Courtesy of NASA.
(Gimp Savvy)
人工衛星を打ち上げは、各国にとって一種のステータスシンボルのようです。
1950年代の米ソの人工衛星打ち上げ競争にはじまり、今日の中進国、途上国、に至るまで、国威をかけた熱い打ち上げ競争が繰り広げられてきました。以下に年表に整理して、衛星打ち上げの意味を考えてみます。
By Courtesy of NASA. (Gimp Savvy)
50年代の米ソ 宇宙競争
October 4, 1957: - Sputnik 1 - the first satellite launched by Russia.
November 3, 1957: - Sputnik 2 - first living creature in space.
February 1, 1958: - Explorer 1 First U.S.A. satellite.
60年代はヨーロッパ各国の競争
1962: - First UK satellite: Ariel 1
1964: - First Italian satellite: San Marco 1
1965: - First French satellite: AST
1969: - First German satellite: Azur
70年代は日中の競争にインドも参入
1970 二月: - First Japanese satellite: Ohsumi
1970 四月: - First Chinese satellite: Dong Fang Hong 01
1975 - First Indian satellite: Aryabhata
80年代~90年代は、南米諸国の熱い競争
1985: - First Brazilian satellite: Brazilsat A1
1985: - First Mexican satellite: Morelos 1
1990: - First Argentine satellite: Lusat
90年からは,特にアジア諸国の競争の時代に
1990: - First Pakistani satellite: Badr A
1992: - First South Korean satellite: Kitsat 1
1993: - First Thai satellite: Thaicom 1
1994: - First Turkish satellite: Turksat 1B
1995: - First Ukrainian satellite: Sich 1
1995: - First Chilean satellite: Fasat Alfa
1996: - First Malaysian satellite: Measat 1
1998:- First Atempt North Korea satellite :Missing ?
( * 年表は、加、豪、東欧諸国の分を省略しています。)
以上、米ソの競争に象徴されるように、近隣の国が上げれば、負けじと衛星を打ち上げる様子が良く分かります。
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特に韓国の人工衛星 Kitsat シリーズは、90年にKitsat 1がヨーロッパのアリアンロケットで打ち上げに成功してから,93年の Kitsat 2号 アリアンロケット)、99年のKitsat 3号(インドのロケット)と立て続けに成功している。
北朝鮮の1998年の自国の機材での打ち上げは、建国50周年の記念行事としての試みとして、諸外国では解釈されているようです.CNS
BBCでも、ロシア、中国などが人工衛星打ち上げと報じているのが分かります。韓国はニュートラルな立場で、時の金大中大統領は、「人工衛星打ち上げか、ミサイルかは、はっきりしないが、国民が飢饉に苦しんでいる時に...」と語っている。
アメリカを含め国際的には、テェポトン1号は、人工衛星打ち上げを試みたものと解釈されているようですが、米政府公式見解とマスコミの報道は、かい離が大きいようです。一方的な報道ではなく、公平な判断材料を提供するべきではないでしょうか。
ともあれ、平和な宇宙開発の競争であってほしいものですね。
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今回の打ち上げに関して私の見た範囲では、日本はもちろんアメリカ、韓国政府もミサイル実験との見方がされているようです。
もちろん、打ち上げを行った場合、北朝鮮は人工衛星の発射実験との公式見解を出すでしょうし、中国やロシアもこれに同調するものと見られます。
ご指摘の通り、米ソ両国は1950年代に人工衛星を争うように打ち上げてきましたが、人工衛星の打ち上げは大陸間弾道ミサイルとその制御手段の開発という軍事的な目的が多分にあったものと思われます。幸いなことに人工衛星は、通信、気象予報、資源開発など我々の暮らしに恩恵をもたらし、大陸間弾道ミサイルが実際に発射されたことはありませんが、