膀胱がん  勇気とともに

56歳で、膀胱を埋め尽くす10cmものガンが見つかった夫との日々

腰の激痛

2012-01-11 20:16:51 | 闘病
2012年 1月10日(火)


「スキーの夜
 腰の激痛で、痛み止めを飲んだ」


翌日、会うと開口一番、そう言った。
スキーの夜以外にも
時々、腰が痛いらしい。。。



また、腹部のガスもひどくなっていくと
強い腹痛が起こる、とのこと。

ほとんど言わない夫だけに
かなりの痛みと思われる。


今、彼が抱えている自覚症状は
「寒さ」
「貧血」
「ふらつき」
「頻尿」
「めまい」
「腹部膨満感」
「頻脈」
「動悸」
「便秘」 etc.


「今まで、患者の痛みなんて
 解ってなかったなぁ」
とぽつり。







年末~年始 ラスト?パーティ

2012-01-11 18:53:03 | 普通の日々
2012年 1月9日(祝)


スキー場→温泉から
夕方、夫の実家に到着。
皆で、即パーティの準備にとりかかる。
「寄せ鍋」 「トマト鍋」
どちらも、見たこともないほどの豊富&ゴーカな具材で
びっくり仰天!

とっても美味しかった!

そりゃ、あれだけ入れりゃーね!
「寄せ鍋」も、「トマト鍋」も。

2手に分かれての鍋パーティだったが
途中で、メンバーが入れ替わり
どちらのお鍋もいただいた。


夫もよく食べていたし、よく飲んでいた。
楽しそうだったし、調子も悪くないな
と思った。


みんなと楽しいときを過ごし
明日は外来があるから、と夫は息子と帰って行った。




そのあと、義弟から「彼が抱えている現在の自覚症状は?」
という質問の後
「病気に関するいろいろなことを言ってほしい」という趣旨の
発言があった。




ふと数年前、手遅れの乳がんで逝った友人とのことを思い出した。
私も彼女のサポートをしていた時、同じことを思った。
「苦しみ」や「辛さ」、「不安」
そんな重たい荷物を、一緒に持ちたいから
いろいろ言ってほしい、と。



しかしある日、彼女は
「“次は脳に転移するかも・・・” なんて言うと
 本当にそうなってしまうような気がする。
 だから先々のことは言いたくないねん」と言った。

そして、その日を境に、病気に関しては、ほとんど言わなくなった。
時期を同じくして、とても苦しそうな顔をするようになっていく。

「来たよ~!」
と声を掛けようと、病室に入っていくと
車椅子に座って
じっと手を見つめていた。
もう動かなくなってしまった手を
見つめていた。


そして彼女は、死の3か月前ぐらいから、病状のことは全く言わなくなった。
突然、足が動かなくなったときを最後に
目が見えなくなっても
痛みがひどくなっても
もう何にも言わなかった。





私は、あちこちのおいしいものを探しては
彼女の元に運び、「おいしい、おいしい!」と
喜ぶ彼女の顔を見つめていた。

病気のことには一切触れず
いつもおいしいものを運ぶだけだった。

虚しかった。
彼女の力にはなれないんだなぁ、と思った。

彼女の抱えている「恐怖」はどんなだろう
どんなに孤独だろう
身体中、痛みでどんなに、つらいだろう


「夕焼けがきれい」
「鈴なりの真っ赤な実が、とてもかわいかったよ」
「今日は、風が冷たいねぇ!」
私は自然のことばかり話した。




彼女が逝って
もう何年か経つけど
最近、よく思い出す。

彼女の気持ちは、どんなだったろうか、と。



だから、義弟の思いは、よーくわかった。
でも、誰も代わってあげられない。
結局、自分ひとりで、重たい、つらい思いを
しょってくしかないと・・・



だから、今は明るく夫を支えたい!
そう思っている。
たとえ1時間でも
彼が病気を忘れて、楽しく食事し
歓談できたらいいな



でも、やっはり肉親って、ありがたいね~
心を痛めてくれて
少しでも励まそうと
みんな、笑顔でいてくれる。

「いつでも言ってね、手伝うから
 時間あるから」
と言ってくださる。
ホントにありがたい!


皆さんの温かさに包まれて
彼は、本当に幸せです!