春の八方尾根に行く

2012年　４月３０日（月・祝）

４月２９日から、八方尾根のピークを目指して
春山登山に出かけた。

歩けるのか、と心配していたら、翌日
「十分楽しんだから、今夜帰ります」
というメールがあった。

帰ってきて、珍しくべらべらしゃべる。

息がすぐにハァハァいって、頻脈で
身体のしんどさは尋常ではない
もう山は無理や
化学療法なんかやってるから
もう前の体力の半分になった
身体全部がしんどい
ピークまで行けず、丸山で帰ってきた
血小板も３００万しかないし
赤血球も低いんやから・・・


疲れが目に見えるほど、憔悴していた。
車にずっと乗せてもらったのも、気を使ったという。
山は独りで行くのが、やっぱりいいわ
とつぶやく。
相手に待ってもらいながら登るのでは、しんどかろう。

体力だけは！　といつも言ってきた夫
かわいそう、という言葉を、またのみこんだ。

さくら、散りゆく

2012年　４月２６日（木）

花のいのちは短くて、、、

ついこの間まで、百花繚乱を誇っていた桜
ぼたん桜が残っているだけで
ほとんど散り去った。

私の体調もはっきりせず
ブログもなかなか更新できない日々だった。

結局、私の盲腸腫瘍は、高異形度２５～３０ｍｍの
限りなくグレーなラインの良性だった。

地元の主治医が
「画像診たとき、ぞぉ～っとしましたわ」
と２回も言われる。

ギリギリでしたね、とも。
もう一刻の猶予もならなかった、と。
いい医師に出会えて、ラッキーだったと思う。

術後、続く“大量粘液排出”で、さらなる検査は続いた。
小腸カプセル、胃カメラ、腹部エコー
エコーも４０分もかけて、とても丁寧だった。
小腸カプセルは９時間もかかる。

たくさんの専門医が「聞いたこともない」「診たこともない」
症状だと言われ、病理組織検査をしたら？とか
いろんな案が出て、胃、大腸、小腸、はては膵臓入り口や
胆管まで診てもらったが、原因不明。

結局、様子をみましょう、ということに。。。

そんなこんなで、普段抱えている仕事にプラスして
自分の検査のための大学病院参りが続いたものだから
週に１日の空きもなくなって、フラフラだった。

原因はつきとめられなかったが、一旦ピリオドを打って
身体はやれやれ、、、



夫の方は、少しずつ追い込まれていく感じで
徐々に深刻になってゆく。
これからは、落ち着いて夫の世話をしよう！

昨夜も痛み止めを飲んでいたっけ。

治るわけない！！

2012年　４月２５日（水）

あ～、かゆい！！
搔いたらあかんけど！

と言いながら、腕をまくって
パンパン叩く

べったり、真っ赤の地図のように
皮膚症状が出ている。


薬のんでる？
効かないの？　
いつ（副作用が）治るの？　と聞くと
治るわけない！！
と吐き捨てるように叫んだ。

寒いのも
痒いのも
あちこち痛いのも
味がわからないのも
頭が脂でベタベタなのも
全部、治らない！と。



次の治療は、もうやらんかも
とつぶやいた。

あまりに厳しい治療。
効果は出ているの？
次に打つ手は？？？

わからへんやろけど

2012年　４月２４日（火）


わからへんやろけど
息が苦しいねん
すぐ息はぁはぁするわ
寒いし
しんどいで
白血球が下がっているから
めまいもするねん


味もわからんし
皮膚症状もひどいねん
身体中、じんましんで痒いし
頭には湿疹できる
脂症になって、頭ベタベタや、ほら！


体力、ほんまに落ちたわ
前は、こんなことなかったのになぁ・・・
もう山は登れへんかな
でも、もう１回だけ登りたいわ、ガイド付けて
ガイド付ける、ゆーても大した山やない
ほんの８００ｍ登るだけや
ゆっくり登ってくれる日本人ガイド探そかな
いるかな、そんな人


白血球２０００まで戻さんと
感染するから
予防的に抗生物質飲んでるんや
でも、僕は風邪なんかひかへん
免疫あるんや！
風邪なんかひくかいな

腰痛

2012年　４月２３日（月）

白血球が８００に下がったらしく
この５日間、毎日血液検査をし
白血球を増やす注射をしていた
と、今ごろになって言う。

一番悪いときは、何も言わず
ただ寡黙なだけ。


スイスからの来客の接待で疲れたのか
その後、数日機嫌が悪かった。
口数も少ないし、笑顔が全くない。
調子が悪そうだな、とは思っていた。
何か聞いてもろくに答えないし
会話が成り立たなかった。

聞いても答えないから
想像するしかなかった。


そんな１週間だったけれど
今日は久しぶりに、口が軽く
表情が明るい。

腰痛がヒドく、検査したらどうもなかった
と明るく言う。
慢性腰痛やと言われたわ、と。

腰へ転移？！、と心配していたのか！
と、やっと解った。
もう少し言ってくれたらいいのに・・・

先のことは心配しない！と力強く言って
闘病スタートしたけれど
やっぱり、人間だもの
心配だよね！
もしどこかへ転移したら・・・
その思いがいつも付きまとうよね。

でも、彼の普通の毎日は
じわじわ追い詰められている
私は、そんなふうに感じている。

いつか、この日常が終わるのではないか
彼の身体は、徐々に悪くなっていっているのでは・・・

最高の桜

2012年　４月１５日（日）

スイス人の彼女を連れて、我々夫婦と娘も一緒に
京都の山間のお寺に行く。

標高が少し高いお寺だったので、すべての花が満開
という最高の日だった。

夫も病人とは見えない頑張り？で
運転や案内で、凄い気力！
恐れ入った。
頑張り屋さんなんだなぁ。。

いつもはひなびた地域も、桜シーズンの日曜とあって
さすがに人出が多い。

お昼は、彼女のリクエストの“おにぎり”
日本食何でも大好きな人で、梅干でも納豆でもパクリ！
こちらが驚いてしまう。

おにぎりは、昨夜のお造りのぼたんえびの頭を
オーブンでカリカリに焼いたものを細かく砕いて入れたり
大好きという梅干＋おかか醤油＋紫蘇
など工夫を凝らして、３種類。
桜の木の近くで、のんびりしたひととき。

たくさん写真を撮って、夫は最高の笑顔の連続。
月曜の治療から５日ほど経っていたから
何とか元気でよかった！

スイスからの来客

2012年　４月１４日（土）


夫が昨年夏、スイスに行った際
泊めていただき、いろいろお世話になった
スイス人が来宅した。
若い脳外科医だ。

ここ数日、抗がん剤の副作用で
笑顔が全く見えなかった彼も、にこにこ顔で
みんなと鉄板焼きを楽しむ。
久しぶりに、飲んで、食べて、元気そう！

お造りなど大丈夫かな？と思っていたけれど
普通に食べていた。
英語や日本語まじりの楽しい夕べ。


そんなにニコニコ頑張って大丈夫かしら
と思ったけれど、楽しいことはＯＫみたい（笑）

明日は京都見物を、と計画している。
桜が間に合ったらいいけど！

５、６回目のＴＧ療法

2012年　４月９日（月）

６回目のＴＧ療法をやってきた。
先週５回目と２回続いたので、かなり辛そう・・・

白血球も下がり、真っ青な顔をしている。
血小板も５万となり、さすがに
しんどい、しんどいわ　　と言う。

頭に湿疹ができ、抜けた頭髪の間からよく見える。
後ろは見えないだろうから、写真を撮ってあげた。

抗がん剤の影響か、顔や頭が脂性になった、と言う。
頭がテカテカや！　と。
臭ってみたら、ほんとに脂臭かった！

何一つ食べずに寝てしまった。
寒がるし、食べられないし
これで、明日の朝仕事に行くのだろうか！

抗がん剤治療４日目

2012年　４月５日（木）

昨日、頑張って食べだした、と思っていたら
今日は一転して食べない。
昨日、食べ過ぎたのだろう。
１日も早く、副作用から抜け出そうと
頑張って食べたのが、堪えたのか
今日は食べないし、しゃべらない。


一人で、重たいものを持っている。

副作用、依然厳しく・・・

2012年　４月４日（水）


夕食後、うっぷうっぷ言っている。
ゲップのような、吐きそうな、、、

ビールをちょこっと飲んだ。
食事も、無理して食べているような感じ。
味も判らないみたいで
僕は舌がやられて、味わからんから
とつぶやく。


がんと闘うというのは厳しいことだと
つくづく感じる。
医者といえども、いろいろ不安だろうな・・・
ネガティブな考えもよぎるだろう。
でも、彼は弱音は吐かない。
黙々と耐えている。

しかし、精神的な余裕はなく
いつもなら、友人の病などを心配して聞くのに
聞きたくない様子。


お風呂に入ると、またたくさんの毛が抜けていた。
頭が寒い、寒いとしょちゅう言っている。

身体中がぴりぴり痛む

2012年　４月３日（火）

昨夜は、身体中がぴりぴり痛み、寝られなかった
と開口一番に言う。
痛み止めは効かないのかと聞くと
「完全にはムリや」

じんましんもひどく、しゃべるのもしんどそう・・・


それでも仕事に出かけていく。
なんで行くの？！　しんどいんやったら休んだら？
と言うと
「ぷ～たろうしててもしゃーないやんか！」



私は、スキなことしたらいいのに、と思う。
人生が、仕事、仕事で終わってしまうよ！
行きたい山へ行けば？
ゆっくりヨーロッパでも歩いたら？

久しぶりの抗がん剤治療

2012年　４月２日（月）

久しぶりに抗がん剤治療をしてきた。
夕方、「やっと終わった。麺類でいいです」
とメールあり。
帰った途端、寝てしまった。
やはりしんどい様子。
ＧＴ療法は今月、もう１回やる予定なのに・・・



最近、どうも暗い。
あまり笑わないし、しゃべらない。
一人、沈んでいるようで気になる。


身体のことで、何かあるのか
聞いてもうるさそうにして答えない。

頻尿がヒドく、夜中に何回も起きている。
ぐっすり寝られないので、辛そう・・・

少し前に言っていた身体中の痛みは
最近はあまり言わないし
もしかしたら、腫れているリンパの瘤の
大きさなどが、気になっているのか。


味覚は戻らず
味の細かいところまで判らないと
時々、呟いている。


しかし
食欲はある！
しっかり食べ
ワインもしっかり飲んでいる。
デザートも大好きだ。


先日
義姉からとてもおいしいチーズケーキが届いた。
クリーミーで、軽く、甘さも控えめで
１つが小さいので、つい数個食べてしまう。
家族みんな大喜びで、おいしい！おいしい！コールで
賑やかだった。
今日はそれも食べられない様子。。。






数日前、ぼそっとつぶやいた。
「ほんまに、身体をガタガタにしてくれるわ・・」と。
ちゃんと言ってくれないから解らないけれど
いろいろシリアスな考えがよぎるのだろう。


先ほどから、横になった布団の上で
うんうんうなっている


起きてきたら、義姉からいただいた
暖かいスープでも出してみよう！