痛みに朦朧として、うつらうつらと眠ったり、目覚めたりを繰り返していると、
朝なのか、夕方なのか、 一日が過ぎたのか、わからなくなってきます。
そんなある日、夢を見ました。
広い広い、果てしなく広い花園がありました。
まわりは山もない、一本の木もない、そして誰もいない。
美しい花がただただ延々と広がっている花園でした。
その中心に、今の私よりずっと年老いた90才ぐらいと思われる私がいました。
私の足元から、8本の道が放射線状に広がっていました。
私はどの道を行けば、自分の家に帰れるのか、悩みに悩んで立ちつくしていました。
8本の道のうち、3本の道のいづれか1本が、家に通じる道だと思うのに、
その1本がわかりません。
放射線状の道は、もし間違ったら行けば行くほど先は広がって、
どんどん家より離れてしまいます。私は悩みに悩んでいました。
そこへ、今の私よりずっと若い50代位の私が現れました。
「どうかされましたか?」
「どの道を行ったら、家に帰れるのかわからないのです・・・」
「ご住所は、どちらですか?」
「A町なのですが・・・」
「その町は方向的には、この3本の道だと思いますが・・・
すいません。私にもわかりません。」
「ありがとうございます」
年老いた私がお礼を言って、ふと気がつくと、
若い私の姿はもうありませんでした。
「どうしよう・・・」
また一人になってしまい、途方にくれました。
白やピンク、ブルーの花が風になびいています。
美しい花園の中で、 私は悩み、 悩み、目がさめました。
いったい何だろう・・・ 不思議な奇妙な夢でした。
夢って色を感じないことが多いのに・・・ あまりにも鮮明で美しい世界でした。、
花園は、かの地だったのでしょうか?
でも、亡くなった母も、亡き妹もいなかった・・・
逝ってしまった友人たちもいなかった。