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平成23年3月3日22時05分 誕生
待ちに待った我が息子(腹内ネーム「べびろう」)がこの世界に生を受け、大きな産声と共に呼吸を始めてくれた。
陣痛が始まったのが1日の22時、それから48時間、妻とべびろうは“生”に向かって懸命に戦い、乗り越えてくれた。
痛みが続く中で疲労していく妻、何もしてあげられずただただ寄り添うだけの俺。こんなにも苦しみながら妻とべびろうは必死に頑張っているんだと思うと涙がでてきた。
6時間ごとに1cmしか開いていかない子宮口、医師の診察の度に「まだ続くんだ…」と力が抜ける。
体が痛いと言う妻にずっとマッサージを続けた。二日間ずっと妻の体を触れ続けるなんて愛妻家の俺でさえこれまでに(これからも!?)まずない。ある意味新鮮だったし、改めて「これから妻を守るんだ!!」という気にさせてくれた。時にはさすり方が下手くそで無言で手をはたかれたり「触んないでっ!!」と怒られることもあり、シュンとなる。
二晩も不眠で食事も摂れず、また一晩中分娩台の堅いマットレスの上で苦しんだため、3日の夕方には体の痛み、体力の限界がきていた妻、ほんの3秒程度しかこくりこくりすることができない。
「ひぃひぃふぅ」と習った呼吸法、苦しむ妻は「ひぃひぃふぅぅぅ~」と息ではなく声がでる。思わず笑いそうになるが、そんなことしたら今後の夫婦関係がまずい。なんとか我慢。
べびろうは長期戦にもかかわらず、助産師さんが驚くほど心拍が一切落ちず、みなぎる生命力を伝えてくれる。俺が思っているよりもはるかに妻とべびろうは強い!
いきみの許可が出て苦しみが変わったが、ゴールが見えてきたようで妻も顔に少し元気が戻った。「もう少し、順調順調!!」と励ます反面、妻に聞こえないところでは助産師と「このまま、まだ開かなければ体力も限界に近いし、帝王切開もあるかも…」と話をした。
俺も妻もできれば自然で産みたい。だから敢えて伝えはしなかった。
その甲斐あって21時45分、診察により顔が出てきたことが確認され、分娩へ。
医師、助産師3名体制で始まった。俺は妻の足と頭を支える。
「はい、息とめて!!!」の掛け声で妻はもちろん、なぜか俺も「んんっ!!」といきんでしまう。
まだ15分しか経ってないのに「次で出るよ!」と言われたけれど「そんな速いわけないでしょ」と思っていた。
俺のお産のイメージはもっともっと時間がかかるし、妻は汗だくで髪の毛が顔にへばりついてなければいけない。わめきちらさなければいけないし、医者は血まみれにならなければいけない。立ち会った友達が経験した“股から顔が出てる”のだってまだ見ていないし、その“股の顔”に『おーい、もうちょっとだ!頑張れー!!』と声をかけるシュミレーションだってしていた。だから設置していたビデオの録画はまだ始めなかった。
と、考えているうちに出てきた。あっという間の出来事。
言葉にならない感情。すっと体が無になって、喜びのつまった風船になったよう。
我に返って録画ボタンをおす。
大声で泣き始める我が息子。彼の人生で初めての声を記録することができた。
彼の人生で初めての写真(写真左)をとることができた。
産声っていいね。ほんといい。
妻は本当によく頑張ってくれた。心から敬服する。
べびろうも本当によく頑張ってくれた。心から愛してあげたい。
病院で一緒にいた助産師さんがこんな話をしてくれた。
「今日、四十九日の法要でそこのご主人がこう言っていたよ。『妻が生きている時にたった五文字の“ありがとう”を言うことができなかった。たった5文字だよ。今伝えたいけど、もう遅いんだよね』って」
親になったことで、出産に立ち会うことで自分を産んでくれた親の苦しみ、感動を感じることができた。
だから親に伝えたい。「産んでくれてありがとう」
そして妻にもちゃんと伝えたい。「産んでくれてありがとう」
もちろん息子にも。「俺らのところに生まれてきてくれてありがとう」
まだまだくしゃくしゃすぎてどっちに似てるかなんかわからない。
俺も妻もまゆ毛が濃い。そしてカイ君も。だからべびろうも生まれながらにまゆ毛がつながっていると思っていたけど、そんなことはない。
妻は言う。「ここは私似、ここも私似、あ、ここも私似…」
それじゃまんまあなたじゃないですか。
3484g、52センチのがっちりした巨体は新生児室でもひときわ目立ち
数日前に生まれたお兄ちゃん達を圧倒している。
人を引っ張れる人間になってくれよ!
さて、父親業の始まりだ。楽しくなるぞー!
守るべき家族が増えた。しっかりせねば。
べびろうよ、ほんとの名前はもう少し待っててね。
最後に、これまで支えてくださった方々にこの場を借りて感謝致します。
「ありがとう」
<第一次出産大戦の軌跡>
3月1日
16時 健診 子宮口3cm 念のため(遠路の為)入院
22時 陣痛開始(10~15分間隔)
3月2日
04時 陣痛室へ移動(子宮口4cm 6~7分間隔)
07時 俺 病院へ到着
11時 居室へ移動(子宮口4,5cm)
12時 陣痛5分間隔
20時 分娩室へ移動
22時 破水(後に破水ではないことが判明)
3月3日
01時半 多量出血 点滴開始 子宮口7cm
07時 子宮口8cm
09時 陣痛促進剤注入開始
12時 子宮口9cm
16時 子宮口10cm 座位のままいきみ許可
21時45 分娩開始
22時05 誕生
オレも感動したー!
ありがとー!
会えるのをとっても楽しみにしてるよ。
まずは3人ともゆっくり休んでね。
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おめでとう!!!
長時間本当にお疲れさま!
2人の喜びと幸せな気持ちが伝わってきたよ。
私たちも嬉しいよ~~ばんざーい!
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