炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

災害時の心理を考える. その3.

2004-12-16 | 災害の心理学
災害時、特に地震発生時に流れる、色々なタイプのデマを考えてきました。
1.人種嫌悪、反感から発生する「分裂デマ」。(日本でも過酷な植民地支配のさなか、関東大震災時に流され、多くの人命を失う結果となり、国際的非難を浴びている。)
2.恐怖による不安を和らげようとようとする「恐怖デマ」。情報の不足による不安が、不満にまで高まり、デマとなる場合もあります。

3.強い希望、渇望から発する「願望デマ」(今日のテーマ)。
大戦末期、ヨーロッパでは、クリスマスには戦争が終結するとか、食料がふんだんに届くというデマが、あちこちで流れました。人は、極限状態に置かれると、自分の希望を変形した言葉にして、発してしまう傾向があるようです。困った事に、こうした状況では、多くの人が、たやすくそれを信じてしまう場合があることです。

災害時に限らず、満たされない強い願望があるとき、人は、それを補ってくれる情報や、対象物を信じてしまう事が、往々にあるようです。こうしたデマに惑わされないように、多くの情報の中から、的確なものと、クズ情報を見分ける力を平素から養いたいものです。

21世紀の今日でも、こうした「願望デマ」から、各国軍隊が出動、多くの人命の損失と莫大な資金の散じた例がありました。 私たちは、あふれる情報の中から、本物と、偽ものの見わけ方の訓練を積んでおく必要があります。
また、こうした「願望型デマ」を発する対象が、極限状態に追い込まれていることも、知る必要があると思うのです。 

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1 コメント

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-参考- (筆者)
2004-12-16 22:18:42
ご参考-

GW.オルポート/L.ポストマン『デマの心理学』 岩波書店.1957年
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