・ダイアの思考を読もうと集中した。
一瞬だけ浮かんだのは、けれど意味のある物とは思えなかった。
「……我の心を読むなッ!」
バルサスは踊るように手指を振って、床に振り下ろした。
あたしは揺さぶられて、床に倒れた。
違う、揺れてるのは、この部屋そのものだ。
まるで大地ごと揺れ動いているかのよう。
あたしは部屋中をごろごろと転がされた。
身につけている物が吹き飛ばされてしまう。
「《浮遊》の術よ――!」
あたしは空中に舞った。何とかして体勢を、作戦を立て直さないと。
そう思った時、あたしは、はたと気づいた。
決して身から離してはならない小剣が、部屋の隅に飛ばされている。
まずい。あれが無いと、あたしの力は。
デタラメに弾けてしまう。
次の瞬間、ほとばしって溢れる光に、あたしの視界は満たされた。
部屋の中央で、鎧姿のバルサス・ダイアがあたしを見ていた。
驚いたような様子で目を見開いている。その隙をあたしは突いた。
「《千里眼》の術よ――!」
あたしはバルサス・ダイアの思考を読もうと集中した。
一瞬だけ浮かんだのは、けれど意味のある物とは思えなかった。
「……我の心を読むなッ!」
バルサスは踊るように手指を振って、床に振り下ろした。
あたしは揺さぶられて、床に倒れた。
違う、揺れてるのは、この部屋そのものだ。
まるで大地ごと揺れ動いているかのよう。
あたしは部屋中をごろごろと転がされた。
身につけている物が吹き飛ばされてしまう。
「《浮遊》の術よ――!」
あたしは空中に舞った。何とかして体勢を、作戦を立て直さないと。
そう思った時、あたしは、はたと気づいた。
決して身から離してはならない小剣が、部屋の隅に飛ばされている。
まずい。あれが無いと、あたしの力は。
デタラメに弾けてしまう。
次の瞬間、ほとばしって溢れる光に、あたしの視界は満たされた。