Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2010年6月号 カワラセ川が氾濫、難民3名死亡

2010年11月17日 | カクマタウンとケニア
難民たちがケニア南部の町に行こうとしているとき、スーダン人難民3人が荒れ狂うカワラセ川で死亡した。ロドワー市から約1キロの地点だった。

ミニバスが川に着くと、運転手はいつものように乗客全員に、自分で川を渡るよう言った。バスは川の両岸で待ち、乗客を入れ替えることになっている。多くの乗客は現地の泳ぎ手に料金を払って手助けしてもらいながら渡った。しかし死亡した難民たちは助けを断り、川を渡ろうとしていた。川の真ん中まで来た時、突然水かさが増し、流されてしまった。川の向う岸に向かうことができたのは10代の少女だけで、現地のサマリア人によって助けられた。しかし母親と兄弟2人は死亡した。この事故の現地目撃者はロドワー病院でスーダン地区のリーダーに、「彼女を水から引き上げる時、私自身も危うく溺れるところだった」と話した。

助かった少女と遺体はロドワー地区病院に運ばれた。スーダン人コミュニティーの人達がこの事件のことを知ったのは、コミュニティーのリーダーがDRA(ケニア政府難民担当局)の事務官に電話であれこれ聞かれたからだった。翌日、スーダン人難民のリーダーたちはケニア政府の事務官に付き添われ遺体に対面したが、このときまでに遺体が発見されたのは2人だけで、もう1人は行方不明だった。スーダン人地区リーダーはKANEREのジャーナリストのインタビューに答え、「なんとも悲劇的な事件でショックでした。UNHCRやケニア政府の事務官、そしてロドワーの方々に大変お世話になりました。見つからなかった子供1人の遺体も見つけることができました」と言った。

コミュニティー事務所によると、死亡した人と助かった人は皆、同じ家族の人たちだった。彼らと血のつながりのある父親は、ずっと以前にスーダンの市民戦争で亡くなったが、その残された子どもたちが、こんどはキャンプで孤児になってしまった。別の情報源によれば、この家族の一部の人がケニア南部の町に住んでいるという。孤児になった子どもたちとその家族のことを調べている地区リーダーに警察官が語ったところでは、「マジョックは娘を含む家族がナクラにいる。その娘の結婚式があるはずだった」という。

今年この川で悲劇的な死亡事故が起きたのは、これで二度目になる。雨期になると、この川を渡ろうとする人はもちろんのこと、商品や支給品まで、しょっちゅう危険な目に遭う。この地域には高速道路が一本しか通っていない。政府の関係部署のさらなる介入が何としても必要である。


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