Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2014年3月号 カクマ1の殺人現場

2014年08月19日 | 最新ニュース
難民の子供を刺し殺したトゥルカナ出身の男が、群衆に殺された。

2月19日の水曜日の夕方、地元トゥルカナの男が、殺意を持って11歳の小学生をナイフで刺し、少年はその場で死んだ。ナベク村出身のロミニット・アプアと確認された地元の男は、その後、捕まえられて、ディディンガ・コミュニティーの怒れる群衆に殴り殺された。

事件は、カクマ1ゾーン2ブロック2で午後の5時ころに起こった。健全な心の持ち主であったはずのロミニットが、南スーダンのロトゥコ出身の少年ベン・ロティキの後頭部を、剃刀のように鋭い短剣で刺したのだ。少年は、カクマキャンプのジャベル・マラ小学校に通っていたと学校関係者が認めている。「少年は、2年西組にいた我が校の生徒です。事件は学校の敷地の外で起こりました。とても悲しい出来事です」 学校の管理者は話した。管理者によると、ベン・ロティキ君の4人の同級生が、殺人事件の目撃調書を作成するために警察に連れて行かれた。


【写真】 殺人現場

匿名希望の目撃者の話では、トゥルカナの加害者は、一見したところ正常に見えたが、ゆっくりと少年を捕まえてナイフで頭部を刺し、少年は難民病院に運ばれたが死亡した。「私はその時、現場にいました。騒々しく、酔っ払った人々で混みあっていたんです。少年は鋭いナイフで刺されて死にました」 ロトゥコ出身の女性は語った。

ほんの一瞬の間に、とてつもない緊張がはしった。ブロックの住民100人以上が、少年が殺された現場に駆け付けた。難民と地元グループとの間で衝突が起きたが、当初は、現場に駆け付けた人々には状況がよく呑み込めなかった。他の目撃者の話では、地元の保安員が警察と救急車を呼んでいる間に、少年は死んだという。少年が出血多量で死んだことを知って、ロトゥコ出身ディディンガ・コミュニティーの住民は怒りにかられ、復讐を叫び出した。 

「初めは、少年の親もブロック住民も地元の残忍な悪者に危害を加える意図はなかったのですが、少年が死んだということを知り、復讐を決意したのです」とブロックの住民が匿名で話した。 ロミニット・アプアは逃げようとしたものの、直ぐに捕まり、たたかれた。ロミニットは逃げ去ったが、自分の村から1kmくらい手前で捕まったと言う者もいる。その後、難民たちと地元住民の間の緊が次第に高まり、双方とも平静さを失っていった。しかし、ケニア警察が間に立ち、その週の終わりまでパトロールを続けた結果、事態は終息に向かった。

カクマ1ゾーン1ブロック2近辺は、キャンプが設立された当初から、違法醸造酒販売や各種薬物乱用が日常的なことで悪名高い地域だ。この2月だけでも、地元住民も含め30人以上の人が、違法醸造酒所持によるアルコール規制法違反の罪で、カクマ予審法廷に告発されている。(「警察が違法な醸造酒を摘発」の記事を参照のこと)

ベン・ロティキは、両親を南スーダンの戦争で亡くした戦争孤児だった。少年はその後親戚に引き取られていた。後にスザンナと判明したその親戚は、その日は、傷心のあまりKANEREのインタビューに答えられなかった。その後、スザンナは「私の息子が、人生が始まったばかりの年で死んでしまって、悲しくてなりません」と涙ながらに話した。


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