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好事家の世迷言。(初代)

※はてなブログ『好事家の世迷言。(続)』へ移転計画中。

調べたがり屋の生存報告です。

名無しのハンター最後の事件。

2022-03-30 | 物語全般
映画『危険を買う男』のDVDを見る。

発掘良品の棚から、(ジャケ買いならぬ)ジャケ借り。
因みに1976年作のフランス映画。

ジャン・ポール・ベルモンド主役のアクションものは、一度見てみたかった。
ルパン三世を実写化したらこの人のイメージってのが昔からの通説だったから。

主人公はベテランの諜報員。「ハンター」という通称以外不明。
酒と煙草を欠かさない洒落者。
犯罪組織ボスを追うのが本筋なのだが、その一環での刑務所潜入作戦がこじれ、容易に解放されなくなったため、脱獄しなきゃいけない羽目になる。
その脱獄、つまり横道への脱線展開に意外に長く、終盤間近までその調子だったり。

で、その道中で、主人公は若者とコンビを組む。
私としては、ベテランと新人とで助け合って学び合ってのバディものを期待していたが、私としてはやや残念な幕切れだった。

若者は主人公を裏切って命を落とす。
裏切ったふりとかではなく。
それでも主人公は若者の仇を取るような形で、組織ボスを討つが。
衆人環視の状況で殺ってるから、諜報員としてはアウトだよね……コレ。

この映画はストーリーよりも、個別のアクションに注目するのが吉。
去るトラックに足で走って追いついて乗るとか、スタント抜きの動きは確かに見事。
いずれ、ベルモンド氏の他作品も押さえてみたい。

それでは。また次回。

VRゲームのユートピア!(後段)

2022-03-24 | 物語全般
『ゲームウォーズ(下)』(byアーネスト・クライン)、読了。

読み終えた時、心から思った。
「読んでよかった!」

主人公・ウェイドの行動力に拍手喝采。
敵である企業・IOIの内部に潜入してハッキングするって発想は、仲間たちも評しているように、まともじゃない。
現実逃避を自称してる人の度胸じゃない。

そして、アメリカからと日本からと4人の仲間たちが(物理的かつ現実的に)集結し、最終決戦に臨む。

出てくる小ネタの破壊力も凄まじい。
デロリアンやガンダムなんて序の口。
80年代から逸脱してるネタもバンバン出てくる。
レオパルドン、マジンガーZ、ライディーン、エヴァンゲリオン。カウボーイビバップまで。
圧巻は、ウルトラマンVSメカゴジラ。
出来るなら、このまま映像で見てみたい。
ただ、映画の方のガンダム大活躍も捨てがたい。
原作でいうダイトウ(大刀)が活躍する貴重な場面だから。

ラストシーンは、原作小説の方が好みだ。
映画では、「VRより現実の方が素晴らしい」という一面的な結論で終わってるように感じるのに対し、
原作では、「VRは素晴らしい! そして現実も悪い物じゃないよ?」と両面を肯定している印象。

ウェイド達は、もっとVR世界を充実させていくだろう。
同時に、現実も大切にするだろう。
爽やかな読後感、久々でした。

それでは。また次回。

VRゲームのユートピア!(前段)

2022-03-23 | 物語全般
『ゲームウォーズ(上)』(byアーネスト・クライン)、読了。

映画『レディ・プレイヤー1』の原作小説。
因みに、この小説の原題は『READY PLAYER ONE』。
結果的に「ゲームウォーズ」って言葉がやや浮いている。

当初は、あくまで映画との比較のために、何とはなしに手に取った。
が、読む手が次第に止まらなくなって、気づけば短い時間で読み終えていた。
「読みたい」気持ちが持続したのは久々だった。

映画で謎だった部分は、ほぼ全て解決された。
世界全体が80年代リバイバルブームになってる事とか。

もっとも、この小説をそのまま映像化するのが難しい事もまた理解した。
80年代の流行が詰め込まれている内容は、読む人を選ぶだろう。
少なくとも『ダンジョン&ドラゴンズ』と『ウォー・ゲーム』を少しは知らないと付いて行けなくなる。

ただ、そういったマニアックな箇所を差し引いても、本作におけるVRの設定は、
リアリティを感じさせるものだった。
統一された教育システムは魅力的だし、運動不足を防ぐためのVRも登場する。
個人的には、映像作品の登場人物を演じられるゲームは確かに興味惹かれる。
演じきれる自信まるでないですが。

上巻は、主人公が(三本のうち)第一の鍵を得るところまで。
彼は過去の経歴を消し、孤独な戦いを続ける。
私は期待と不安を抱きつつ、下巻へ進んだ。(続きます)

それでは。また次回。

VRゲームのディストピア。

2022-03-04 | 物語全般
『レディ・プレイヤー1』のDVDを見る。

「デロリアンとガンダムが出てくる」という触れ込みだけで試しに見てみた。

時は未来。
人々は現実から逃避し、あらゆるイベントの叶うVR世界「オアシス」に没頭。
彼らは「オアシス」の創作者が隠したと言われる「イースターエッグ」を探している。主人公とその仲間たちは冒険を経て、イースターエッグを得る。

今まで他作品で見慣れてきた王道の展開が繰り広げられる、その画像は総じて美麗。

ただ、残念ながら私の感覚にはあまり合わなかった。
一番の理由は、作中のVRゲームに対して、あまり興味を持てなかった事。

対人戦がほぼ前提、負ければ死亡(=全財産を失う)、ダメージを受けたら痛覚もある。
そしてVR内で行動する際、現実でも走り回ってシャドーボクシングする羽目になる。
色んな意味で危険すぎる。
そもそもあの作品世界での第一次産業どうなってるんだろう。
てっきり強制収容所ってのがそういう肉体労働を強いるのかと思ったら、それさえVRゲーム内での作業ってのは如何なものかと思う。

ラストの展開が賛否両論と評されていた件も理解した。
VRだけに浸らず現実に挑もうという結論なら、主人公たちがVRのメンテに励むとか、皆で植物を育てるとか、現実に即した行動で終わってほしかった。
金と権力と女の子をゲットして悠々自適の身で、「現実は大切」って高説されても、説得力に乏しいような……。

あと素朴な疑問。
未来の時代なのに、何で20世紀の日本の文化ばかりが、あんなに流行ってるのか。
調べたら、その謎は原作を読めば解けるようで。
それで原作小説『ゲームウォーズ』を手に入れたので、早速読む予定。

それでは。また次回。

映画にまつわる事実にまつわる映画。

2022-02-22 | 物語全般
映画『アルゴ』のDVDを見る。

きっかけは、書籍『状況認識力UPがあなたを守る』で言及されていた事だった。
上映当時、映画館で予告を見かけた時から気になっているタイトルだった事を思い出して借りた。
1979年に実際に起きた、在イラン米国大使館人質事件事件を元にした、CIA職員のトニー・メンデスによる解決の顛末を描いている。
その作戦は「全員が映画クルーに成りすまして国を脱出する」というトンデモナイ大博打。
「アルゴ」は、その偽映画のタイトルだ。

ただ、自分、こういう「実話再現」タイプの作品は、昔からどうにも苦手。
今回見てもその気持ちは変わらなかった。
テレビでの再現ドラマさえ、見てて楽しい気持ちになれない。
「これ、実際にこうして亡くなってる人がいるんだよな……」と思い浮かべてしまって。
純然たるフィクションでなら、いくらドンパチチャンバラ大事件が起こっても気にならないんだが。
……でもそういうフィクションでも一般人が巻き込まれる展開はダメだけど。

よって、特典映像の「人質救出作戦の舞台裏」は必見。
映画の展開と大幅に異なる、一見地味な、けれど本当の意味で緊迫したピンチにまつわる説明はどれも面白かった。
何たって、全部本人たちが語ってるのだから。

もっとも、もし映像特典を見ただけだったら私には誰がいつどこで何をしたかさえ把握できなかったろうし。
そもそも、この事件を知ったのは映画のおかげだったわけだしね。
いい勉強でした。

それでは。また次回

幸せな笑いをもらえる映画。

2022-02-11 | 物語全般
映画『天使にラブソングを……』のDVDを見る。

恥ずかしながら初見である。
因みに原題は『SISTER ACT』。
もしこのままだったら地味だったろうな。

本当は午前10時の映画祭で見る予定だったが、人混みを避けるために涙を飲んだ。

ストーリーは、実に王道。「対立と融和」の基本。

殺人事件を目撃してしまった、(売れない)歌手の主人公。
裁判まで身を隠すため、刑事の計らいで入れられたのは修道院。
窮屈な生活に、最初は不満だらけだった主人公だったが、
聖歌隊の指揮を任されたのをきっかけに、事態は好転していく。

やかましくて耳の痛くなるような聖歌隊が、
主人公のちょっとしたアドバイスでどんどんまとまっていく様は、
具体的で興味深かった。
「混んでる店で、忙しい店員さんに注文してるように」声を出すって分かりやすい。

後半、さらわれた主人公を助けようと、修道院の全員がカジノへ突撃していく様は、
どのシーンも笑える。
やり取り一つ一つも面白いが、まず絵面のインパクトが凄まじい。

ラストは、文句なしのハッピーエンディング。
主人公をはじめとするシスター達は歌手として大活躍しただろう事がエンドロールで示唆される。

嗚呼、家のプレイヤーで見たのがもったいない。
出来るなら、映画館のスクリーンで見たかった!
と言いますか、本格のスピーカーで聴きたかった!!

それでは。また次回。

仮想/下層 世界からの脱却。

2022-01-29 | 物語全般
映画『マトリックス』のDVDを見る。

恥ずかしながら初見である。

公開当時、のけ反って銃弾を避けるポーズがやたら流行ってた記憶。

ストーリーは総じて『ゼイリブ』を連想した。
日常生活の裏側には大いなる陰謀があったという話。
その原因は、『ゼイリブ』が宇宙人で、『マトリックス』はAIだ。

今ここにある世界は偽りというテーマは、まさに王道だ。
昔からSF好きの自分は、他の小説や漫画である程度触れてきているが、確かにそれらを生まれて初めて知った時は、腰が抜けるほど驚いたはずだ。
表現するのが極めて難しい世界観を、鮮やかで分かりやすい実写映像で描きっているのが、この映画における最大の価値の一つだろう。

ただ、本来なら盛り上がるべきだろう終盤の展開が、自分には今一つ飲み込めなかった。
いったん死んだはずなのにキスで復活とかは王道すぎるというか通り越してるというか。
そもそもモーフィス達、仮想世界で満足してる人たちの気持ちだって、もう少し配慮してあげてほしいかなとも思うし。

それに、この映画、確かにシリーズ第1作と言うべきか、話は完全には終わってないんですな。
あれやこれや謎はまだ残ってるが、今は基本設定知ったまででヨシとする。
あの虫をモチーフにしてるだろう機械たちを見るの、ちょっとキツかったから……。

それでは。また次回。

滑稽に描いても、それは私には残酷で。

2022-01-20 | 物語全般
(私には合わない作品でした)

映画『キングスマン』のDVDを見る。

以前から興味のあるタイトルではあった。
世界を秘密裏に守るスパイものは、むしろ好物。
昔からの原作があるのかなと調べたが、そうでもない模様。

今まで見ずにいた理由は、R15指定だったから。
ファンの方のレビューでの、グロ要素もあるという注意書きが怖かった。

見終えた今思う事。
やっぱりRの壁は、私には高かった。
序盤も序盤、人がまさにお魚さんみたいにおろされた場面で目を背けた。

その後の、スパイになる選抜試験周りは好き。
人は出自でなく努力で道を決めるという論も好き。

後半がしんどかった。
師匠にあたるスパイが罠にかかって無情に殺された。
世界中で、止めるべき暴動事件は起こってしまった。
世界中の要人がいっぺんに死んだ。
キングスマンの組織そのものも、大元から一旦壊れた。

これら残酷かつ残虐な出来事には、非常に楽しげなBGMなどの演出が一貫されているものの、ごめん、私は笑えなかった。
どんなに明るくしても、死んでるだよ?と醒めてしまって。
今のところ、続きを見ようという気持ちは起きない。
当時、映画館で見なくて、良かった。まだ、ちょっと怖い……。

それでは。また次回。

笑おう、笑え、笑うしかない。そんな映画。

2022-01-17 | 物語全般
映画『シティーコップ』のDVDを見る。

実写版『シティーハンター』チームがまたやった。そう評したい。
邦題も実写版『シティーハンター』を踏まえている。

因みに原題は『30 JOURS MAX』であり、
副題として「余命30日のヒーロー」と和訳されている。

主人公のライアンは、父親に憧れて警官になったが、臆病すぎる性格が災いして苦労続き。
そんな折、現場でネズミに噛まれ、長く生きられないと診断される。
ライアンは人生が終わるなら自分の好きに生きようと決める。

なんて事は別にどうでもよろしい。

この作品はとにかくひたすら、その場その場のギャグに対して「いやいやいや!」「あるある……ねーよ!」「そうはならんだろ!」と笑い飛ばすために創られている。
決して真面目に見てはならない。痛い目に遭う。

個人的に一番笑ったのは、ラショー氏演じる、いけ好かない脇役・トニーが脳内で格闘を緻密にシミュレート(しても実際は失敗)する下り。
「おいこら、あんたホームズじゃないだろ、トニーって言ってもロバートダウニーJrじゃないだろ」……ってヤヤコシイわな我ながら。

それでは。また次回。

多元宇宙のヒーロー集結。

2022-01-06 | 物語全般
映画『スパイダーマン スパイダーバース』のDVDを見る。

MCUの『スパイダーマン』シリーズもマルチバース設定になっていくという情報から、そろそろ見ておいた方がいいかと決めた年内。

思い返せば、公開前後の当時、街でで大々的にキャンペーンイベントが開かれていたっけ。
最新の映像体験を!みたいな触れ込みの。
先日見た『ヴェノム』のDVDでも、ずいぶん長い時間の予告映像を見せられた。

確かに、映像の迫力は、認める。
でも……私としては、逆に言えば、それだけ、なんだな。

根本的な問題として、そもそも私には、この映画の画像が体に合わない。
けばけばしい蛍光色の点滅を見続けるだけで、激しく疲労してしまった。
昔のアニメの「パカパカ」を一段と強めたような感じだ。

ストーリーは王道である。
スパイダーマンの代替わりの話。
つまり、一番お馴染みの、若きピーター・パーカーは活躍しない。
登場するのは未熟な主人公と、別次元からの落ちぶれたピーター・パーカーと。
それから同じく別次元からの別バージョン達。
アメコミに詳しい人なら、元ネタ分かるんだろうな。

あと個人的に気になったのは、ネットで繰り返し話題になってた記憶の
ペニー・パーカーの活躍が、さほど多くなかった事。
見た目優先で流行してたのかな……。

それでは。また次回。