ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

捨てたもんじゃない

2024-06-30 | アメリカ事情 人間性


他州にすむある友人は最近カリフォルニア州に遊びに来ていた。ところがこちらに滞在中、家族に緊急事態が起こり、取り急ぎ帰宅するために空港へ向かった。 一刻も争うような事態なのに、TSAを通過するには長い列がすでに続いている。予定便に乗らなければならなかったのに、その列は一向に縮まらず、気がせくばかり。 この時期お年寄りの旅行客が多くいて、ひどい渋滞に巻き込まれたと悟った彼女は焦り始め、ほぼパニック状態に陥り始めていた。

どうしたら良いのか咄嗟に判断ができず、携帯電話で母に泣きながら訴えつつ待っていると、ますます不安が急上昇し、周りの人には彼女が気が狂ったように見えたことだった。

すると前に並んでいた一人の女性が、泣きぬれている彼女を目にし、自分の前に並ぶようにと申し出た。すると、その前に並んでいた人々も続けて彼女を通してくれ始めた。

TSAの検査官たちに彼女は涙と鼻水で顔を濡らしているのを見せてしまったが、不安と焦りにちっとも気にしなかった。彼女の飛行便はTSAを通過してからたった15分後に出発したので、席に座った彼女はやっと大きな安堵感を持った。

危機的な瞬間に彼女を助けてくれた親切な人々とTSA職員に、彼女は心から感謝していると言う。「カリフォルニアに来るたびに、ここの皆さんの親切に驚かされます。」と彼女は言う。そして彼女が速やかに帰宅できるように取り計らってくれた空港の「天使たち」に深く感謝していると、言った。

今時のアメリカで、さらにこのカリフォルニアで実際に起こったなんて、と信じられない気持ちだが、本当に起こり、この話を聞いた私は、そうか、そう捨てたもんじゃないのね、と少し夢見のよい晩だった。
コメント (1)
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