https://www.istockphoto.com
これは、深刻な洪水に巻き込まれる不運に遭ったヨセフと呼ばれた好人物についての物語である。
水は彼の周りに上昇し、すぐに彼の膝丈までに及んだ。彼は上階への階段を昇ったが、水はまだまだ上がってきていた。まもなく水は腰まで上がり、彼は窓を見やり、隣人達はどうしているかと考えた。
そこへボートが通りかかり、乗っている人は「おい、ヨセフ! 私のボートに乗って、安全な所へ行こう」と叫んだ。ヨセフは微笑んで答えた、 「ありがとう、私は神と話し、彼が助けてくれるのを待つよ。君は私よりももっとたいへんな状況にいる人たちにそのボートの空いている場所を譲ってくれたまえ。」 すぐにボートは見えなくなった。
https://www.cbsnews.com
洪水は止まらず、水は上昇し続けた。ヨセフは自宅の屋根の上に昇ることを余儀なくされ、彼は眼下の大惨事を目の当たりにした。ヘリコプターがジョセフの上空を飛び、男がマイクを使ってヨセフにこれから洪水がますます悪化することを伝えた。 彼はヨセフにロープを投げつけて叫んだ。「早く、ヨセフ、まだチャンスがある間に避難せよ!」
それでも、好人物なヨセフは、生涯主に信仰を置いてきていたので、助けの必要な他の人々を探してくれ、と申し出を断った。 「私について心配する必要はありませんよ!」と彼は叫んだ。「私は主に話しました。主は私を死なせません。」
ヘリコプターは飛んでゆき、水位は上がりに上がっていった。そしてとうとうヨセフはこの地上から消え去ったのだった。
https://www.youtube.com/watch?v=j9o_mWIYMvE
先に述べたように、ジョセフは好人物であったので、当然、彼は天国への門へ連れて行かれ、そこで番人の聖ペテロにまみえた。 天国に入ると、両手を広げて歓迎なさる神の許へ連れていかれた。しかし、ヨセフは満ち足りた思いがせず、神に尋ねた。「主よ、私は混乱しています。私は生涯敬虔な信者であり、一度としてあなたがお備えになった道から逸脱したことはありません。 私は死ぬには若すぎたと思うのです。私はお救いください、と祈ったのですが、私の信仰はがっかりするものだったようです。何故主はそんな残酷なことをなさったのです?」
主はお答えになった。「私が汝を失望させた、というのは、どういう意味ですか? 汝を救うために、ボートとヘリコプターを送ったではありませんか。」
*****
私たちはしばしばお互いを助けようとするが、そんな努力は概ね不信や完全な無関心に遭遇するものだ。 相手方には、信ずること自体存在していない。人々を神の言葉に導こうとする時、そして神の人々への計画へ導こうとする時は、特にそうで、しばしば私たちは伝えたいメッセージを伝えることができない。 「あなたは馬を水のある所に導くことができますが、馬にそれを飲ませることはできません。」(イギリスの諺)と言うが、忠実な弟子として、私たちが努力を続けていくことこそが、主の希望であられるのだろう。