DICが撤退を決めた液晶材料
DICは25日、液晶材料事業から2024年12月末までに撤退すると発表した。日本と中国で生産を順次止める。
保有する関連の知的財産は中国同業に譲渡する。撤退に伴う費用や知財の譲渡による特別利益が発生し、業績への影響は「精査中」とした。
薄型テレビの液晶パネルなどに使われる液晶材料から撤退する。中国子会社の工場が主力の製造拠点だが、埼玉工場でも一部を生産していた。
関連の知的財産は中国の競合メーカーと譲渡契約を結び、売却する。中国の生産設備などは現地の化学メーカーへの売却を検討する。
同社は1973年から同事業を手掛けてきた。2010年代前半までは技術的優位性があったが、中国の後発勢が台頭し足元では価格競争が激しくなっていた。
不採算事業から撤退し、ヘルスケア領域や蓄電池材料など競争力のある分野に投資を傾ける。