炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

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地震と噴火の連動性を考える フィリピン (北部編)

2006-07-27 | アジア・太平洋地域
 フィリピン、ルソン島南部の名峰マヨンと、ブルサンの噴火活動が活発化しています。ルソン島周辺の地震と火山噴火の時期を整理してみます。

 フィリピンの地震と噴火で、記憶に新しいのが、死者1600人以上を出した、1990年のルソン島中部のM7.8の地震と、翌年のピナツボの大噴火です。震央からピナツボ火山までの距離は100km足らずで、余震もピナツボ火山直下で発生していました。

 1991年のピナツボ山の噴火規模は、20世紀の噴火では二番目で、数年間、地球の気温が 低下したといわれています。(衛星から見た 噴煙の様子 Plumeが噴出物)
(20世紀最大の噴火は、1912年のアラスカ、カトマイ火山の大噴火です。噴出物の量は、ピナツボの約三倍。この1912年は、タイタニック号の沈没した年として、記憶されている方も、多いことでしょう。)

 1990年のルソン島中部の大地震と、その翌年のピナツボ火山の噴火以外に、地震と噴火が、時間的に接近した例はあったのでしょうか。
20世紀後半から、ルソン島付近で活動した火山は北から、ディディカス、ピナツボ、タール、マヨン、ブルサンの五つの火山です。
 以下に、20世紀後半からのルソン島の地震と火山活動を年表にして、整理してみました。

 参考 地図:フィピンの火山と プレート境界.  衛星写真.

1965年 Taal 噴火 死亡190人 ルソン島西部のカルデラ湖(マニラ市近郊) 地図
1967-'70年 Taal 噴火
1968年 Mayon 噴火 標高 2462m. ルソン島の南東に 位置.
1968年 ルソン島東部の地震  Casiguran Earthquake Ms 7.3
1969年 Didicas 噴火 ルソン島北の海上に浮かぶ火山島. 位置.
1973年 ルソン島南部の地震 Ms 7.0 Ragay Gulf Earthquake  (マヨン火山に近い)

1976年 Taal  噴火
1977年 Taal  噴火
1978年 Mayon 噴火  
1978年 Bulusan 噴火 ルソン島南東端(Mayonの南東80km)
1979-80年.Bulusan 噴火
1981年 Bulusan 噴火
1983年 Bulusan 噴火 
1983年 ルソン島北西部の地震 Laoag Earthquake  Ms 6.5
1984年 Mayon 噴火 

1988年 Bulusan噴火 
1990年 ルソン島中部地震 M 7.8 死者 1600人以上 地図
1991年 PINATUBO  大噴火 20世紀二番目の規模

1993年 Mayon 噴火 70人死亡
1994年 11-95.1 Bulusan 噴火
1994年 11.14 ミンドロ島沖地震 M7.1 死者78人 震央はルソン島とミンドロ島間の海上。大津波が発生。
地震前に、50km離れたTaal火山で、ラドンガス濃度上昇

1999年 Mayon 噴火
2000年 Mayon 噴火
2001年 Mayon 噴火
2002年 Mayon 噴火
2003年 マスバテ島の地震 Masbate Earthquake Ms6.2 (ルソン島の南隣の島 マヨンに近い)
2003年 Mayon 噴火

2006年 
  3月     Bulusan 噴火. ('95年以来)
  6月     Mayon 活動開始
  6月20日  Arroyo大統領の命により、全国の公立学校で地震避難訓練。
  7月14日  Mayon 噴火 


 ルソン島では、火山活動が活発で、地震の合間を埋めているようにみえます。
フィリピンでは、このほかにミンダナオ島に地震が、多く発生しています。

参考 HP
Philippine Institute of Volcanology and Seismology
Smithsonian Institute National Museum of Natural History.


・Mayon:画像 Stuart Dee氏の写真。 1999年の噴火 GEO.
・Taal: タール湖 写真家 Vergel Tolentino 氏.

拙ブログ ご参考
火山噴火と地震の連動性を考える.その1.浅間山
火山噴火と地震の連動性を考える.その2.東日本の火山と地震
Charles Darwinの考察した火山噴火と地震 ・『 ビーグル号航海記 』より
フンボルトの指摘する、火山噴火と地震の連動性
阪神淡路大震災から 12年

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4 コメント

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連動性のメカニズム (o_sole_mio)
2006-07-26 00:09:07
こんばんは



フィリピンはかなりの頻度で火山の噴火と地震を繰り返しているのですね。驚きました。ピナツボ火山の噴火の前後には大きな地震が発生しているのですね。



そういえば、雲仙の火山活動と阪神大震災との関係についても言われていたのを記憶しています。



このような地震と噴火のメカニズムを早く解析して防災役立てて欲しいものだと思います。
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岩盤の塑性 (U-2)
2006-07-26 22:42:03
オーさん、コメントかたじけありません。やっと纏めた所です。昨夜よりも噴火が増えてしまいました(^^;。



それにしても、火山噴火といい、地震といい、フィリッピンは凄い所ですね。この他、中部内海の島々、ミンダナオ、スールー海の島々でも、活発な活動が見られます。こんな所に、原子力発電所を建てたがっているようです。幾らなんでも、無理でしょう。ひときわ美しい国土を生かして観光に活路を見出すべきです。



地震と火山の関係ですが、最近はダムや鉱山開発、地熱発電などで、地下水の変化も関係しているそうです。

岩盤は350度C以上では、崩壊しません
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コメント有難うございました (purun)
2006-12-05 22:16:08
yuさん、ブログへのコメント有難うございました。HP拝見させていただきました。火山・地震関連サイトとはまったく別に、Sarah Brightmanのサイトをリンクされているのも嬉しかったです。これからも宜しくお願い申し上げます。purun.
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purunさん、ようこそ。 (yu)
2006-12-06 21:03:05
こちらこそ、拙いブログを見て頂き、ありがとうござます(^^)。フィリピンは、噴火に地震、エルニーニョによる台風の増加も懸念されていますね。そちらの政治家の善政を祈っています。
 サラ ブライトマン、歌唱力が素晴らしくて大好きです。こちらこそ宜しく。
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