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夫はグロサリーストアやコンビニ(日本とは別物のようなアメリカのコンビニエンス・ストアだが)の店員さん、ガスステイション、(金曜日のデートナイトで)行きつけのレストランのウエイター、かかりつけの医師オフィスの受付や看護師さん、行きつけのメカニック、そんな方々に、よく名前を知られていて、夫もその方々もファースト・ネームでの挨拶は欠かさない。私がよく行く布地・クラフト用品店のキャッシャーにまでそうである。それは彼がクレイマーではなく、いつも笑顔で挨拶を欠かさず、まず名札を見てそのお名前を憶えて、次回からは必ず「やあ、ケヴン、元気?」と言う具合に。愛想がいいと言えば、いいわけである。
私は、メカニックがショップで愛犬と一緒に働いていると、むしろその愛犬と友達になってしまう。メカニックのアロンさんのショップは父親から継いだもので、父親同様アロンさんも非常によく躾られた愛犬をいつも仕事場に連れてきている。父親の時は、チョコレート色のピットブルで、この犬は吠えもせず、車を見てもらっている間、私の傍へやってきて、遊んでくれた。息子のアロンさんは、やはり同系色のボクサーの愛犬で、これまた人懐こくて、行くといつも自分の玩具を持ってきて、私にくれる。この父親と息子は、働く人には便利な午後遅くから深夜近くまで営業しているから、番犬として愛犬も一緒にショップにくるのだ。この二頭はあまりに人懐こく、優しく、可愛いので、本当に護衛してくれるのか、と疑問だったが、荒々しい声や挙動不審だと、繊細に判断して、危険と感じると途端に頼れる番犬になるそうだ。私には心を和ませる可愛い可愛い犬たちである。クリスマスには毎年クリスマスカードにお礼を添えて、ペプシの12パックを届けるが、ドッグビスケットも添えている。
例え職場の誰かがすごく愚かしい質問をし、今耳にした質問は正気で、「マジで」したのか聞き手が確認するのに手間をかけなきゃいけない、そんな同僚でも、思い起こせば、いつかどこかで自分を助けてくれたことがあるかもしれない。
ダンスの好きなスヌーピーは、ひらひらと舞い落ちる葉にも、感謝する。小さなことでも感謝の気持ちがあると、その日一日穏やかに過ごせそうなのは、スヌーピーだけではないはずだ。