♪りなりり日記♪

莉夏ちん(6歳)と莉々ちゃん(4歳)の成長記録と家族の日記

12/14(日)5日目

2008-12-25 | フォンタン手術
12:30 面会
不整脈は変わらず。
一時ペースメーカーを外して自分の脈にしてみたが、途端に脈が早くなり、静脈圧が上がってしまったそう。
薬を1種類追加する。



胸水・腹水はよく出してくれていて、今のところ体内に溜まるといったことはない。


腹水

今日の15:00からミルク(MCTミルクという特殊ミルク)を始めてみるとのこと。
と言っても口から飲ませるのではなく、管を使ってだけど。
腸はちゃんと動くかな?

利尿剤を投与する時、どの看護師さんも大体「痛いけどごめんねぇ。」というので、針で刺すわけじゃないのに?と不思議に思い「痛いんですか?」と聞いてみた。
(回答)
莉々ちゃんの服用しているラシックスとアルダクトンという2種類の利尿剤のうち、アルダクトンの方のみ薬液が血管内に入るときに違和感というか、ピリピリとした血管痛があるのだとのこと。
莉々ちゃんも、眠っているのに顔をゆがめて痛そうにモゾモゾ動いていた。
寝てるのにわかるんだねぇ・・。

胸水、少し出血があるようなので輸血開始。
尿はよく出してくれている様子。


一番手前が輸血のシリンダ


人工呼吸器


16:30 面会
15時にミルク5cc注入。
ちょっぴりだね。

不整脈、今は薬が効いて落ち着いてきた。
今回は直接心臓をいじっているので、そのせいで不整脈が出ているのかもしれないのだけど、術後もう結構日が経っているので、まだ不整脈が出るのは何でなんだろう?と主治医のN医師。

明日、状態が良さそうなら人工呼吸器を外す処置をするかも。
ただ、呼吸器は外しても最初はまだ鎮静剤を使い、ウトウト状態にしながら徐々に起こしていくとのこと。


12/13(土)4日目

2008-12-25 | フォンタン手術
莉々ちゃん、今日で1歳4ヶ月を迎えました

12:30 面会
今日から鎮静剤の量を減らしたとのこと。
ということは、もう眼が覚めるってこと・・?ドキドキ。
途中、少し動いたりしたので、名前を呼んでみたら微妙に反応あり。

でもまだ脈は落ち着かないので、ペースメーカーの使用は続行。


目はまだ開けてくれません。


傷口のガーゼ交換の際、毎日テープを貼ったり取ったりしていたので、肌が赤くかぶれてしまっていた。
莉々ちゃん、肌が弱いんだねぇ。。
優肌絆(ゆうきばん)というテープを売店で買ってきて下さいと言われ、購入する。


ガーゼ付近、赤く見えるのがテープかぶれ。痛痒そう。


17:00 状態はお昼と変わらず。
水分制限と利尿剤で体内の水分を搾り出しているため、粘着力のある痰がすごいとのこと。
吸引され、暴れている姿を見るのってとてもツライ・・。

12/12(金)3日目

2008-12-25 | フォンタン手術
12:00 面会
不整脈はまだ落ち着かないが、胸水・腹水の量については前日と比べるとだいぶ減ってきている。

静脈圧も11で良好。

心臓の状態は良いので、まず強心剤から止めていくことに。
強心剤も不整脈の原因となったりするのだそう。


胸水の色は、だいぶ薄まってきた様子。


17:00 面会
落ち着いている。
腹水の量が多いが、許容範囲とのこと。
不整脈があるので、まだ薬で眠らせている。



12/11(木)2日目

2008-12-25 | フォンタン手術
12:30 面会。
心臓の状態としてはまずまず。
昨夜の面会後から少し出血量が増えた為、輸血開始。

レントゲンの結果、右の胸腔内において、ドレーンで取りきれていない胸水があると判明した為、これからドレーンを一度引き抜いて位置を変える処置をするとのことで、一度退出。




14:00 外出中、主治医から携帯へ電話が。
今ドレーンの位置を変える処置をしている最中なのだが、レントゲンを見ると、むしろどんどん胸水の量が増えていっている状況である。
大量の胸水が肺を圧迫していて大変危険な為、もう1本ドレーンを追加する処置をするとのこと。


16:30 処置終了との連絡があり、面会に。
・処置後の説明
ドレーンを追加したことにより、取り切れていなかった胸水はほぼ無くなった。
胸水は誰にでもあるものだけど、フォンタン手術をして肺に流れる血液の量が増えた為、体内で吸収できずに溜まっていくのだそう。

 
ドレーン、4本に(左)。ここに胸水が溜まっていく(右)。


莉々ちゃんは服を着ていない上、冷房がガンガン莉々ちゃん目掛けて吹きつけられている為、「寒くないのか?」と質問してみる。
(回答)
体温を下げるのは、不整脈を落ち着かせる為。
起きていたら当然寒いだろうけど、不整脈があるので今は眠らせて、体温を下げる方を優先している。
また、鎮静剤で眠らせておくことによって、その分のエネルギーを回復に回している。

今夜もこのまま薬で眠らせる状態は継続。

<不整脈について>
もともと無脾症候群は不整脈が出やすい病気である。
また、グレン手術では心臓の周りの血管をいじっただけだったが、今回のフォンタン手術では、心臓自体を切ったり縫ったりしている為、余計に不整脈が出やすいとのこと。

この日の夜、またも不整脈が発生し血圧が下がった為、ペースメーカーを使用する。

12/10(水)手術日

2008-12-24 | フォンタン手術
7:50 パパママ病院到着。面会。


8:00 おしりからウトウトする薬を入れる。


お薬でトロ~ン・・。


でも、こちょこちょ~ってしたら笑った!しばらくこの笑顔ともお別れ。


8:30 手術室入室。これから長い闘いが始まります。
家族待合室で待っていたら、お昼頃に執刀医であるS医師が「今までお目にかかれていなかったので・・。」と、わざわざご挨拶にお見えになる。恐縮。
S医師、これから手術室に入ります、とのこと。
いよいよフォンタン手術の始まりです。


14:10 S医師より経過説明。

開胸の結果、やはり肝臓から心室へと繋がっている2本の肝静脈と下大静脈の位置がかなり離れていたため、それらを寄せ合い、1本にまとめて人工血管に繋ぐという方法(二連銃)を取ることはできず、ゴアテックス製のパッチと人工血管を併用する方法をとったとのこと。


パッチと人工血管の併用


また、その人工血管を肺動脈に繋ぐ際、吻合部位周辺に総肺静脈還流異常の血管が集中しているとのことで、それらを避ける為、上大静脈側に繋ぐという方法を取った。

人工血管の太さについては、φ16ミリを使えたので今後最低20年間は再手術の必要はないだろうとのこと(現時点でそこまでのデータしかない為、それ以降については不明)。

静脈圧、今は15~16くらい。15以下になるのが望ましい。

私「じゃあ、これでチアノーゼは・・」
S医師「(コクンとうなずき)無くなりました(笑顔)」

先生のこの言葉に、心底ホッとする。


17:00 S医師手術経過説明から1時間後には面会できると聞いていたのに、呼ばれたのはこの時間。
結局、総手術時間としては7時間弱。


莉々ちゃん、よく頑張ったね。唇が真紫なのがとても気になるが・・。


19:30 面会
とても顔色が良かったので一安心。
唇もピンクでいい色をしていた。

成分輸血開始。
強心剤投与開始。
また、不整脈があるとのことで投薬開始。
不整脈については、安全の為にしばらく薬は続けた方が良いとのこと。

 
ベッド周り。


3本のドレーン(左右胸腔に1本ずつ、心のうに1本)
術後間もないため、まだ出血があり真っ赤。というかドス黒い色をしている。


12/9(火)入院日

2008-12-24 | フォンタン手術
明日の手術に備え、本日から入院。
術前検査は終わっているので、今日はのんび~り。
お家から持ってきたおもちゃで遊び、夕方にはお風呂にも入りました




入浴後、大好きなユニクロのタオルを肩から掛けてプレイルームで遊ぶ莉々ちゃん


パパとママは、主治医から簡単に手術説明と同意書へのサインなど。
明日の手術は難しいと予想されるため、時間的に長く掛かることを覚悟していて下さいと。
時間的に、だいたい7~8時間程度。

19時、莉々ちゃんが眠ったところを見計らって退散。
この日パパママは、近くのホテルに泊まります。

行ってきます!

2008-12-08 | フォンタン手術
1週間程前から莉々ちゃんの夜泣きが続いており、毎朝4時に起こされている毎日です

5日(金)、術前検査のためS病院へ行ってきました。
その晩も2時就寝だったのにも関わらず、またもや4時に起こされた私・・。
まぁ、どうせ6時には自宅を出発しなくてはならなかったんですが。
てことで、道中ずっと助手席で眠っておりました。


10:00 感染チェック後、病室に入るとすぐに身体測定、点滴のルート確保、採血、着替えのため、看護師さんが莉々ちゃんのお迎えに登場。
「どこかへ連れて行かれる!」と、嫌な気配を感じた莉々ちゃんは、「パパぁ~」と泣き叫びながら(パパのこともママのことも、莉々ちゃんは”パパ”と呼ぶ)、身体いっぱいで拒否!!
それを切なげに見送る私達。。

帰ってきた莉々ちゃんは、パパとママの顔を見た途端にまたもや「パパぁ~~」と泣き叫び、両腕を広げてギューっとしがみついてきました。
たくさん泣いたんだなぁと一目でわかるくらいに髪の毛が汗でびっしょり濡れていて、本当にかわいそうで・・。


汗で髪の毛がペッタリ・・右足にルートを取ったので、板とタオルでぐるぐるに固定されています。


朝早くに朝食を食べ自宅を出発した為、お昼までおなかがもたない・・ということで、看護師さんがヨーグルトをくれました。「おいしー」ポーズ!


CTやエコーなどの検査は14時から。
またも号泣する莉々ちゃんを見送り、パパとママはしばしの間病室にて待機。
検査中は眠らされていたので、その後覚醒するまで時間が掛かり、帰りは少し遅くなってしまいました。


ぐー・・


帰る間際、「おやつ来てました~」と看護師さんが蒸しケーキを持ってきてくれた(日帰りと言えど入院なので、食事付)。すごい勢いでパクつく莉々。


明日はいよいよ入院、明後日は手術です。
入院は、順調にいって3週間前後。
莉々ちゃんももう1歳を過ぎ、色々わかるようになっているので、私もずっと傍に付いていてあげたいのですが、やっぱり東京に残して行く莉夏ちんのことも心配なので、クリスマス頃にはこちらに戻ってくる予定でいます。

どうか手術の成功をお祈り下さい。
元気で行ってきます!!

フォンタン手術説明

2008-11-04 | フォンタン手術
10月31日(金) 循環器科(診察)、心臓血管外科(手術説明)外来。

まずは循環器科の診察から。

身長:72.5cm (前回比+2.3cm)
体重:8175g (前回比+235g)
安静時のサチュレーション:87~88

先日のカテ入院の後すぐ、発熱した莉々ちゃん。
先生は「ちょっと疲れちゃったのかもしれないね。(遠方だし)カテ翌日に退院はきびしかったね。」と。
今後も発熱したらすぐに掛かりつけ医に行き、診てもらうようにとのこと。
手術も控えてるし、体調管理には気をつけないと。

その後、手術説明を聞くため外科に移動。
手術説明に2時間程度掛かるとのことで、莉々ちゃんは看護師さんが預かってくれました。
しばらく待った後、心臓血管外科F医師より手術説明。(以降、記録として残すため記載しますが、長文になるので興味のない方は飛ばして下さい)

F医師開口一番、「まずはじめに、莉々ちゃんの場合、非常に難しい手術になります。」と。
その理由は、解剖学的問題にあると。
解剖学的問題!????

まずは病名の確認から。
・無脾症候群 ASP
・単心房、単心室 SA,SV
・総肺静脈還流異常Ib TAPVC
・下大静脈欠損 AIVC
・肝静脈独立還流

最初の手術:両方向性グレン手術+総肺静脈還流異常症修復術

そして次に行う予定のフォンタン手術。
下半身の静脈血が、心房を通らず直接肺に流れるよう、下大静脈と肺動脈を人工血管で繋ぐ。

<フォンタン手術の条件>
・SVC圧・・・・14以下なら問題なし。莉々は12(OK)
・心房圧・・・・・莉々は6(OK)
・房室弁の逆流・・なし(OK)
・心室の大きさ・・55%(OK)

以上、9月に行ったカテの結果より、フォンタンへ進めることが確定。

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◎完全右心バイパス手術(TCPC、またフォンタン手術とも言う)

下半身の静脈血を、どうやって肺に導くか?


図1:通常のフォンタン手術
丸く風船のように描かれているのが心房。
グレン手術にて、すでに上大静脈は肺動脈に吻合済(左上)。
次のフォンタン手術では下大静脈を切除、肺動脈に切り込みを入れ、人工血管で繋ぐ(右上)。
静脈血が心房を経由せずに肺動脈に流れる(下)。


ここで、最初に先生が言っていた解剖学的問題が出現する。

まず、肝静脈についての異常。
正常な人の肝静脈は1本なのに対し、莉々ちゃんは2本あり、肝外に出てすぐに心房に繋がっている。
また、肝臓の裏を通る形で下大静脈が1本。
これもまた独立して心房に繋がっている。
イメージで言うと、平たい肝臓の左側から2本(肝静脈・下大静脈)、右側から1本(肝静脈)出ていて、各々心房へ繋がっているという感じ。

手術をする目的は、チアノーゼを無くすこと。
その為には、動脈血(赤い血)と静脈血(青い血)が心臓内部で混ざらないようにしなければならない。
一般的なフォンタンならば、肝静脈と合流した1本の下大静脈を心房に繋がる手前で切除し、人工血管を用いて肺動脈と繋げばいいのだけれど、3本も心房に還流してる血管があるからといって、3本の人工血管を置くなんてことはもちろんできない。

でも、心房に繋がっている3本の血管全てを肺動脈に繋ぐことができなければ、心房の中で血液は混ざり合い、チアノーゼがなくなることはない。
ではどうやって肺動脈に繋ぐ?

考えられる方法は3つ。

方法①心外導管・・・心臓の外に人工血管を置く方法
1-1.二連銃(図2)
 右側の1本と左側の2本を近づけて、お互いを縫合。3本の血管を1本の血管に形成し直す。その後、人工血管で肺動脈と繋ぐ。


図2:二連銃 下の3本が肝静脈と下大静脈、上の太い管が人工血管

1-2.共通口(図3)
 3本の血管が還流している心房自体を途中で切除。切除面に人工血管を縫い合わせ、繋ぐ。


図3:共通口

<ここで発生する問題>
・人工血管はもともと体内にはないものなので、もちろんその分余計にスペースを取ることになる。
背骨の左右にまたがる静脈を繋ぐ際に、背骨に押され、圧迫の懸念がないか?

・二連銃の場合、ある程度肝外に出ている静脈の長さが必要になる(長さが短いと左の2本と右の1本が近づくことができず、吻合できない)。
検査結果をもとに長さを測ってみると、左と右の血管の間は約11~13mm離れており、極めて遠いとのこと。
ゆえに、この方法では不可能?


方法②心内導管・・・心臓の中に人工血管を通す方法
この方法は、ある程度心内構造を犠牲にすることになる。
人工血管の太さは16mmもしくは18mm。
小さな心房の中を、約2cmもの異物が占領することになれば、房室弁への流入血流の阻害による心不全、また、肺静脈還流阻害による狭窄などの問題を引き起こす可能性がある。
とは言え、人工血管のサイズをダウンし14mmを使用した場合、将来的に再手術は必発。


方法③併用・・・心外、心内の両方の方法を用いる

図4:併用
言わば、前述2つの方法のいいとこどりの手術方法。
心房内に”パッチ”と呼ばれる布製のパーテーションを立て静脈血と動脈血が混ざり合わないようにし、心房に繋いだ人工血管に静脈血が流れるようにする。
心房内に土管のような人工血管を入れるよりも、薄いパッチを使えば心内構造を邪魔することもないし、縫合線も最小限ですむというメリットがある。


ただ、どの方法で行くかの結論としては今すぐには出さず、手術中に胸を開けてから決定するとのこと。
その理由としては、癒着剥離等でイメージが変わることがあるということと、CTでの位置と実際の位置にズレがあるかもしれないからということ。


さらに問題はこれだけではなく、肺動脈側の吻合にも注意が必要らしい。
グレン手術時に上大静脈を切除し肺動脈に繋いでいるが、そのすぐ近くに総肺静脈還流異常(TAPVCIb)の血管がある。
今回のフォンタン手術で人工血管を置くと、肺動脈の辺りでTAPVCIbを圧迫してしまう可能性がある。
だからと言って心臓の右側に人工血管を置くこともできない為、肺動脈を通り越し、高位(頭側、上大静脈)に人工血管を吻合することになるかも?とのこと。

他にも術後の合併症など、心配事は尽きない。
パッチを使用した場合に、縫い目から血液が漏れてチアノーゼになってしまったり(その場合は再手術)、人工血管を体内に入れることによる血栓や塞栓の心配もあったり。。

とにかく、この莉々ちゃんのフォンタン手術は相当難易度が高いことが理解できた。
先生にも「まず東京近郊の病院で、この手術をやってくれる所はないでしょう。」と言われた。
この病院は、”断らない”がモットーだから引き受けてくれるんだよね。
本当、受け入れてくれた先生達に感謝です。。

聞いてみたら、ここ20年で全部で130~140例ほどの無脾症の手術をしているけど、莉々ちゃんと同じケースはわずか2例だけだそう。
うまくいくのだろうか・・。

手術は12月になりました。
詳しい日付は手術日1週間前位に電話で連絡がある為、まだわかりません。
間が悪ければ、今年の年越しは病院で・・なんてこともあるのかも?

話を聞いてきた今は、「莉々を助けて下さい」という気持ちでいっぱいです。