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ブリュッセル=辻隆史】
欧州連合（EU）のフォンデアライエン欧州委員長は29日、トランプ米政権下で米国を離れようとする研究者を念頭に、欧州への移住を支援する政策を検討すると表明した。
EU域内に呼び込み、技術革新の好機としたい考えを示した。
EUの立法機関、欧州議会の最大政党である欧州人民党（EPP）の会合で演説した。
「私たちの大学での議論は歓迎され、科学と研究の自由は尊重される。卓越性と技術革新が花開く土壌だからだ」と述べた。
「Choose Europe（欧州を選んで）」と銘打ち、米国などの研究者がEU域内の大学や機関を選ぶよう新たな施策を欧州委員会が提案すると明かした。
欧州メディアによると、博士課程の学生やポスドク（博士研究員）が欧州で研究するのをEU予算で資金支援する案がある。
トランプ政権は多様性プログラムや反ユダヤ主義への対応を口実に、大学への介入姿勢を強める。
研究機関では気候変動や宇宙、健康・医療分野などで予算の削減が進む。こうした環境に嫌気がさした研究者が海外に渡る事例が増え始めている。
英科学誌ネイチャーは3月、米研究者1600人以上を対象に実施した調査で、トランプ政権を理由に「米国を離れることを検討している」と回答した割合は75%に上ったと発表した。
若手の研究者に特に移動を検討する傾向があったという。
カナダなどすでに在米の研究者を受け入れようと動く国が出てきた。
優秀な研究者の招致をめざしてきた国や地域にとっては好機に映る。フォンデアライエン氏は演説で「欧州を再び技術革新の本拠地にする」と強調した。
フランスも近く独自の施策を発表する予定だ。EUや加盟国による呼び込みが本格化すれば、米国からの頭脳流出に拍車がかかる可能性がある。
- 欧州委員会の役割と機能について教えてください
- 欧州人民党(EPP)の概要と目的を教えてください
- トランプ政権下での研究者流出の背景について教えてください
- 科学と研究の自由の重要性について教えてください
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
日本も当然チャンスだと思います。まず、いつビザを取り消されるか分からない外国籍の博士課程学生や若手研究者がいるでしょうし、奨学金を取り消された学生もたくさんいるはずです（個人的に奨学金を取り消された日本人が周囲に何人もいますので、世界的に見ればすごい数のはずです）。さらに職を奪われた研究者もいますから、日本のソフトパワー向上にまたとないチャンスだと思います。
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仏マクロン大統領は今月初め、Choose France for Scienceというプラットフォームを発表しました。これは健康、気候変動などを専門とする海外の研究者たち受け入れを促進するプロジェクトで、研究のための資金供与も含まれます。
このように、欧州各国は米国人研究者たちに様々な形で手を差し伸べていますが、これは学問の自由を擁護しようという意思表明でもあります。加えて、米国の優秀な頭脳を獲得することもできます。優秀な人材は国力を支える大きな要素でもありますので、このようにして米国で頭脳流出が進めば、米国のパワーへの打撃は不可避ではないでしょうか。
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第二次世界大戦のとき、ナチスの迫害を逃れるために、ユダヤ人科学者はアメリカへ亡命した。
今、トランプ政権への不満を理由に、科学者はヨーロッパへ「亡命」。まるで皮肉なことである。マーケットはトランプにノーといっている。世界もトランプにノーといっている。アメリカは再び偉大な国になれるのだろうか。このままでは、アメリカは孤立する可能性が高い
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2025年EPP会議におけるフォン・デア・ライエン委員長の演説
親愛なるマンフレッド、
親愛なるEPPファミリー、
今日ここにいられるのは素晴らしいことです。アルベルト・フェイジョウの素晴らしいおもてなしに感謝します。皆さんは、この本当に重要な時期に、この素晴らしい会議を組織しました。
昨日の出来事について一言お話しさせてください。昨日、スペインとポルトガル、そしてフランスの一部で、前例のない停電が発生しました。私は、この最も困難な停電の真っ只中に彼らが示した落ち着きと礼儀正しさを称賛したいと思います。
彼らは、突然家に帰れなくなった人々に対して、集団的な責任と連帯を示しました。そして、特に警察、消防士、交通管制官に感謝したいと思います。
すべての国で、彼らは市民を保護し、秩序を維持するために大きな圧力の下で働いてきました。'Gracias e obrigada a todos.'
このEPP議会は友人の再会であり、特に私の親愛なる友人であるマンフレッドに敬意を表したいと思います。あなたは卓越したリーダーシップで知られています。昨年の夏、
皆さんと一緒に選挙遊説に出かけることができて光栄でした。そして、私たちが一緒に達成したことを見てください:私たちはヨーロッパの選挙で圧倒的な勝利を収めました。
私たちは欧州議会で群を抜いて最大のグループです。ロベルタのリーダーシップは、彼女にふさわしい2回目の任期を勝ち取りました。
また、欧州委員会には過去最大のEPPチームの1つがあります。そして、ここにたくさんの皆さんにお会いできてうれしいです。親愛なるマンフレッド、あなたはEPPを強くしました、そして強いEPPは強いヨーロッパを意味します。ですから、EPPの会長として次の任期に向けて私たちを導くために、私は全面的に支持しています。
また、ドロールズ・モントセラト氏を事務総長候補として選んでくださったことに感謝いたします。親愛なるドロールズ、あなたが行うすべてのことに多くの情熱を注いでくれてありがとう。
あなたは私たちの党の最初の女性事務総長になるのに最適な選択であり、私が「他の政党はジェンダーバランスについて話し、私たちはそれを実現する」と言うとき、ロベルタは同意すると思います。
親愛なる友人たちへ、
ちょうど1年ほど前、私はブカレストで皆さんの前に立ち、皆様のご支援をお願いしました。
父の教訓、つまりヨーロッパは単なる市場ではないという教訓を皆さんと共有したことを覚えています。それは単なる機関の集まりではありません。
ヨーロッパは単なる連合ではなく、ヨーロッパは私たちの故郷であり、私たちの最初の使命は、私たち全員が故郷と呼ぶ場所を守ることです。それは繁栄についてです。それはセキュリティについてです。それは民主主義についてです。
これは、私たちEPPがヨーロッパの人々に約束したことです。そして、彼らは私たちにこの約束を果たすように託しました。なぜなら、彼らはEPPのリーダーシップが何を達成できるかを知っているからです。
ポーランドのドナルド・トゥスクからギリシャのキリアコス・ミツォタキスまで、フィンランドのペッテリ・オルポからクロアチアのアンドレイ・プレンコヴィッチまで、キプロスのニコス・クリストドゥリデスからスウェーデンのウルフ・クリステションまで、ポルトガルのルイス・モンテネグロからルクセンブルクのリュック・フリーデンまで、ラトビアのエヴィカ・シリニャからオーストリアのクリスチャン・シュトッカーまで、ブルガリアのロッセン・イェリアスコフからルーマニアのイリエ・ボロヤンまで、 そして数日後には、ドイツのフリードリヒ・メルツが参加します。
ここにいる皆さんは、大臣から市長まで、欧州議会から地方政府まで、単純な真実をご存知でしょう。友人たちよ、私たちはこの責任を引き受けるつもりです。EPPはリーダーシップを意味し、私たちはあらゆるレベルでヨーロッパに貢献します。
友よ、昨年の私たちの勝利は、皆さん全員のものです。しかし、投票日は決してゴールではなく、全力で取り組む瞬間であり、これが私たちが初日から行ってきたことです。困難な時代にあっても、当たり前のことは何もありません。
何十年にもわたって、自由貿易は世界の繁栄の原動力であり、何十億もの人々を貧困から救い出し、ヨーロッパの何百万人もの家族の生活を維持してきました。
現在、米国（トランプ）政権の予測不可能な関税政策により、世界市場は揺らいでいます。世界の他の地域に対するアメリカの関税は、この一世紀で最高だ。IMFは先週、厳しい警告を発した。
関税は税金のようなもので、消費者やビジネスに打撃を与え、メインストリートだけでなくウォール街にも影響を与えます。何百万人もの市民が食料品代の上昇に直面し、医薬品のコストが上がり、交通費がかさみ、インフレが上昇するなど、特に最も弱い立場にある市民が苦しんでいます。
大小のビジネスは、初日から苦しんでいます。不確実性の増大、サプライチェーンの混乱、厄介な官僚主義、私たちはこれを許すことはできませんし、許してはなりません。
われわれは、自由市場、ウィン・ウィン貿易、自由で公正な貿易の投資パートナーシップというわれわれの特徴である政策を倍増させなければならない。
しかし、どの危機にもチャンスはあります。私たちの単一市場は、世界に対する開放性が米国や中国よりもはるかに大きいため、世界最大の市場であるだけでなく、GDPへの輸出でも世界チャンピオンです。
私たちの会社はグローバル市場を必要としています。この危機の瞬間に、ヨーロッパが信頼でき、予測可能であることは報われます。
私たちはすでに世界76カ国と最大の自由貿易協定のネットワークを持っていますが、今、貿易の世界は私たちに向けられています。昨年以来、メルコスールからメキシコ、スイスに至るまで、新たな貿易協定を締結しました。
私たちは、インドとインドネシア、首長国連邦とタイ、フィリピンとマレーシア、そして太平洋地域と協力しています。彼らは皆、私たちが公正で信頼でき、ルールに従って行動しているため、私たちに対処したいと思っています。だから、冷静に、団結して、コースを歩み続けましょう、それが私たちなのですから。それがヨーロッパの貿易方法です。
しかし、私たちの繁栄の鍵は、私たちの家を整頓し、ここヨーロッパでビジネスを容易にすることです。私たちの単一市場は、ヨーロッパのビジネスにとって安全な港であり、彼らが世界市場に出航する前に強く成長できる場所です。しかし、単一市場の活力は、あまりにも多くの国家的障壁、分断化、官僚主義によって妨げられています。
だからこそ、今では有名なオムニバスを導入し、簡素化とスピードアップを実現しています。今、私たちにはたくさんのチャンスがありますが、それを掴まなければなりません。ヨーロッパの単一市場でのスケールアップを望んでいるデジタルスタートアップを例にとってみましょう。
1つのルールに対処するのではなく、デジタルネットワークで活動している270以上の規制当局が全加盟国で対応しています。この断片化が、私たちが遅れをとっている主な要因です。もし我々がEU内部の貿易上の障害をすべて取り除けば、GDPを10%も押し上げることができるでしょう。
だから、私の友人たち、鎖を断ち切る時が来ました。ヨーロッパはイノベーションの発祥地であり、ヨーロッパのイノベーションを解放し、ヨーロッパの起業家精神を再び高めましょう。
今こそ、私たちの強みと価値観のために立ち上がる時です。
我々は隣国を侵略せず、彼らを罰しない。それどころか、絶対に欧州連合のメンバーになりたいと思っている12か国、つまり約1億5000万人がいます。
ヨーロッパでは、子供たちは親の収入とは無関係に良い学校に行くことができます。私たちの大学での物議を醸す議論は大歓迎です。
私たちは、科学と研究の自由を基本と考えていますが、それはそれが私たちにとってのコアバリューであるだけでなく、それが卓越性とイノベーションが繁栄する方法でもあるからです。だからこそ、ヨーロッパは最も優秀で優秀な人々に開かれているのです。
だからこそ、私たちは彼らが「ヨーロッパを選ぶ」ための提案をします。なぜなら、世界中の科学者や研究者がヨーロッパを自分たちの故郷にし、ヨーロッパを再びイノベーションの故郷にすることを望んでいるからです。
親愛なる友人たちへ、
私たちは、ヨーロッパの人々にとって重要なことを、引き続き実現していかなければなりません。食料安全保障は私たちの全体的な安全保障の鍵であり、私たちは毎日質の高い食料を提供してくれる農家に常に感謝しなければなりません。
彼らは私たちの土地と私たちの最も古い伝統の管理者ですが、彼らの仕事は戦略的にも重要な重要性を持っているため、彼らの努力は報われる必要があります。農家は、自分たちが生産する食品に対して公正な収入を得る権利があり、世界の競争相手と公平な競争の場を得る権利があります。昨年のブカレストでは、より良いインセンティブ、自然保護に対するより良い報酬、そして管理上の負担を大幅に減らすことを議論しましたが、今ではそれを成し遂げています。
そして当初から、私は移民がヨーロッパ共通の課題であり、ヨーロッパ共通の解決策が必要であることを強調してきました。私たちは2つの戦略に従っています。
まず、不法入国の数を管理しなければなりません。移住が私たちのコミュニティが追いつくことができるよりも速いペースで起こらないことが重要です。私たちは、過去に行ってきた、そして明日も、国際的な義務を果たします。しかし、誰がどのような状況でヨーロッパに来るかを決めるのは、密輸業者や密輸業者ではなく、私たちヨーロッパ人です。今年に入ってから、違法な国境越えは30%減少しています。これは、南の隣国との私たちの関与が成果を上げていることを示しており、私たちはこの取り組みを継続します。
第二に、移民協定を実施しなければなりません。私たちは、家を整理整頓するのに役立つ新しい法律体系を持っています。これに焦点を当てましょう。そして、リターンについてはより良い結果が必要です。亡命決定が否定的だった人のうち、実際にヨーロッパを出国するのは20%だけというわけにはいきません。これはあまりにも低く、市民に説明することはできません。私たちはもっとうまくやらなければなりません、
そしてこれが先月、私たちが新しい法律を提案した理由です。不法移民に対して厳しい態度をとることで、ヨーロッパは常により多くの才能とスキルに対して開かれているべきであり、切望されている労働力移民への道を開くことができるのです。
親愛なる友人たちへ、
欧州の安全保障は、自国の防衛により多くの努力を払うことも意味します。ロシアの脅威がなくなることはなく、アメリカの焦点がますます他の地域に移ることを私たちは知っています。
ですから、ヨーロッパの平和が、我々自身の防衛に対して、より大きな責任を取ることを要求することは間違いありません。すでにブカレストでの会議で、私たちは防衛産業の能力を加速することについて話し合いました。
しかし、1年という短い期間で、私たちがどれだけのことを成し遂げるのか、誰も想像できませんでした。
私たちの共通の防衛のために、最大8000億ユーロの投資を行います。乗船している27の加盟国すべて。ノルウェーと、そしてまもなく英国との新しい防衛パートナーシップ。私たちは、数十年よりも1年でヨーロッパの防衛のためにより多くのことを成し遂げました。EPPは常に欧州防衛の党であり、今日、私たちは欧州防衛連合を実現する党です。
これはデ・ガスペリ、シューマン、アデナウアーの夢でしたが、今、彼らの夢が現実のものとなっています。そして、ヨーロッパの人々は大いに賛成しています。
しかし、極左と極右は常にこの考えに反対しており、今再び、周辺から、このヨーロッパの覚醒をボイコットしようとしている人々もいます。彼らは、ロシアは脅威ではなく、ヨーロッパは答えではないと言っている。
ですから、はっきりさせておきたいのは、強いヨーロッパだけが、私たちの大陸の平和を守ることができるということです。極左と極右は平和を支持しているのではなく、ただの親プーチンなのです。
そして、プーチンがどのように交渉するかを、私たちは皆見てきました。ちょうど2週間前の枝の主日に、プーチンは教会に行く人々に弾道ミサイルを発射した。
彼は、自分が信用できない、そして思いとどまらせるしかないことを、何度も証明してきた。公正で永続的な平和のために、私たちはウクライナを支持し続け、より多くの軍事的および財政的支援を行い、ロシアに対してより多くの圧力をかけ、そしてもちろん、ウクライナが私たちの連合に参加するための明確な道筋を持っていなければなりません。
ウクライナに対する私たちのメッセージは明確です:あなたの自由は私たちの自由です。お客様のセキュリティは当社のセキュリティです。そして、あなたの未来は私たちの連合の中にあります。
親愛なる友人たちへ、
私たちEPPは、民主的なヨーロッパを支持し、そこでは人々が決定し、彼らの未来の主人です。これは、1976年にEPPが誕生して以来、私たちの道しるべとなっています。50年前、来年。その時、私たちの創設者は力を合わせて、最初のEPPマニフェストを打ち出しました。
そのタイトルは「自由な人々のヨーロッパのために、共に」でした。これは、半世紀にわたって私たちを導いてきた願望であり、今日も私たちを導いてくれるに違いありません。
自由な人々のヨーロッパ、私たちの道を自由に選択し、恐怖と抑圧から解放され、私たちのヨーロッパの家を自由に形作るヨーロッパ。それがEPPの魂です。
それは私たちの最初のモットーであり、それは私たちの使命であり、道徳的義務であり続けます。
欧州人民党万歳。そして、ヨーロッパ万歳。
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ヨーロッパでは、科学と研究の自由が基本であると考えています。
なぜなら、これが卓越性と革新が繁栄する方法だからです。
ヨーロッパは、現在も、そしてこれからも、最も優秀な人々に開かれ続けます。
ですから、私たちは彼らが「ヨーロッパを選ぶ」のを助けるための提案をします。
私たちは、世界中の科学者や研究者がヨーロッパを自分たちの故郷にすることを望んでいます。