炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

全国学力テスト 地域別成績公表

2008-10-23 | 椿事
 全国一の人口減少率、低出生率、高自殺率、ガン死亡率をかかえた秋田県で、子どもたちの学力試験の結果の一部が公表された。秋田県は、今回の試験では日本一の成績だった。皮肉な事に、過疎による少子化が激しく、子どもの数に対して、教員の数が多いのため好結果となったらしい。

 地域による学校の成績の違いは、けっして教員の力量だけによるものではない。
筆者は、子ども達の理科嫌いの原因を探る国のボランテア活動に参加し、小学校の理科の教科書を調べた経験がある。教科書も出版社によって、内容に大きな違いがあることを知った。読んで解り易いものもあれば、ひどく困惑してしまう教科書もあった。
中には、子供たちが途方に暮れるように仕組まれているのでは‥‥という狡猾な教科書もあり、理科教科書が子どもの理科嫌いの原因の一つとなっている事を確認した。

 例えば、理科で川について学ぶ内容が、一学期に川の下流、二学期に上流、三学期に中流と、てんでばらばらで、実際の川の流れと、矛盾する流れで切れ切れに学習する仕組みになっていた。その切れ切れで断片化した知識が、忘れかけたころに、また、断片的に教えさせる、実に不自然な仕組みだ。

 教科書執筆者の能力にもよるのだろうが、中には意図的に、読む者の思考を混乱させようとしていると思える理科教科書もあった。学校や地域単位の成績では、恐らくは採用している教科書によっても、成績にかなりの差が出てくることは明らかだ。

 私が、小学生のころも各県ごとの学力テスト成績が公表され、教室にも張り出されていたのを記憶している。その中で、○手県の成績が極端に低かったのを覚えている. もしかすると、「又三郎」に描かれていたように、○上川の高濃度の鉱毒や、わんこソバの食いすぎが影響していたのかもしれない。。。
 
 ともあれ、子供たちの成績の違いは、けっして、先生だけの責任ではなく、教科書を採用する教育委員の能力も、大いに問われるべきであり、周辺の環境さえも、子どもの成績に影響している可能性があるということである。また、点取主義が、本当の教育と言えるかどうかも、はなはだ疑問である。

 今回の学力試験結果の公表は、山陰や東北のひどい過疎地域で行われたようだが、為政者の失策への批判を、教育問題に目を向けさせて逸らそうとする意図を感ずるのは私だけでだろうか? 政策の失敗への批判の矛先を学校の先生たちに向けさせ、政治家や官僚は、地域衰退の責任追求の批判を逃れるという、実に狡猾なものが見え隠れしてはいないだろうかい。            


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