好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

EP56 シュガーボーイ編(JC第32・33巻)考察。

2024-02-21 | 『シティーハンター』原作考察
『写真を巡る思い出!』

前回の『ミック・エンジェル編』からの続き。
長期連載ならではの展開の一つ、過去編である。
今まで見慣れてきていたメインキャラ達の異なる時代を眺める事が出来る貴重な回である。

時代設定は『シティーハンター』連載開始から3年前、香は高校2年生修了、歳16、しかし満年齢では17に……と書いてて頭痛くなってきた。
登場人物が加齢する設定の作品は、これだからヤヤコシイ。

閑話休題。
本作を読んで気づくのはまず、長期間を経ての絵柄の変容だろう。
連載初期の画風を極力踏襲しつつも、現在の画風も滲み出ている混ざり具合が何とも言えない。

また、連載初期の香が、男扱いされるのを嫌がるわりには、一人称「おれ」の男言葉をつかっていたという、ある種のムジュンを後付けで解消しているのは好印象。
他にも、獠と香が出会った日付の補強や、香が自分の出自を把握済みだった事など、情報は多い。

が、その一方で、後の作風に引きずられてしまっている部分も散見する。
連載初期の獠は自分を年長者(おじさん)と自覚していたはず。
あの時点で「おれはハタチ」ネタは、やや不適切だろう。
また、少なくとも連載初期の獠と槇村は、必要悪の殺人者としての自負を持っていたと私は感じている。(殺人自体の是非は今は問わない)
なのに槇村がモノローグで「人殺しではない」「殺し屋なんかじゃない」と発言しているのは、ムジュンを起こしてないか。
結局、この時代の獠&槇村はどんなスタンスでスイーパーを務めていたのか、謎は残る。
個人的には、この時代設定でスピンオフを読んでみたいところだ。

それでは。また次回。

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