膀胱がん  勇気とともに

56歳で、膀胱を埋め尽くす10cmものガンが見つかった夫との日々

夫が出てきた!

2013-10-19 18:37:46 | 思い出
2013年10月19日(土)


夫が亡くなって10ケ月が過ぎ
まもなく一周忌がやってくる。

この1年近い日をどのように過ごしたのか
よくわからない。
いつの間にか冬になり
春、夏と過ぎ行き
秋もろくに来ないうちに、朝晩は毛布がほしいほど冷え込み
一挙に冬がきたようなこの頃。

ろうそくに火をつけ、お線香を焚く。
夫はいつも同じ顔のはずだけど
時にはシカんで見えたり
優しい顔に見えたり
不思議、ふしぎ




先日、驚くことがあった。

ここ20年近く、夫婦で利用させていただいてきた友人の長野県の山荘に
今年も行った。
10月6日のことである。

今回夫は、写真で参加し、フロントガラスの所にいて
ガラスにちらちら、顔が写っていた。
一緒に旅するように、フロントガラスにゆらゆら揺れていた。


山荘に2泊し、翌日山奥の小渋温泉に行くことになり、高速に入ったときのこと。
長野と名古屋への分岐があり、名古屋に行かねばならないのに
なぜかぼーっとして、車は自然と長野方面へ向いていた。
同乗の友人が「名古屋!」と言ってくださったので
急ブレーキをかけたが、しばらく私はぼーっとしていた。




実は、昨年の同じ日 10月6日
“八ヶ岳を見たい!”という夫の希望で、我々夫婦は、中央道を走っていた。
長野に向けて。
分岐で夫が「長野やー!」と言った声が、今も耳の奥に残る。



同じ日の、似たような時間帯の、昨年と今年
昨年、夫と私が
駒ヶ根I.Cから、中央道に入って、分岐点で長野を目指した時間と
名古屋に行くべきだったのに、ふらふらと長野の方へ・・・
となって分岐で急ブレーキをかけた今年


その時間はほぼ一致していた。




まるで夫がいるようだった。
夫がいて、「長野やー!」と叫んでいるような不思議な錯覚にとりつかれた。

フロントガラスに、見えたり見えなかったりしていた夫の顔が
だんだんしっかり見えるようになっていったのも不思議!
同乗の友人夫妻も、先生がおられるんですねぇ、と。



その後も、まだ不思議な感じは残っていて
宿に着いて、宿帳を書くとき
漢字で自分の名を書いたのに、ふりがなは夫の名を書こうとしていた。





三周忌がくるまで、夢にも出てきませんよ、といろいろの人から聞いていたけど
夢にも、一度も出ては来なかったけれど
夫は
長野に行く車の中に居た。










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