Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2019年7月号 オートバイ運転手、強盗に襲われ死亡

2020年06月17日 | 和平と治安
KANEREスタッフライター

2019年1月14日、オートバイタクシーの運転手をしていた男性が殺害された。事件が起きたのは、カロベイエイ居住区とカクマ4エリアを結ぶ道路。死亡したのはブルンジ国籍のアデリン・ンケシマアさんで、UNHCRの保護下に登録されている難民だった。アデリンさんは2016年に治安が不安定な母国から逃れてきて以来、カクマ難民キャンプのカクマ3ゾーン1ブロック6で暮らしていた。36歳で3児の父だった。以前はキャンプ内でオートバイを所有する人のドライバーとして働いていたそうだ。その後、カロベイエイとカクマの間で食料品や非食料品の取引を始めたという。近くに住む人がKANEREに話したところによると「カロベイエイで電子マネーの支援金バンバチャクラが支給されると食料品を購入し、それらをカクマに運んでは他のものと交換していた」という。

KANEREの取材に、兄のブラザンさんは死亡したアデリンさんについて、次のように話した。「アデリンは1月14日、前の週に買ったばかりのTVS 155CCモデルのオートバイに乗って家を出ていった。いつもと変わらず仕事を探していたはずで、昼食と夕食にも戻って来なかった。時間が経つにつれ心配になり、彼の携帯に電話をしたが、繋がらなかった。アデリンとともに働く友人たちにも電話をしたが、誰も彼を見かけていなかった。そんなことをしているうちに、彼が消息を絶ってから4日が経ってしまった。」ブラザンさんは涙をこらえながら「私たちも自ら彼を探しに出たし、ケニア警察にも報告をした。彼が事故にあった可能性も考えて病院にも行ってみたが、見つけることができなかった」と続けた。

アデリンさんと一緒に働いていたアンダーソンさんは次のように述べている。「4日目の1月17日(木)には、アデリンのコミュニティにいるオートバイタクシーの運転手たちでカクマとカロベイエイの間を隈なく捜索した。彼らは主要な道路や小道、その他抜け道など、オートバイタクシーの運転手が利用する可能性がある道という道を探してまわった」


【写真】犯行現場:引き裂かれて運転手の服が干上がった川床で発見された。ここが犯行現場とみられる

アデリンさんの遺体が砂の下で見つかったことから、彼は殺され襲撃者たちにより埋められたと思われる。妻のエヴァニチャルマさんはこう話す。「彼は素晴らしい夫であした。働き者で、ひたむきで。2つや3つの仕事を同時にこなしてしまうような人。どんな時も前を向いて、私たち家族の生活が少しでも良くなるように努力してくれる人。彼に起きたことを知って、つらいです。犯人たちが見つかることを信じています。」

「私たちがアデリンを見つけた時、目も脳もほとんどつぶれていました。彼の新しいバイクの行方はまったくわかっていません」とアデリンさんの近親者の一人が説明してくれた。

家族も友人たちも、被害者の男性はキャンプの中で敵を作るようなことはなかったと言う。「誰も逮捕されていないのだから、どこの誰によって殺されたのかを知るすべもないんだ。」とアンダーソンさんは振り返る。

本件は、コミュニティの人々に大きな衝撃を与えた。殺人事件は、最近増加傾向にある。他にも、4月にはコンゴ人のオートバイタクシーの運転手と南スーダンの女性が殺害されている。コンゴ人運転手の遺体は、カロベイエイのヴィレッジ3に近い高速道路の橋梁下付近で翌日発見された。どちらの襲撃も夕方の6時から7時の時間帯に、カロベイエイのヴィレッジコンパウンド4ネイバーフッド18とカクマ4ブロック8との間の同じエリアで発生している。


【写真】125CCのバイクは難民キャンプに潜む武装強盗のターゲットになりやすい

カクマとカロベイエイの警察が捜査に乗り出したが、事件に関与した人物の逮捕には至っていない。

KANEREの記者は担当の捜査官に匿名取材を試みたが、捜査中の事案を理由に公式発表はできないと言われた。

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