goo blog サービス終了のお知らせ 

好事家の世迷言。(初代)

※はてなブログ『好事家の世迷言。(続)』へ移転計画中。

調べたがり屋の生存報告です。

スパイダーマン世界のダークヒーロー。

2022-01-05 | 物語全般
映画『ヴェノム』のDVDを見る。

自分の中のMARVEL熱は、『エンドゲーム』で一段落したのかもしれない。
これからは自分なりのペースで、まだ見逃しているMARVELキャラを押さえていこうと、
今まで避けていた作品に手を延ばした年内。

結果。最初から最後まで、疑問符が付いたまま終わってしまった。
後で調べたら、ヴェノムというのはスパイダーマンありきのキャラ設定。
なのに、その「ス」の字も出てこないから全体的に違和感が付きまとう。
一体、この作品のヴェノムの、あのスパイディっぽい顔はどこが起源なんだろう。

そもそもヴェノムが取り憑いた、主人公の記者の人となりがよく分からず、
いつの間にか親しくなってる展開に混乱したし。
誰もが適合できるわけじゃないと言われてるわりにはメインキャラなら皆して適合してるし。

それに、やっぱり、しんどかった。食人ネタは。
結局、主人公が悪人と思ったら食っていい、と事実上お咎めナシ。
普段は代替物を食べるとかの救済がないと、あまりにキツイ。
この設定でシリーズ化されても、私は見られないかもしれない。
エンドロール以後、長尺で予告されてたけど……。

後もう一つ疑問。
最後に、アニメ『スパイダーバース』が延々と流れたのは何故?
予告とかの説明なかったよね?

それでは。また次回。

怪獣もので映画納め。

2021-12-30 | 物語全般
映画『モスラ』を劇場へ見に行く。

午前10時の映画祭は、年末年始でも容赦なく、2週間しか上映しない。
そのため半ば強引に時間を作ってねじ込んだ。

思えば、モスラってどんな作品か私はまるで知らなかった。
ザ・ピーナッツの双子が「もすらーや~」って歌ってて、東京タワーに虫が繭を作って、もふもふとした蛾が出てくる話、くらいしか分からない。

いざ見たら、思いのほか引き込まれ、目を離せなかった。
さすが名作と挙げられてる内容だった。

謎めいた島で調査隊が出会った、謎の“小美人”二人。
根性の悪い商人が彼女たちを日本へ拉致。
帰りを願う島の住民と小美人の儀式により、島の神であるモスラが蘇る。

私としては怪獣映画は、逃げ惑う一般人が理不尽に襲われ(=殺され)る場面のせいで苦手なのだが、この作品ではそういった残酷な展開が少なく好印象を持った。
メインキャラの中條や新聞記者さん達が、被害を減らそうと奮闘した末に取った、空港での解決方法も実にスマート。
島の者たちは音に敏感、という伏線が回収された時は膝を打った。
日本の鐘じゃあ、ちょっと音低すぎるものね。

笑いどころも多く、映画館で一斉に、(押し殺した)笑い声が聞けたのも久しぶり。
いい映画納めになりました。

それでは。また次回。

鬼門フルコース。

2021-12-22 | 物語全般
映画『老後の資金がありません!』を劇場へ見に行く。
(私には合わない作品でした)

物語に触れる際、私が避ける鬼門のテーマたち。
金銭ネタ、家族ネタ、死にネタ。
コレ全部入ってる作品に関わった時点で私の敗北は決まっていた。
縁ある年上&目上の知人が「面白かった」と評し、内容を訊いても爆笑するばかりで要領を得なさすぎたのが私の運の尽き。

今まで避けてた原作小説を読めば、
主婦が家族の冠婚葬祭トラブルで苦労する話。
少なくとも私には笑えない。

実際に見れば認識変わるかと期待したが、印象は寧ろ悪い方へ流れていった。特に前半。
そもそも見た目カンペキな役者たちの時点で、感情移入がどうにも出来ない。

で、話が進むにつれて映画オリジナル展開の割合が上がっていって、最終的には、シェアハウスのCM見せられた気持ちで終わった。
青汁とか○潤とかああいう感じじゃなかったか?

原作読んだけでで済ませりゃ良かった。
忘れよう。

それでは。また次回。

どす黒い悪を見た。

2021-12-21 | 物語全般
(私には合わない作品でした)

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を劇場へ見に行く。

私としては、無理に映画館で見なくても、DVDで見れば十分だった。

途中までは、むしろ好みだった。
驚きと恐怖しか知らないハロウィン世界の住人が、クリスマス世界に憧れる、ところまでは。

まさか、そこからサンタ略取監禁、米軍出撃レベルの刑事事件が発生するなんて思わない。
歌いまくるミュージカル仕様には免疫ついてきてたし、人形をこまめに動かすアニメーション技術も素晴らしかったし……これでもっと平和な話なら良かったのに。

個人的に納得いかないのは、事件を起こしたジャックが、そもそも余所様のイベントを無断で盗んじゃいけない事を、最後まで理解してなさそうな点。
自覚のない悪事って最悪だから……嗚呼。

それでは。また次回。

人は誰かのせいにしたくなる生き物である。

2021-12-02 | 物語全般
映画『ゼイリブ』のDVDを見る。

恥ずかしながら初見である。
知ったきっかけは『フリー・ガイ』だった。
「主人公がサングラスをかける事で世界の真の姿を知る」というモチーフが同じだとか。

ざっと調べた限り、不朽の名作という触れ込みだったが、
いざ実際に見たら感想を書くのが難しい。
私としては徹頭徹尾、あれこれ考えさせられてしまう話だった。

プロットは今時ならありふれている。
世の中の、貧富の格差も、環境の破壊も、何もかもエイリアンの陰謀という話。
その真実に気づいた主人公が孤軍奮闘するという話。
1988年という上映当時から既に、こういった陰謀論は脈々と存在していたわけだ。

で、その間違ってる世界の陰謀に対して主人公がするのは、ひたすら殺戮である。
やたら扱い慣れてる銃でバッタバタ。
友人にサングラスをかけてもらうのを頼む下りでも、本筋から外れては延々と殴り合う。
最後も問答無用で、エイリアンの洗脳装置を破壊して、そして主人公は死ぬ。
対立からの穏やかな融和なんて一つもない。虚しい。

結局、世界中の洗脳を解いた後の地球は一体どうなったのか。
個人的に気になる。

それでは。また次回。

2010年代の筒井短編を読む。

2021-11-17 | 物語全般
『世界はゴ冗談』(by筒井康隆)、読了……とは実は言えない。

気軽な短編を読みたくて、一切何も調べずにジャケ買い。

全10話の短編集、と呼んで良いのだろうか。
小説なのかエッセイなのか。
もしかしてと奥付を見て、令和2010年代の初出と知って納得。

現在の筒井作品は、ジャンルなんて言葉では収まらなくなっている。
読みやすいんだが、ほとんど意味不明で、面白いんだが、ワケ分からんのよ。
もし、筒井作品に慣れてない人に試しに読ませたら、人によっては怒りそうだ。

個人的に好きなのは『小説に関する夢十一夜』。
小説なら何でも出来る、というテーマが一番つかみやすかった。

対して、『不在』は読むのが辛かった。
大災害から復興しきれず、緩やかに滅びていく複数の世界。
何度読んでも気が滅入る。
……と述べるように、繰り返し読んでしまうのが不思議。

『三字熟語の奇』だけは、この記事をupした今もって読み終えてないままギブアップしている。
『バブリング創世記』さえ読み通した自分でも未だに無理。
眠る前にページを開くとテキメン眠れます。
念のためですが、褒めてます。

それでは。また次回。

居ルべき場所へ……。

2021-11-05 | 物語全般
映画『愛と青春の旅立ち』のDVDを見る。

見ようとしたきっかけは、例によって、前の緊急事態宣言の時に見そびれていたため。

端的に言えば、士官学校での訓練の話だ。
主人公は、家族関係に恵まれなかった事を 原因の一つに進学する。
学校では、他人と深く関わるまいと振る舞う主人公だが、実のところはやっぱりいい人柄だったりする。
女性の仲間が体力テストで苦戦して泣きべそかくのを全力で応援したり。
で、その女性も、体力でなく精神力を試される別の訓練では、平静を保ってすいすいと合格してたり。
当の主人公もモチロン、頭も回るし忍耐力あるし。
そんな主人公も、大事な親友にあたる男性の仲間も得て、彼らはそれぞれ出会った一般女性と関係を深めていく。
片や、邪な打算を抱えてたり、そうでもなかったり、と二組のカップルは対照的に描かれていく。

そして最後、スタッフロールで流れた曲に膝を打った。


子供の頃からずっと聴き親しんでいた曲、この映画からだったんだ……!

人間関係で思うところのある人は、一見の価値あります。
ずっと厳しく指導してた教官さんも、最後はめちゃくちゃ好印象になったし。アレはプロだ。
後、デートムービーにも向いてるんじゃないかな。
当時リアルタイムで見た人が羨ましいなあ。

それでは。また次回。

カクヨム小説を初めて読む。

2021-10-26 | 物語全般


『流れよわが涙、と孔明は言った』(by三方行成)、読了。

全5話の短編集。

図書館の棚で見かけて、SF好きなら読まずにいられないタイトルだけで屈服した。

読み終えてから調べると、コレは言うなれば「カクヨム小説」。
web小説が書籍化される流れも、だんだん市民権を得てきているようだ。

因みに表題作は、「泣いて馬謖を斬る」の故事がしっちゃかめっちゃかに転がって広がってマルチバースになって波動関数が拡散して収束したようなドタバタ。
我ながら意味のよく分からない説明だが、説明しようとすればするほど逆に分からなくなりそうなので。
一つ間違いなく言えるのは、コレは食事の前後に読まない方が良いという事。
私は読んでしまって後悔した。

他の作品も、統一性がないのが最大の特徴と言いたくなるくらいに作風の幅が広い。
逆にいえば、どれか一編は好みの作品に会える可能性がある。

私が気に入ってるのは(銃ならぬ)『竜とダイヤモンド』。
ドラゴンカーセ○クスとゆー特殊性癖に、真っ正面から取り組んで、魔法と科学が両立している異世界での冒険を描ききった良作。
最終的に登場人物ほぼ全員が幸せになる物語は大好きです。オススメ。

それでは。また次回。


月の世界のレトロフューチャー。

2021-10-12 | 物語全般
『天の向こう側』(byアーサー・C・クラーク)、読了。

主に1950年代に書かれた、全14話の短編集。
『天の向こう側』と『月に賭ける』は連作短編のため、実際の話数はもう少し多い。

本命は『天の向こう側』。
執筆された当時はまだ人は月にも行けてなかったのに、その後の数十年で、宇宙生活が日常になっている世界観にワクワクすると同時に、現実の21世紀と比べると寂しくなる。

他に多くの作品を楽しめたのは収穫だった。
『その次の朝はなかった』『宣伝キャンペーン』『この世のすべての時間』『星』……どれも、広大な時空での、ちっぽけな私たちの儚さを思い知らされる。

『2001年宇宙の旅』の原形になったという『前哨』もいずれ読みたいなあ。

それでは。また次回。

追われる不条理。

2021-10-05 | 物語全般
『筒井康隆全集17 七瀬ふたたび メタモルフェス群島』(by筒井康隆)、読了。

『七瀬ふたたび』と、14の短編、そしてエッセイも収録されている。

有名どころは、あらかた押さえたつもりだが、まだまだ未読の残る筒井作品群。

今回の目的は『走る取的』。
知って私が調べた限りでは、この全集でしか読めないようで。

因みに「取的」というのは最下層に当たる力士を指す、半ば死語の表現との事。
つまりはお相撲さんがひらすら走って追いすがって襲ってくるというシュールな絵面が最後(最期)まで続く、いわゆる不条理&理不尽な話だった。

再読した作品たちの中では、『平行世界』が好き。
こういう「別の自分」がテーマの話は、何度読んでも興味深い。

それでは。また次回。