膀胱がん  勇気とともに

56歳で、膀胱を埋め尽くす10cmものガンが見つかった夫との日々

今までの経過

2012-06-26 19:15:36 | 闘病
6月26日(火)

今までの経過を
いろいろ考えてみると
再発して1年1か月過ぎたぐらいから
だんだん追い込まれてきた、と思う。

最良、最強といわれたGC療法の効きが悪くなって
TG療法に変えた辺りから
副作用もキツく
体力、食欲も落ちた。

あまり効果は上がらないのに
副作用ばかり強く
厳しい日々

そんな中、6月に3度目の再発(肺転移)
ふと気がついたら
歩くのも、遅くなり
食事はほとんど進まず
お酒も飲まず
痛みもひどくなり
たくさんの痛み止めを飲んでも
「すっきりせん!」
という状態が続く。


そんなんで、病院で働けるの?
と聞いたら
しんどい時は寝てるんや
半分くらい寝てる、と本人の弁

でも、私が入院したとき見た彼の姿は
きびきびとして、働いていたよ~









シリアスな顔

2012-06-26 18:41:04 | 闘病
6月25日(月)

昨夜、ふとんの中で
自分で触診していた

下腹部の左脇辺りを
何回も触診していた
とてもシリアスな顔で・・・

何かごろん、と触れるのか、、、


怖くて、聞けない
彼も言いたくないだろうし

医者だから
次にきたるべき事態が分かるだろう

いよいよ
追い詰められてきた


来週から放射線を当てることになったらしい



がんが、身体を弱らせていく!

2012-06-26 18:11:34 | 闘病
6月23日(土)

この1週間は、少し良くなったかと思えば
痛みが強い日が多く
辛そうだった

食欲もなく
少し食べたら、ウエストベルトに両手を入れて
ウップ!と苦しそうにしている
食事は、我々の4分の1ぐらいしか食べられない

不思議と、甘いものは入るようで
食後は、デザート、デザートとほしがっている

ちょっと散歩に行っても
ほんとにゆっくりしか歩けなくなった

内外の大きな山に、ガイドまでつけて
登っていたのに、もうゆっくりゆっくりしか
歩けない

7月上旬に予定しているイタリア行き
こんな調子で、治安の悪いイタリアなんかに
行けるのだろうか!

あんなにゆっくりと
大きなスーツケースを持って歩いていたら
犯罪の格好のマトになる
即、狙われ金品を奪われるだろう
心配でならない

私が行った頃より
ずっと治安が悪くなっている、と聞く

なぜイタリアなのか
なぜもっと安全な国に行かないのか
強くそう思うけれど
本人は、たぶん最後の海外旅行
行きそびれたイタリアに行きたいのだろう
そう考えると、反対もできない

一緒に行こうか?
と聞いてみたら、答えは予想通り
1人で、フラっと行くのが、好きなんや

山もいつもそう言って、1人で出かけた



今までは、治療して1週間から10日ほどしたら
副作用から抜けて、元気になった

でも、6月第2週に7回目のTG療法をやってから
もう2週間以上経つのに
ちっとも元気にならない

抗がん剤の副作用で弱る
というパターンから
がんが、身体自体を弱らせていく
という段階に入ったのだろうか・・・







感動して、ぼろぼろ泣く

2012-06-16 22:26:23 | 闘病
2012年 6月16日(土)

昨年の3月
夫が再発したとき
親しくしている放射線科のDrに聞きに行ったら
ポイントは、リンパ腫が頚に飛んでいるかどうか
頚に飛んでいたら、全身に廻っているので予後は悪い
と言われたんだった・・・



結局
腹部大動脈にも
頚部にも
鼠径部にも
飛んでいた



一般論として
抗がん剤は
悪性リンパ腫には、よく効くが
他臓器腫瘤からの転移リンパ腫には
効きにくい、との話も思い出す



あんな激しい副作用にも耐えているのに
がんの勢いは止められない

がんとは
なんと恐ろしい病気なのだろう



1週間ぶりに夫に会った人が
見るたびに、やつれていくネ
と言いにくそうに言った

たしかに頬や額までへこんできた
頭髪がすっかりなくなった後頭部も
へこんでいる

そりゃ、あんなに食べられないんだもの
痩せるはず



今日、スゴいサプライズがあった!
私のミスで、トイレを詰まらせてしまった
2人で、ポンプを買いに行って
初め、私がやっていたが
途中から夫が交代して、シュッポン! シュッポン!


いろいろ工夫して頑張る夫
そのうち、便器に中に両手を突っ込み
ポンプが真空状態になるようやり出した!

ホームセンターで買ったポンプなので
安物なのか、便器面にぴったりと付くはずの
ゴムの部分が、ふにゃふにゃで
なかなか真空にならない


45分以上経過し
夫の腕や、トイレの床も
水が飛び散り、びしょびしょになった

もういいやん!
よく頑張ってくれたわ
もう充分や
止めよう!
と言うけれど
もう一度違うやり方でやってみるわ
と頑張る夫

もう驚いてしまった
うんうん痛みで苦しんでいる人が
この頑張りである!

何とかやってみせる!という一念で
やり続けた1時間弱


ついに、もうおしまい!
ここまで頑張ったから
もういいデス!
と言って、道具を終い
手を洗う

トイレの床が、奮闘でびしょ濡れになったので
ついでにトイレ掃除するわ
と床や棚を拭き掃除し
最後に、ダメモトで
もう一度だけ、流してみた

す、す、すると!
なんと流れたのだ!!
詰まって、全く流れなかったトイレが
渦を巻いて、ぐわ~ん!と流れた!

そのさまは、ほんとに神さまのプレゼントのようで
信じられなく
流れた!! 流れた!!
と言って、夫と抱き合い
喜び合った。

表現できないような感動に包まれ
ぼろぼろ涙が出てきた

夫も、達成感あふれた
輝いた笑顔だった。

本当に、病気を忘れて
夫婦で没頭した1時間だった。



夫婦で必死になってやった、このアクシデント
どう考えても
天からの贈り物だったような気がする








肺転移!

2012-06-16 21:58:03 | 闘病
2012年 6月15日(金)

ついに肺転移した
2012年6月11日(月)に判明
打ち明けられたのは、翌12日

ごめん!というポーズをとりながら
実は、昨日よう言わんかったけど
ちっちゃいの2つ
肺転移してん

骨は大丈夫やねんけど
リンパはな
大きくなってんねん

首のところをさわってみると
鎖骨に沿って、斜めに向かって
三角にべたーっつと広がっていた

腹部大動脈リンパは、依然大きく
一時、化学療法が効いて
姿を消していた鼠径部も
また出てきたらしい




茫然として
ブログ書けず








強い痛み

2012-06-05 21:36:31 | 闘病
2012 6月5日(火)

昨日、久しぶりにTG療法をやってきた。
今年1月に初めてやり始めたTG療法。
1月に入院して、続けて2回やり
4月第1週と2週に1回ずつ
今回は2か月ぶり、5回目となる。


私が入院中している2週間に
夫の痛みは、かなり悪くなっていた。

私が入院中は、病室に毎日2~3回来て
少ししゃべる、という毎日で
体調の悪さは感じさせなかった。

しかし、この頃はもう
痛みは1日中続いていたのだ。

痛みノートをつけるように主治医から
言われたらしく、つけていたが
軽い痛みを1とし
我慢できない最大の痛みを10として
軽い日で、4~6
ひどい日は、4~7
睡眠も、“全く寝られなかった”
という日もあった。

痛む場所は、左腰背骨++ と記載していた。


とにかく1日中痛いようで
麻薬系の薬も飲み出している!
これにはショックを受けた。
もう、そんなに進んでいるのか・・・
麻薬系を使っても、あんなに苦しんでいるのか

薬の説明書を見ると
「軽度から中度の痛みに効く薬」
とあった。

中度までカバーする薬でも
寝られないくらい痛むのか
いったい、彼の身体はどうなっているのだろう・・・
時々、左側の腰あたりを、いたたた、、、
と押さえている。


食欲不振も強く、初めて私の見ている前で
ゲーゲー吐いた。
今まで、食べられないことは多かったが
吐くまではなかった。私の知るかぎり。

でも今日はとても辛そうで
夕食も、ざるそばをちょっとすするだけ。



厳しい

厳しい

日々












抗がん剤治療とは?

2012-06-04 17:05:25 | 闘病
2012年 6月4日(月)

抗がん剤治療について
問題は、薬の効果が
いつまで持続するか、、

再発の場合
薬が効いて
症状は一旦消えても
また出てくる。

そうしたら
また次の抗がん剤を用意する

また症状が出る
それに対しても
また別の抗がん剤を、

という繰り返しで
それを、どのくらい長く
続けることができるかが
治療になる。

やった治療で、症状が消え
それを、どのくらい先まで
延ばすことができるか
少しでも長持ちさせることが目標。

がんの再発は
現在の医学では
治すのが難しい。

画像検査では
がんが消えていても
では、治ったのかというと
治る、という定義は
非常に難しい。

体の中に1個のがん細胞も
なくなることを
『がんが治った』と定義するならば
それを証明することは
誰にもできない。

例えば、再発後10年以上
元気にしている人がいて
医師は、どこかで抗がん剤を
止めてみたい誘惑にかられる。

しかし、それはチャレンジになる。
抗がん剤を止めて
もし症状がぶりかえしたら
今度も、前のように
よくなるか、といえば
なかなかそうはいかない。

がんは、火山に似ている。
火山には、活火山、休火山
死火山とあって
がんの治療が目指すのは
活火山を休火山に
もっていくこと!

死火山にするのは
なかなか難しいし
死火山になったと
証明することも
たぶん不可能だ。

だから、富士山のように
何百年も噴火しない
休火山にするのが
再発した、がん治療の
理想である。

聖路加国際病院
健康講座
<乳がん>より引用





もう治らへんのや!!

2012-06-04 07:54:12 | 闘病
2012年 6月4日(月)

昨日、突然叫んだ




僕は

もう

治らへんのや!



リンパも

小さくならへんし

ハラは痛いし

もう治らへん!


もう
治らないんや!!





絶句して
言葉が出なかった
茫然として
くらくらした



階下に下りて
気を取り直し


そんなこと ないよ
みんなで、がんばろ

きっと
また
よくなるよ



と言うと

蚊の鳴くような声で

うん

と言った









僕のこと、考えてみ?

2012-06-03 06:31:32 | わたしの病気
2012年 6月3日(日)

昨夜、また発熱した。
喉もかなり痛く
鏡で見てみたら
凄く赤い!
横にはべラーク(白い炎症痕)が
べったり付いている。

頭痛もするし
お腹は痛んで緩むし
こんなに、12日間も
朝晩、抗生剤をして頑張ったのに
なぜ、まだ症状が出るのだろう
と、うんざりしてきた。

夫に電話すると
病気は、一歩前進
二歩後退のときもあるわぃな
免疫が落ちているから
またタイプの違う風邪でも
ひいたんやろう
うがいでもして、消炎鎮痛でも
飲んどいたらわ
と言う。

こんなに、長々と安静にして
頑張っているのに!
と言うと

僕なんか、一生病気を持って
いかなあかんのや
僕のこと、考えてみ?
僕のこと、思たらマシやろ?


う、
うーん、、、
そう言われたら、一言もない





重たい鉛

2012-06-02 16:06:54 | わたしの病気
2012年 6月2日(土)

もうがんのブログは見るまい
と思った。

回復期の今、熱も下がり
血液データも正常値になったというのに
急にとてもしんどくなった。

明らかに体調不良
これは、がんブログが堪えたナ
と思う。

いろいろ読んでいると
こんなに早く逝ってしまうなんて!
つい数時間前まで
普通に会話してたのに
という記事がけっこうある。

それが堪えた。
ケース バイ ケースだとは思うけど
でも
こんなに早いとは思わなかった
という思いはしたくない

そう思うからこそ
人の闘病記も読みたくなる。

そうして
落ち込む。
ガタンと暗くなる。

肺炎で、ひーひーいってた
身体にいいわけがない。
免疫が下がって
白血球が3千台しかないのに
あ~~~!
読まなければ良かった!

身体になにか重たいものが
ずっしり入ってしまったようだ。

はぁぁぁ・・・・・

明日は、退院に向けての試験外出
久しぶりに家に、半日帰る。

気持ちを持ち直して
明るく、アップ! アップ!



いろんな方々からコメントをいただく。
大体、同病の人が多い。

夫よりずっと若い人も多く
先が心配、不安という声、声、、

このブログが、少しでも
参考になれば嬉しい。
みんな、がんばろう!
















生きること

2012-06-01 07:13:21 | 生きること、死ぬこと
2012年 6月1日(金)

がんブログを、いろいろ読んで
考えさせられた。

若くして、突然余命告知をされた人
最愛の子供や伴侶を失った人
これから!という若いいのちを
無念に散らした人


一旦、がんと言われたら
治療、治療の毎日だ。

がんと闘っているのか
抗がん剤と闘っているのか
わからなくなる

がんを治すために
ハードな治療をやり
その副作用で、死ぬほど苦しむ

それでは、何のために生きているのか
わからなくなってしまう
と多くの人が書いている。

しかし、医師は言う
あなたが今、生きているのは
治療しているからですよ
治療していなければ
あなたは今、ここにはいないでしょう

確かにそうかもしれない
しかし、余命告知をされてから
全く何の治療をせず
旅行し
家族で、楽しいネ
おいしいネ
と、ときを過ごし
サッと風のように去ってゆく
そんな人もいる。

知り合いのドクターは
そんな人生の終い方をする人は
えらい!という。
凄い!という。

でも、、、、

誰しも、生きることへの執着がある
いくら余命半年と言われても
治療したら治るかもしれない
と希望を捨てられないだろう

たったひとつのいのち
そうサバサバと
簡単に
死と折り合いをつけて
終(しま)えるとも思えない


医師も、神さまじゃないから
絶対的なことは言えないだろう
予後も、余命も

患者側からしたら
医師にいくら絶望的な告知をされようが
死の瞬間に、後悔したくない
もっと、なにか治療があったのではないか
と、後ろ髪を引かれる思いで
この世とおさらばしたくない

だから、人は
いくら苦しくても
抗がん剤に挑むのだネ


一番思うことは
抗がん剤治療とは
がん細胞も叩くが
正常細胞も犠牲になること


だから、治療前の
体力ある、健康的な日々は
もう戻らない
重篤な副作用を抱え
いのちを永らえてゆく

いくら体力が、半分になっても
ずうっと生きていけるなら
まだいい

しかし、徐々にラストに近づいていく


どこまでが根治治療なのか
どこからが延命治療なのか
医師だって、判らないのだろう

あるとき、追い込まれて
治療の選択肢が、どんどん狭まり
やっても、やっても
苦しいだけで、効果は上がらない。

そのときから、延命治療なんだな
と思う



そこで、スパッと治療を止める!
私自身がそうなったとき
その勇気をもちたい




夫は淡々と治療を続ける
苦しい副作用を得て
あまり効果が上がらなくても
淡々としている。

リンパの大きさが変わらんかったわ
というが
さらに、大きくなってないから
治療の効果が出ている
と考えるべきなのかもしれない

昨日、私の病室にきて
今度の月曜から
新しい抗がん剤治療に入るという

同じのを使ってたら
効かなくなるねん、と


今のGT療法が効いていたから
夫は、腹部のガスもなく
食べられ、お酒も飲み
仕事も続けてこれたのかも、、、

私の病室のソファーに座って
ズボンのベルトを広げながら
ふぅ・・
とため息をつく

お腹、苦しいの?

腹のガスで、腹も腰も
痛いねん
舌が荒れてるから
食事の味もわからんわ



それでも彼は
また新たな治療に挑む