ブラックロックのCMにクルックス容疑者が出演していた=CMの一部を掲載した米紙ニューヨーク
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【ニューヨーク=伴百江】
トランプ前大統領が演説中に襲撃された事件を受け、大手金融機関のトップが相次いで事件を非難する声明を発表した。資産運用会社最大手ブラックロックは2年前に制作したテレビ広告に容疑者が出演していたことが明らかになり、動画を捜査当局に提出するなどの対応に追われている。
米銀大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「民主主義を弱体化させ、危害を加えようとする憎悪、脅迫、暴力行為に対して、共に断固として立ち向かわなければならない。
この国の最も困難な課題に取り組むことができるのは建設的な対話を通じてのみだ」とする声明を社員向けに発信した。
シティグループのジェーン・フレーザーCEOも「政治的暴力は我々が大切にしてきた民主主義のプロセスを損なうもの」と非難した。
米著名アクティビスト投資家で大手ヘッジファンド創業者のビル・アックマン氏はX(旧ツイッター)で、銃撃事件をきっかけにトランプ氏を大統領選で支持することを表明した。「トランプ氏支持の根拠を『長文』の投稿で説明する予定だった」ところ、銃撃事件で支持表明を急いだという。
ブラックロックでは2022年に制作した宣伝用動画でペンシルベニア州の公立高校の教師をドキュメンタリータッチで取り上げた際に、銃撃事件の犯人とみられるトーマス・マシュー・クルックス容疑者が生徒の一人として出演していたことが明らかになった。
同社では宣伝動画の配信を取りやめると同時に、動画を証拠物件として捜査当局に提出したと説明した。

アメリカのトランプ前大統領が2024年7月13日、東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃を受け、右耳を負傷しました。銃撃の詳細や米大統領選への影響など最新のニュースをお届けします。