炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

イワツバメ 東西 (ヨーロッパのイワツバメとの比較)改訂版

2007-02-11 | エコロジー
 日本のイワツバメは、1960年代、ある地方都市に数千羽単位の群れで押し寄せ、市内に数万羽が営巣していました。70年代に入り、大都市にも進出をはじめます。かつて、山奥にしかいなかったこの鳥が、今では大都市に住んでいます。現在でも大都市に住み着くイワツバメは増加し、一方で、地方都市では大幅に減少しています。こうした変化は、何によって起きたのでしょう。

 イワツバメ Delichon urbica は、ヨーロッパにもいて、春にアフリカからやってきます。英国での名前は、House martin。その名も、家イワツバメです。イギリスでは17世紀以降、産業の発展と農地の拡大で、急激な森林の消失を引き起こしました。イワツバメが、主に街中のビルの壁に巣を作るようになって、やや久しいようです。
 英国王立鳥類保護協会のHPでは、イギリスでは都会進出が始まったのは十九世紀であり、二十世紀初頭には断崖絶壁に営巣するイワツバメはほとんどいなくなった(*)としています。
「(*)During the 19th century, they started to move from their natural nest cliff nest sites. By the early 20th century, very few birds in the UK nested on cliffs. However, house martins do still nest on cliffs in southern Europe 」
 日本のイワツバメが1950年代までは、山奥の岩壁で暮らしていたのに、イギリスでは、19世紀から都市への進出がはじまったというのです(^^;それだけ、自然破壊の歴史が長いということなのかも知れませんね。
「Some still nest on cliffs, which would have been their breeding habitat before man.」
 また、フランスでは、Hirondelle de fenêtre (「 窓辺のツバメ 」と訳すのでしょうか、または、巣の形状からの呼称でしょうか.) イワツバメは、都市のビルなどに巣を掛けるそうです。日本のイワツバメは、都市に進出しはじめた途上ですが、ヨーロッパでは都市に住みついて、やや久しいものがあるようです。ちなみに、この鳥の学名のDelichon urbica は、「都市のツバメ」という意味です。
パリの市街地の周りには、ブーローニュ(le Bois de Boulogne)や、バンセンヌ(le Bois de Vencenne)、le Bois de Saint Martin など、le Bois~という林がいくつかあり、さらにその外側に Forêt と呼ばれる広い森林が、二重に都市を囲んでいます。
(この段は、コメントを頂いた てつ人さん のご教示により、改稿しました。てつ人さん、ありがとうございます。^^)

 ヨーロッパの森林の減少は、産業革命以来、急激なものがありますが、牧畜などがあまり盛んでなかった日本では、森林は比較的最近まで残っていました。それが、高度経済成長期からバブル経済期にかけて、森は伐採され、針葉樹の人工林に代わり、餌が少なく動植物相の貧しい森となり放置され、イワツバメは、山を去ったと考えられないでしょうか。かつて、数万羽のイワツバメが巣造りをした日光市では、いまは数百羽程度の群れしかいません。

 森の破壊は、インターネット上の航空写真でも、手軽に見られるようになりました。日光周辺の山の状態は、異様です。日光市周辺では、奇怪な事件も発生し、国民を震撼させています。森林の荒廃と、小鳥の街への殺到と移動、それに、人心の荒廃は一体のものではないでしょうか。
 ある時、小鳥がたくさんやって来て、去って行った。そしてしばらくして、子どもが、消えてしまった...。なんだか「ハーメルンの笛吹き」のミステリーみたいな話です。野鳥観察でも、そうしたエコロジカルな視点も、忘れないようにしたいものです。

 なお、日本のイワツバメは、 Delichon urbica. Delichon urbica dasypus. Delichon dasypus. など諸説あるようです。

-ご参考-
・ 東映 『 五千羽のイワツバメ 』 1959年
・  環境省 自然環境局 生物多様性 センター  イワツバメ.Delichon urbica
・ 『 フィールドガイド日本野鳥 』高野伸二著 日本野鳥の会 1988年


拙ブログ
・ 森の異変を告げるイワツバメ
・ 平安京にイワツバメはいたか?
・ 人と共生する小鳥 ムラサキツバメ.Purple Martin 
・ 作ってみました. 食用瓢箪=夕顔の巣箱
・  プレィリードッグと共生する鳥 ヤマアジサシ

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5 コメント

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パリの周辺の森 (U-3)
2007-02-15 23:07:14
 てつ人さん、ありがとうございます!
誰か書いてくれないかなあと思っていました。あれこれ考察を巡らすのは、楽しいことですね(^^)。そこから、観察がはじまり、又議論して、もう一度しっかり調査して、議論・考察という手順が、科学的なものの見方だと思うのです。コメント、感謝します。

 私はフランス語は弱いので、翻訳頂きありがとうございます(^-^)。
>都会に格好の営巣地(断崖絶壁に似た高層建築)ができたから都会に進出した、とも言えるのではないでしょうか。

 ・ウ~ム、確かにフランスの場合は、そうですね。フランスは、中央集権的で、パリの発展は、早くから著しいものがありますし、パリ、周辺には広い森が確保されています。巣立った後の睡眠場所や、餌場にも事欠きません。フランスのイワツバメの進出は、パリ周辺の広い森も、関係しているかもしれませんね。それにしても、なんで、あんなに大きな森が残っているのでしょうか?フランス人は偉い!
http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2006/img/tp061213_01j.jpg
http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2006/tp061213.html

 一方、イギリスでは山から順に、都市に向かったらしい記事がありました。現在、イギリスのイワツバメの数は、横ばいで、農村部での減少と、都市部での増加数が、つり合っているそうです。農村部での減少原因は、小規模農家戸数の減少によるとの事です。http://www.maff.go.jp/kaigai/gaikyo/f_z_02uk.htm
http://www.maff.go.jp/kaigai/gaikyo/03france2.htm

日本でも、次第に都市に移動してくる様子が下記の図から分ります。農家の減少と関係しているのではないでしょうか。森を追われたイワツバメが次第に、街ににじり寄っています。(野鳥研究家の板橋の松田さんから,お送り頂きました。松田さん、ありがとうございました。^o^)!
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/c9/66efb0f88f10dbcc4aaadd3794b13545.jpg

>.(イワツバメは田舎ツバメ[普通見られるツバメ]と同類のものを捕食するが、田舎ツバメよりも高いところで飛んでいる虫のみを空中捕食する。)
 ・翻訳頂きました、上のイワツバメのお食事ですが、大都市で昼間でも点滅する広告塔や、航空衝突警告灯、ビル内の照明に引き寄せられる虫が、多いのかも知れないなぁと思いました。ブナ林で観察していると、確かに稜線上空に、イワツバメ、アマツバメ類、河川になどに田舎ツバメがいます。

>都会に格好の営巣地(断崖絶壁に似た高層建築)ができたから都会に進出した、とも言えるのではないでしょうか。

 地方では、山奥にダム、橋梁ラッシュなのですが、イワツバメさんが営巣してません。ダムが出来ると人造湖の廻りは、高架橋が沢山設置され、湖を横断する高架橋も、いくつもかかりますが、営巣地にはなっていないと思います。記事の環境省リンクの生息地と、ダムの位置を重ね合わせると分ります。それに土田舎にも、巨大な建物は、あるんですよ;^。

追伸
 なお、中国にはイワツバメの仲間が5亜種いるそうです。内三つを上げておきます。
(白腹)毛脚燕 Delichon urbica
烟腹毛脚燕 Delichon dasypus
喉毛脚燕 Delichon nipalensis
  http://www.wanfangdata.com.cn/qikan/periodical.Articles/dwxzz/dwxz2002/0201/020117.htm
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イワツバメは森にこだわっていない (てつ人)
2007-02-16 18:09:20
 またやって来ました。言うまでもないことでしょうが、私はU-3さんの説を批判しようとしているのではなく、状況証拠からして他の可能性のあることを指摘しているだけです。

 フランスにおけるイワツバメの都会進出はいつから始まったか、リンクされたフランス語のページからは読み取れませんでしたが、「英国鳥類HP」によれば、イギリスでは都会進出が始まったのは十九世紀であり、二十世紀初頭には断崖絶壁に営巣するイワツバメはほとんどいなくなった(*)、と書いてあります。ですから、「イギリスでは17世紀以降、産業の発展と農地の拡大で、急激な森林の消失を引き起こしました。イワツバメが街中のビルの壁に巣を作るようになって、かなり久しいようです」とは言えないようです。イギリスの場合、どうも単純に森林破壊と結びつけるわけにはいかないのではないでしょうか。

(*)During the 19th century, they started to move from their natural nest cliff nest sites. By the early 20th century, very few birds in the UK nested on cliffs. However, house martins do still nest on cliffs in southern Europe.

 また東京圏におけるイワツバメの営巣地の変遷の図を見ると、イワツバメが都心に向かって目立って進出するのは1960年代からです。この時期は、首都圏で高層建築がどんどん建てられ始めるころと一致すると思いますが、他方、この時期、首都圏の山間部で大々的な森林破壊が行なわれたのでしょうか?森林の「荒廃」があったのでしょうか?

 たしかに日本では高度成長期以降、宅地開発などで森林が破壊されました。しかし、他方、里山では森林相がかえって豊かになった、という現象があります。燃料を化石燃料に求め、有機肥料の代わりに化学肥料を使うようになると、それまでは草山化していた里山に木が立つようになります。昔は日本は緑豊かな国であった、というのは、ある意味では嘘です。今の方が緑豊かな[地域があるの]かもしれません。

 それとU-3さんにはイワツバメと森林に対するある思い入れがあるような気がします。「本来、彼らは清浄な森の虫を捕って暮らしていたはず」なのでしょうか?森の虫であろうが、水辺の虫であろうが、野の虫であろうが、彼らは区別しないのではないでしょうか。問題は虫がいるかいないかであり、虫の棲息地ではありません。
 またフランス語のホームページの引用で
 「En dehors de la periode de reproduction, les hirondelles de fenetre se rassemblent en dortoir dans les arbres, et non dans les roselieres comme l'hirondelle rustique. イワツバメは巣立ち後、森林の中で集団生活し、普通の燕は、川原の芦原( roselie`res)などに宿をとるなどとある。」
と訳をつけられていますが、「森林の中で」ではなく「木立のなかで」です。森は"foret"であり、"arbre"は個々の木を意味します。関連して言えば、おっしゃる通り「パリ周辺には広い森が確保されています」が、この場合の「森」という言葉には注意すべきです。日本語では「ブーローニュの森(le Bois de Boulogne)」だと「バンセンヌの森(le Bois de Vencenne)」だとか訳されていますが、その「森」の原語は"foret"ではなく"bois"です。"bois"は単数で使われるときには「林」といった意味です。実際パリ周辺にある上記二つの「森」に行ってみると、平地の人工林であることが分かります。日本風に言えば「森林公園」でしょうか。ですから、引用したフランス語のホームページの内容は、イワツバメと田舎ツバメの捕食高度に(も)関係するのではないでしょうか。高いところに棲息し、高いところの虫を捕食するので、イワツバメは高い木々で生活する、と…
 つまり、イワツバメと森との必然的関係はないと思われます。

 ですから、イワツバメの都会進出は、森林破壊(ツバメのように行動範囲の広い動物の場合、局地的な森林破壊がどの程度かれらの行動に関係しているかを考えてみる必要があります)に単純に結びつけることはできない(無関係とは言いません)、と思います。

 では、今日はこの辺で。(なお、私のHPの「ひろば」に対する返事は週明けになると思います。)
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原生林の破壊=拡大造林 (yuzou)
2007-02-19 00:04:37
てつ人さん、フランス語の森林の用語の所、あやふやで申し訳ありませんでした。arbres(木立)、bois(林)、forêt(森)の感じなのですね。本文も修正させて頂きました。ご教示、本当にありがとうございます。

>また東京圏におけるイワツバメの営巣地の変遷の図を見ると、イワツバメが都心に向かって目立って進出するのは1960年代からです。この時期は、首都圏で高層建築がどんどん建てられ始めるころと一致すると思いますが、他方、この時期、首都圏の山間部で大々的な森林破壊が行なわれたのでしょうか?森林の「荒廃」があったのでしょうか?

 はいはい、森林の破壊ですが、1950年代からの日本では、人間がそれまで殆ど伐採しなかった、奥山の原生林に手をつけた時代でした。それまでは、人力や馬で木を運んでいたものが、それ以降、大規模な林道工事や、索道(ロープウエイ)を使って山の奥深くから、木を運び出すようになりました。補助金付で自然をぶち壊し、花粉症の原因をも創出した「拡大造林」の時期です。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/kankyo/20060807ft02.htm

 現在の丹沢山地などに登ってみますと、山頂付近にわずかにブナが残っていますが、山頂付近まで、杉の造林が行われているのを見ることが出来ます。杉はすでに太く育ち、その頃の造林と考えられます。私が問題にしているのは、標高の高い所の原生林の破壊で、民家に近く、古くから利用されてきた里山は含みません。
 イワツバメは当地では、標高七百~千メートル以上の天然林上空に、その群れを見かけます。普通の田舎のツバメさんは、ずっと下界の里山~町・村にいます。
 てつ人さんも、一度新緑のブナの樹海の上空を、実に気持ちよさそうに舞い飛ぶ、本来の自然な暮らしをしている岩燕の群れをご覧になれば、必ずや、「イワツバメは森にこだわっていない 」という観念は、消えてしまうと、確信しております。
 また、天然の林の伐採が、いかに凄まじい自然破壊であるかも、ご覧頂きたいと思います。機会がございましたら是非ご来遊ください。
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平安時代の京にイワツバメはいなかった? (てつ人)
2007-02-19 16:16:53
 イワツバメの件、私の頭の中でだいたい整理できました。私の言葉で言えば、奥地の大規模森林伐採により生活環境が悪化したイワツバメは別の棲息地を探して、住み慣れた《断崖絶壁》のある都会に進出した、ということですね。言い換えれば、《断崖絶壁》がなければ都会にやって来なかった、ということですね。そして彼らが住みついた都会は餌に恵まれており、住みつくにいたらなかった都会は餌場がなかったんでしょうね。
 イワツバメは本来は高山地帯を住み処にしているのでしょうか?私は漠然と海岸の断崖絶壁をイメージしていました。環境省のホームページにアクセスすると、広島県にもわずかに棲息地があるようですが、そこは高山地帯で、かつブナ林が残っているところです(詳しく検討したわけではないので、ブナ林に関しては外しているかもしれません)。そして、棲息地は大部分、高山地帯ですね(海岸らしきところもありますが)。

 さて、そうだとすれば、別の疑問がわいてきました。「平安時代の京にイワツバメはいたのだろうか」という記事がありますね。そこで、大炊寮にツバメが集団で営巣しているところから、それはイワツバメではなかろうか、と推論されていますね。そしてその傍証として「当時の京は、国中の富を集める一極集中と、バブル経済の典型であったろうから、周辺の山々の森も伐り払われ、杉、檜や、荒れ山になっていたのではないだろうか」とあります。
 しかし、まず、『竹取物語』の平安京はバブル経済にあったとしても、森林伐採は「周辺の山々」に限られ、イワツバメの棲息地が侵されることはなかった、と考えられます。
 さらに、集団営巣の状況についても私はYuzouさんとは別の推理をします。引用文からすれば、大炊寮では一戸建ての家がたくさん並んでいる状態です。ところが、イワツバメは違う形態の集団営巣をするのではないでしょうか。そのあたりは私はまったく無知なので、リンクされているフランス語のホームページから、イワツバメの集団営巣の形態を想像してみました。
《Elles se reunissent souvent, mettent leurs efforts en commun, et faconnent des nids pour plusieurs menages, profitant ainsi des materiaux precieux. La petite colonie epargne a chaque couple une perte de temps et des fatigues inutiles.》(イワツバメたちはしばしば力を合わせ[て巣作りし]、数家族のための巣を作り上げる。こうして貴重な[手に入りにくい]材料を活用するのである。小さな集団営巣によって、つがいは時間をうしなわず、また無駄な労力をしなくてすむ。)
 想像するに、イワツバメのコロニーは一戸建ての集団ではなく、共同住宅形式のものです。一戸建てだと、いくら協力しあっても、時間と労力の節約はできませんから。
 私は、上の二つの理由から「平安時代の京にはイワツバメはいなかった」と結論したい気がします。いかがでしょうか?

 最後に、bois と foret について補足説明をします。
 フランス事情に通じなかったころは「ブーローニュの森」といった言葉から、眠れる美女が住んでいるような、人の手が何十年、何百年はいらなかったな鬱蒼とした森を想像していました。ところが実際には、前の書き込みで触れたように、そういった「森」は大規模な森林公園でした。散歩道が整えられ(車道さえあります)湖があったり乗馬場があったりします。そういえばロンシャ競馬場もブーローニュの森にあります。パリ周辺のすべての「森」を探索したわけではありませんが、それらの「森」も人工林と考えて間違いないと思います。「林」以外の森林形態はパリ周辺には存在しないでしょう。
 日本では山は放置されるとすぐに「荒れて」しまいますが、その頭でフランスの山林を見ると驚きます。どの(というのは誇張かもしれませんが)山林も人の手の痕跡がはっきりと残っています。フランス人が勤勉に(「勤勉」はフランス人気質の本質的部分にはないように思います)森の手入れをしているのかもしれませんが、気候風土の違いが大きいと思います。フランスは、地平線まで見渡すかぎり、人工です。
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賀茂の水、双六の賽、山法師」に象徴される山河の荒廃 (yuzou)
2007-02-19 22:43:53
 てつ人さん、ありがとうございます(^-^)。私はモニターで字を読むのは、しんどいので、なるべく簡潔に短く書くように心がけています。いつも、説明が不足ですみません。

>イワツバメの件、私の頭の中でだいたい整理できました。私の言葉で言えば、奥地の大規模森林伐採により生活環境が悪化したイワツバメは別の棲息地を探して、住み慣れた《断崖絶壁》のある都会に進出した、ということですね。言い換えれば、《断崖絶壁》がなければ都会にやって来なかった、ということですね。

「《断崖絶壁》がなければ都会にやって来なかった、・・・」
 う~ん、イワツバメは、必ずしも《断崖絶壁》ではなく、普通の民家の軒下や、玄関先に巣をかけるものもいて、普通の燕と陣取り競争をしたりします。
また、尾瀬などの木造の山小屋などの軒先にも、巣をかけていますので、必ずしも大きな構造物ではなくとも、巣をかけるようです。
 
 私も尾瀬で、山小屋のかなり低い玄関のひさしの下に巣をかけているのを見ました。必ずしも群集する訳でもなく、まばらな営巣でした。尾瀬のイワツバメは、頭や背中が、紫色を帯びていますので、別の亜種(ヨーロッパ型?)かもしれないなぁ~と思っています。
http://mhanac.exblog.jp/4069306/
http://www.oze-fnd.or.jp/numasizenjyouhou/2005/20050602/numavc-photo20050602.htm
http://oze-rhinoemata.at.webry.info/200607/article_17.htm
(最近は尾瀬、周辺でも増えているようですね。^^;)周辺の山々にも、杉林が迫っています。

 京都周辺の山々は、かなり険しく断崖もところどころあります。桂川、瀬田川などの渓谷もあります。平安京が創られる前は、けっこう鬱蒼とした所だったと思います。それが一躍、都となって、さぞ周辺の山々は、疲弊したことでしょう。「賀茂の水、双六の賽、山法師」に象徴されるように、京都の水害は古くから有名です。また、京は山と都市が近接していますので、イワツバメは山から直接、都市に移動したように見えるかもしれませんが、一般には、次第に環境に適応しつつ、移動して行ったのではないでしょうか。

 フランスの参考文のご翻訳、ありがとうございます(^-^)。
>こうして貴重な[手に入りにくい]材料を活用するのである・・・」
 これは材料の泥が、かなり手に入り難い、現代の大都市での事例ではないでしょうか。石畳やコンクリートに固められたフランスの都市と、平安時代の京では材料の条件が、異なるのではと思います。

 bois と foret について補足説明、たいへんありがとうございます。フランスでは、ギンギンの人工林なのですね。オルリー空港の周りに大きなforêtがいくつかありますがあれも、人工林でしょうか。ベルリンは行きましたが、パリは行ったことがありません。
>「フランスは、地平線まで見渡すかぎり、人工です。」
うわ~、そんなに人の手が入っているのですか。これは、人々のアイデンテティにも影響するでしょうね。それに、多彩な微生物資源なんてのは、望み薄いですね。そんな意味でも、日本の原始林は、大切だと思います。てつ人さんも、広島のイワツバメの森に、新緑の時期に是非行ってみてください。本当に気持ちよさそうに、たくさんのツバメさんたちが、飛んでいますよ~(^o^)。
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