Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2019年7月号 カクマキャンプの水不足

2020年06月17日 | カクマタウンとケニア
KANEREスタッフ

カクマ難民キャンプでは1月から水不足に見舞われている。キャンプの住民たちは、朝になったら地域で共有している水道栓で水を汲めるように、石油缶を持って真夜中から行列を作る事態になっている。乾季にはいつも水不足が起きるが、現在の水不足はより深刻な状態だ。

水不足は多くの難民にとって負担が大きく、水道栓での混乱やもめごとが日常茶飯事になっている。さらに女性や子供たちは別の地域の水道栓まで水を取りに行くため普段より長い距離を通わなくてはならず、身の危険が伴う。

この水不足問題の要因の一つは住人が過密状態になっていることだ。1990年代にこのキャンプが設立された当時、住民は最大7万人程度と想定されていたが、2018年には人口がこの二倍以上の、17万人近くになっている。

カクマ1のように人口密度が高い場所では、水不足が原因で、エチオピア人とソマリア人の間で争いを起きることもある。彼らは共有の水道栓を使っていて、ストレスや不満が蓄積しているのだ。

UNHCRの方針では、1日の水の使用料は1人20リットルが限度とされている。しかしトゥルカナ地域は砂埃や暑さがひどく、飲み水や洗濯、食器洗い、入浴、調理にもっと多くの水を必要とすることが多い。

現在1日2回、水が支給されている。午前7時から9時の間にまず1回目、そして正午から午後2時の間にもう1回だ。ソマリア人女性のハリマさんはこう語る。「もし朝の支給時間に間に合わないと、昼の支給時間に行くのはとても難しいのです。今でも私たちは水を販売している女性たちから購入できていません」

エチオピアブロック10のリーダー、カスさんは、別のコミュニティから水道栓にくる人々に水を支給しなくてはならないのは負担だとこぼす。「私たちは今までになくごく少量の水しか受け取れません。それにもかかわらず別の地区から私たちの水道に来る人たちにも分けろと言うのですか?」


【写真】3月から5月にかけての水不足で、住人の苦痛が増大している 撮影:KANERE

水の分配の取り扱いは、2015年にルーテル世界連盟(LWF)からノルウェー難民評議会(NRC)が引き継ぎ、今に至っている。ルウェー難民評議会によると、水をポンプで汲み上げるための燃料費は高額だが、1日6~7時間稼働するソーラーポンプを使用することで、ディーゼル発電機作動にかかる費用の約40パーセントを削減できる。

それでもなお、難民たちは水不足に見舞われている。中には非公式の商人から20リットルあたり30~50ケニアシリング(日本円で30~50円)で買うことを余儀なくされている人もいる。

トゥルカナ地方の降水量は非常に少ないが、不安定で予測できないこともあり、年間降水量は毎年120ミリから500ミリまでと大きく変化する。4児の母でもある52歳のマリム・アデンさんによれば、現在の水不足は2019年の1月の乾季から続いていると言う。

UNHCRとNRCは両者とも現在の水不足の危機にどのように対処するかまだ示していない。

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