膀胱がん  勇気とともに

56歳で、膀胱を埋め尽くす10cmものガンが見つかった夫との日々

Ⅳステージって、余命1年?

2011-10-24 23:26:59 | がん
2011年 10月24日(月)


先日、友人から
「第Ⅳステージって、余命1年ぐらいってことでしょう?」
と言われた。

一般的にはそうかもしれない。
特に彼の場合は、すでにがんが全身に飛んでいて
強い抗がん剤治療をやり続けることによって
身体のどこにも、がん細胞がない状態を
かろうじて続けているのだから。




数年前、乳がんの友を亡くした。
彼女のがんは、直径5.5cmにもなっていたのに
受診を一日、一日と延ばし
身体のあちこちに痛みが出現するようになって
初めて受診したときには、すでにターミナル。

「そんなはずはない!!」

彼女は“手遅れのがん”という現実を
決して受け入れようとはしなかった。

違う診断をしてくれる病院を求め
あちこちの病院を走り廻った。
しかしどこでも、ターミナルと言われる。

それでも彼女は、決して受け入れなかった。
あの強さは、何だったのか・・・
年数が経った今でも、そうぼんやり考えることがある。



その頃、夫も10cmの膀胱がんが見つかっていたから
彼女のことも知って、気にしていた。
彼女が医師と敵対し、現代医学に背を向けて
温熱療法や、菜食主義に走っていたとき
夫は本当に心配していた。
しかし、「その人の人生やからな・・・自由や。。」
と力なく、言っていた。

自分の考えを強く持ち
自分の人生のすべてを、自分で決めて生きてきた彼女には
治療をしよう!という私の言葉も届かず
彼女はどんどん悪くなった。

抗がん剤は、最初だけワンクールやったが
思っていたより強く出た副作用で、激しい拒否感を示し
それからは、再び抗がん剤をやることはなかった。




人はいつか
そう遠くない将来
死んでゆく。

みな同じだ。

だから、自分の死と向き合わねばならない時がきたら
堂々と受けてみたい。


泣こうがわめこうが、死があらがえないものなら
静かに受け止めてみたい。



言うほど簡単じゃないことは、よく解かっているつもり。
拒絶し、落ち込み、希望を失うかもしれない。

できるかな?と内心不安に思う。


でも。彼のように
堂々と受けてみたい!

今、そう思っている。







ご馳走食事

2011-10-23 16:30:22 | 普通の日々
2011年 10月23日(日)

最近、いろいろな人から、食事を誘われ
ご馳走になっている夫。

昨日は、大学の後輩のDR
一昨日は、仕事関係の人たちと など。

「元気になられたから、一緒に食事しましょう!」
と誘われるよう。
自分で出す、と言うらしいが
「おごってくれよんねん」




医学関係の友人が、こんなに
夫と共に食事をしてくださる
それを考えたとき
やはり、元気で、食事がおいしいときは
今しかないのか
今のうちに、ということか
などと、考えてしまう。


ぼ~っと過ごしていて
気がついたら、私ひとり
そんな状況とは知らなかった、
ではいやだもの。



今日はまた、山でも歩こうか
と言っていたけれど
昨夜、深夜にご帰還。

それがたたったのか
今、横の和室でスースーと
寝息をたてている。



昨日ゴチになった、てっさ・ふぐちり・ひれ酒は
とても美味しかった!って 






毎日、毎日 仕事

2011-10-15 01:54:54 | 普通の日々
2011年 10月15日(土)


一昨日から、意気揚々と山へ出かけて行った。
学会の帰りに行くようで
山の用具は宅急便で送り
スーツを着て、るんるんで出かけた。


久しぶりの2000m級の登山。
頻脈、動悸、足の腫れは大丈夫かしら・・・

せっかくの山行なのに
外は無常な、激しい雨。。。
雨は明日も続くという。




夫がいない日を2日、過ごしてみて
彼がいなくなったら、きっと
ろくなもの食べないだろうな
毎日、遅くまで起きて不摂生し
掃除も回数が減るかしら
財布のヒモも固くなるかも
などと考える。

私も仕事は持っているけれど
仕事に燃えて、毎日を送ってはいるけれど
彼がいるのと、いないのとでは
生活の張りが違ってくるような気がする。

夫がいると何かとうるさい。
「ほら、また顔色悪いわ!」
「はよぅ寝ぇや!」
「病気になってもしらんで。
 ボクは主治医せえへんで」

いつも夜遅くなって
こっそり忍び足で寝室に入る。

でも、夫は私が毎晩遅く寝るのを
ちゃんと知っている。



ふと思った。
彼が仕事をし続けるのは
少しでも自分にできることをやりたい
社会とつながっていたい
という思いなのだろう。

でも、患者だけをしたくないのかも。。。
いつまでも医師であり続けたい!
患者だけになりたくない
そんな思いなのでは?


いつまであるかわからない、貴重な日々を
彼は毎日、毎日
仕事に使っている。















久しぶりの山行き

2011-10-13 00:02:35 | がん
2011年 10月13日(木)

10月10日の体育の日
久しぶりに、親子3人で山を歩いた。

登り1時間、下り40分ほどの
山というより、ハイキングコース。

と言っても、それなりの起伏があり
オールシーズンすばらしい風が吹き
夏でも涼しく、冷蔵庫のドアを開けたような風
春は山桜が、ひっそりと咲き
秋は栗の殻が落ち、葉が色付く
冬は雪の日もあり、とても風情がある
そんな、私の大好きなコース。
私は月に2~3回は行っている。



近年、本格的な山岳ばかり行ってきた夫は
今までは、「あんなとこばかり行って、よぅ飽きへんなぁ」と
バカにしてきた。

しかし、体育の日は、夫にとっても久しぶりの山歩きだった。
いつになく、慎重に歩いている。

登りはゆっくり進んだが
下りは調子が出て、駆け下りた。


家に帰って、足が腫れている
と言う。
見たら、いつも腫れる左足ばかりだけではなく
右まで腫れていた。

リンパの流れが変わってしまったんかなぁ、、、
と夫。



秋晴れのさわやかな一日の思い出。








無事に10月を迎えられた!

2011-10-12 22:51:15 | がん
2011年 10月12日(水)

何とか無事に、10月に入った。

あれから夫は
9月中旬に、6度目の抗がん剤治療のため入院。
しかし、副作用はどんどんひどくなっていく。

最初は「むか~っ」とするくらいだった胃腸症状も
6回目となると、吐く回数も増え
貧血がひどく
めまいが起こり、動悸も激しいらしい。。。

しかし、相変わらずほとんど言わない。

時々、「めまいや~」
「動悸がひどい、貧血やからやな」
と言うだけ。

最強の治療を回数を重ねてきて
骨髄が疲弊しているんだろう
とも。



思い返せば、8月上旬
近所に、花火見物に行ったとき
突然倒れた。
一瞬、意識がなくなったらしいが
1段下の道路に、グラ~っとなって倒れ
驚いた。



山が好きで
三度のメシより好きで
絶大なる健康を誇っていただけに
目の前で、あっけなく倒れるなんて・・・
別人を見ているような思いだった。

近くで花火見物をしていたご婦人が
「大丈夫ですか?!!」
と駆け寄ってくださったが
すぐに意識を取り戻し
本人は、何が起こったのか解らないようだった。

あとで「貧血がひどいからなぁ」
とポツリ。


仕事は、ゆるぎなく
毎日行き
夜になると帰ってきて
おいしそうに、楽しそうに夕食をとり
淡々と過ごしている。

もう10月
早いなぁ・・・
と先日、カレンダーを見ながら
しみじみとつぶやいていた。





最強で、最良の今のGC療法。
いつまでやれるのか
やれなくなったとき
またがんが戻ってくるのか・・・


夫が言った「いいことだけ考えて生きていくねん」

その言葉をわたしも
毎日 心に刻んでいる。