この仕事を始める前
休みには雑誌に載っている評判のカフェめぐりをしていた。
関東のとあるギャラリーカフェ。
自宅の納屋(すごくりっぱ)を改装し
壁一面のガラス越しに見える庭の緑が
何ともいえず素敵だった。
そのお店は連日お客様がいっぱいらしく
開店時間を少し過ぎたばかりなのに満席近かった。
スタッフも大勢でテキパキと働いていていい雰囲気だ。
店主がカウンターでコーヒーを入れていた。
なぜかその表情は不機嫌そうにみえた。
わたしは目があった(ような気がした)。
でもその表情に変化はなかった。
毎日の忙しさに疲れていたのかもしれない。
慌ただしく1日が終わった時に
あの店主のことをふと思い出す。
わたしは今日、楽しそうに働いていただろうか。