Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2010-11年冬号  新たな形の暴力がキャンプにも

2011年04月03日 | 最新ニュース

2010年の11月から12月にかけて、殺人事件が何件か起きた。2010年の終わりにかけ、新しい形の暴力がキャンプに芽生えたと考える人もいる。キャンプ近くで死体が発見された直後、鋭利な物によると思われる深い傷を負った男性がキャンプの大病院に運ばれた。その2日後、別の男性がキャンプのホテルで何者かに襲われ、身体の形が分からなくなるほど無残に殺された。別の事件では、ソマリ人の母親が家宅侵入され、カクマ・ミッション病院に運びこむ前に殺された。周囲の難民たちは、銃声で目が覚めたという。 

最初の事件について、病院の情報によると、何者かに刺殺された遺体がキャンプ近くの林に隠されていたという。11月10日、焚き木拾いに来た地元の少女たちが遺体を発見した。近くを通りかかった難民が少女たちに呼び止められ、警備員に通報、警察が呼ばれ、遺体は大病院に運ばれた。 

その二日後に起きた別の事件では、若い男性が同じコミュニティーの人間に刺され、肋骨の左側に深い傷を負った。この男性はカクマ1のソマリア人コミュニティーに住んでいる。コミュニティーの代表らによれば、ふたりの男性には長い間、確執があり、これが原因のようだ。代表や住民たちは、いさかいも対話で解決すべきだと言う。こうした暴力はコミュニティーの皆を巻き込んでしまうからだ。「けんかしたからって、友達を殺すなんて許せません」と、コミュニティーの代表は言う。「ここの青年たちは、ポケットにナイフを持ち歩いています」 

2010年12月7日、またも暴力が勃発。ホテル・フランコという有名なエチオピア料理店で、国際救済委員会職員のスーダン人男性が手を洗っている最中に襲われた。料理店の職員によれば、容疑者である年老いた男性は、自分の妻とこの男性が性的関係を持ったと疑っていたそうだ。この職員は、飛行機でナイロビに運ばれ、治療を受けた。翌日、カクマに現れたケニアの警察官に取材したところ、容疑者は2010年12月7日の夜、裁判に欠けられたと言う。 

また2010年12月12日の午前零時、カクマ1ゾーン1の第6ブロックに住む年老いたソマリア人女性が、何者かに襲われ、刃物で刺され、体中に傷を負った。近隣に住む人によると、容疑者らは彼女の息子を殺害するつもりだったが、彼女が息子をかばったためだと言う。息子は家から逃げ、近隣の人に事件を告げたあと、容疑者たちの弾丸をかわして逃亡した。 

キャンプにはGSU(ケニア警察一般サービス隊)やAP(行政警察)があるにもかかわらず、難民たちは暴力を恐れて拳銃や鋭利な武器を持ち歩いている。 

こうした暴力事件は報告されることもない。年末は、特にそうだ。警察が容疑者を逮捕しようとしても、地元の醸造所が容疑者をかくまっているのではないかという話しもある。一方、コミュニティーが協力して容疑者が捕まったとしても、多くの場合、ケニア警察は数日で釈放してしまう。その結果、さらなる危険が生まれ、逮捕に協力したコミュニティーの人々は恐怖の中で生きなければならない。



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