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ヘレン・ミアーズ「アメリカの鏡日本」

2018-11-10 08:25:29 | Weblog
ヘレン・ミアーズ「アメリカの鏡日本」

「日本人は生まれつき軍国主義者であり、拡張主義者である」という宣伝文句にはまったく説得力がない。

秀吉の軍隊が朝鮮から追い出された同じ時期、スペインはペルーとメキシコを征服し終え、
フィリピンに地歩を固めていた。

ポルトガルは世界を駆け巡り、
ジャワ諸島、インド、マレーの沿岸地域、マカオ、中国沿岸部に及ぶ広大な帝国を築きつつあった。

イギリス、オランダはスペイン、ポルトガルと競いながら、
徐々にポルトガル領の大部分とスペイン領の一部を収め、中国、日本を目指していた。

十七世紀初め日本が鎖国したのは、ヨーロッパ諸国の「歴史的拡張主義」から自国を守るためである。

日本人は世界を征服する野望にとらわれていたのではない。世界のどこの国にも征服されたくないという気持ちに動かされてきたのだ。」

アメリカのペリー提督が浦賀沖にやってきて、砲艦外交を展開して日本に開国を迫る。
アメリカをはじめとする欧米列強の圧力で開国を強いられた日本には二つの選択しか与えられていなかった。

韓国が日本の説得に応じていくつかの港を開港すると、
日本は欧米列強が日本に対して行ったように韓国との間に不平等条約を締結し、
日本人は治外法権に守られて韓国の港に定住します。

欧米列強はこの日本の行動を非難するどころか、
自分たちもまた日本に続いて韓国から同様の特権を得る。

「日清戦争の後、欧米はこの生徒の卒業を認定し一八九九年に不平等条約最後の条項が書き改められた。」
「列強は特権を返上し、日本は高校卒業書をいただいて大人の仲間入りした。」

1910年、日本は韓国の皇帝の「請願」を受けて韓国と条約を結び、韓国を「合法的に」併合します。
日本の同盟国であったイギリスは日本の韓国併合を承認し、アメリカもそれに異議を唱えませんでした。

「ロシアと日本が和平交渉を進める過程で、イギリスは日英同盟を更新した。

こうした経緯を見るかぎり、なぜ一九四三年カイロで、
大英帝国のチャーチル首相とアメリカのルーズベルト大統領が
「日本は韓国を奴隷化した」と宣言したのか理解できない、とミアーズは言う。

「もし、日本が韓国を奴隷にしたのなら、イギリスは共犯であり、アメリカは少なくとも従犯である。」
「日本の韓国での行動はすべて、イギリスの同盟国として合法的に行われた。」

一八九四年七月二十九日、韓国駐在のシル米代表は次のように書いている。

日本は思いやりの態度で韓国に接していると思う。
今度こそ、韓国を中国の束縛から解放しようとしているようだ。
韓国国民に平和と繁栄と文明開化をもたらすことによって、
力の弱い隣国を安定した独立国にしようとしている。
こうした日本の動機は韓国の知識層である官僚の多くが歓迎している。
アメリカにも異論はないと思われる。

日本の韓国併合は、国際関係の原則にのっとり、当時の最善の行動基準に従って行われたことである。
しかも、その原則は日本がつくったものではない。
欧米列強、主にイギリスがつくった原則なのだ。

日本は韓国の「独立」という実にもっともな動機から、中国、そしてロシアと戦った。

第二次世界大戦後の日本は、自分たちは何のために戦ったか忘れてしまったかもしれないが、
日本はとにかく当時の国際慣行を律儀に守り、それにうながされて行動したのだ。


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