RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

RC-NET STAFFによる、日常の些細な出来事から、お知らせまでいろいろなぶろぐ。

生きるということを見くびってはいけないと思った夜

2009-11-30 04:15:01 | 未分類
今日は前の職場の忘年会でした。
やめた人間ですが、呼んでいただいたからにはホイホイついていったのです。

グループ全体のものなので、忘年会は滞りなく、なのですが、
やはり楽しいのは二次会ですよね。
飲むのが大好き!という人ばかり数名でミナミに繰り出したのですが、
最初は職場のことやら話ながらワイワイだったのですが、
そこで面白い話になりました。


人付き合いがうまく出来ない社員がいるんです。
職場でもよく彼の事は話題になってて、
入ったばかりの人には『威圧的』と疎まれ、キャリアには『生意気』と疎まれまていました。
冷静に見たら、ただただ「まだ子どもだな」っていうだけの子なんですけどね。
要は、不器用なんです。上手に生きられない。

でも、彼について一人の男性がこう言ったんです。
『一度でもいいから、腹割って話をしてみたい。彼は、話す=自分の全てを見せる=恥、と思ってるんだと思う。でもな、自分の中のほんの一部であっても、人にちゃんと見せることが出来たら、人生は変わる』

素晴らしい言葉だな、と思いました。
私だって、これを言った彼だって、
『言いたくないことなんて一杯ある』

俺らだって、
一杯騙しあって生きてるだろ?と、彼は笑うわけです。

でも、分かち合いたいものがあるから、
こうやって私たち、
酒を酌み交わせるわけだよね、
とまた、
笑いあったりしました。

悲しい出来事だったり、
自分の中で消化できていない数多くのことを、
自分でも気付かないうちに、違うモノに転化して人にぶつけてしまう時というのが、
どうしてもあるのだなと思います。

でも、ほんの一瞬でもいい。
100分の1でもいい。
誰かとその思いをシェアすることができたら、
何かが変わるかもしれない。

それは、RCSNKが志しているもの、そのものではないかと思います。

私は、再生塾という、非行だったり、そういった環境で生きてきた若者の自立を応援する場所と関わりを持たせて貰っているんですが、
今日、そこで出会った少年の話をしたら、同僚の一人がちょっと涙を浮かべてこう言ってくれたんです。

「彼のことを僕は知らない。でも、彼の話を聞いて、
僕の中の何かが、・・・なんて言ったらいいかわからないけど・・・、解放された気がした」

それを聞いて私も少し、涙が出そうになりました。

人一人の力は、あなどれない。

本人はそんなことなーんも考えていないのかもしれません。
でも、一つだけ言える事があります。

人が一人、生きるということは、それだけですごいパワーのいることです。
生きているだけで、
誰かになんらかの影響を及ぼしている。

「あなたは、あなたを見くびるな。」


これは、レイプ被害者のみならず、
全ての人に言えることなのだと思います。

フライヤーほぼ完成、HP更新情報など

2009-11-29 08:01:08 | 事務局より
フライヤー091129.JPG

フライヤー091129裏.JPG

フライヤーのデータがこんな感じに完成しました。
まだ印刷入稿はしていないので、多少修正があるかもしれませんが、ほぼ完成形になっています。
ご意見お聞かせいただけたらと思います。

また、フライヤー(印刷済み)は12月初旬完成予定です。
各種団体さま、セラピストの方、お店、個人の方でも、
ご入り用の方はinfo@rcsnk.comまで必要部数、ご住所、設置場所、ご連絡先電話番号をお知らせいただければ、
(もちろん送料無料で)お届けさせていただきます。


http://www.rcsnk.com
サバイバー体験談を追加させていただきました。

ご支援、ご協力、お願い申し上げます。


八つ当たりも必要

2009-11-28 11:31:24 | スタッフ雑感
この間、テレビを見てたら「八つ当たりどころ」という事業が紹介されてました。
B級のお皿や、出荷できないものなどを使って、それをストレス解消等のために割らせてくれるトラックがあるんです。
これ見た瞬間、
やりたーーーーい!!!と、思いました。
八つ当たり.jpg
こんな感じのトラックで、中で300円~1000円のお皿、割放題です。
これのスバラシイところは、もちろん「八つ当たり」というものに裏付けされたストレス発散法だったりをしっかり考えているというところと、
その割ったお皿(本来は活用方法がない)を一つの収益事業にした上で、その割ったお皿自体を、リサイクルしまた新しいお皿に、という環境事業としての役割も果たしている。
新しい事業モデルとして、ほんまにスバラシイ。

実は私も、同じような思いから、皿割りをしたことがあるのですが、

何故そういうことになったかというと、その頃私はやたらといろんなことに悩んで病み気味だったのですが、前RCSNK代表、現RCSNK顧問である神山がその時「皿割るといいよ」と鶴の一声をかけてきたんです(笑)めっちゃ気持ちいいで、と。
言われたからにはやるしかないということで、私は屋上に上がり、百均で購入した皿を割ってみました。

「えいっ!!」


っがっしゃああぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!


あの時の驚きと言ったらありません。
とんでもないでかい音がしたのです。
下の事務所で仕事をしていた神山氏も、これには驚いた様子でしたが、
何にもまして、私自身が驚きました。
ストレス解消どころじゃない。近所の人になんと思われるか、あぁ、早く片付けなければ・・・・
と、片付けようにも、粉々になってしまった皿は、なんとも片付けづらい。
もう、めっちゃストレス・・・・。

「もう皿は、割らない」
その時私はココロに誓ったものでした。
でも、「八つ当たりどころ」でなら、心おきなくお皿が割れますね。


なぜRCSNKブログで、ここまで「八つ当たりどころ」「皿割り」のことを書いているのかという、理由はちゃんとあります。

性暴力被害者にとっての被害というものがどういうものか、このブログでも何度か触れていますが、
やはり「自尊感情の崩壊」というものが、とても大きな問題の一つなのではないかと思っています。
それは、人に対する怒りを素直に表出することが出来ないということでもあります。

怒りや悲しみ、苦しさや言葉に出来ない様々な思いは、自分の中に留めたままでは、そのうち自らの中の毒になってしまい、
それが時として、自分自身や他者に対して、爆発的な感情として露出してしまうことがあります。
人は、そうしたマイナス感情を、ずーーっと自分の中に貯めておくということが出来ないのではないかな、と私は思っています。
これは「八つ当たりどころ」のホームページにあったことと似ているのですが、
自分自身や、人を傷つけてしまう前に、
モノに当たってみるのはいいことなんじゃないかなぁと思います。

もちろんそれが全ての解決にはならないと思いますが、全ての事には「練習」が必要です。
怒りをしっかりと放出する方法も、
自分の中にそうした感情があるということを、自分自身が噛みしめる、租借し、消化する方法も、
すぐに身に付くものではないだろうなぁと思います。
だからこそ、このやり方は「一つの方法」として、いいなぁと思いました。

まだ資金源がないので出来ないですけども、
いつかイベントの際にでも、八つ当たりどころをよべたらいいなぁ~なんて思っています。

レイプについてみんなで学んだ後に、そのストレスを皿割りで発散とか、おもしろい(笑)

ぜひ、やってみたいです。

お一人様です

2009-11-28 00:00:00 | スタッフ雑感
今日は久しぶりに家の近所に飲みに行きました。
誰かと誘い合わせて、となると市内でもやはり梅田とか難波とか京橋とかに待ち合わせて、となるので、
市内とはいえ、中心部からは結構離れた我が家の辺りで飲むときは大概一人です。
今日は、ちょっと冒険して、始めて入る店のカウンターに座ってみました。
慣れない場所に行くっていうのは、ただビール一杯でも、妙に緊張するものですよね。
そもそも「ビール一杯」を飲むためにさらっと寄ってしまう女一人をその店が受け入れてくれるのか、
いや、別に断りはしないだろうけども、浮きはしないものか、
なんやかんやと考えながらも、
勇気を振り絞って行くわけです。
「いらっしゃいませーー!」と、声がかかる。そこから「一人なんですけど、だいじょぶですか?」という。
その後、大概、
ちょっと間があくんですよね(笑)
あれ、なんでですか?これ、非常に微妙なところで、正味私の気にしすぎなのかもしれないけれど、
間が開くんです。(笑)
今日は、ずっと働いていた職場の人たちに、挨拶に行ってきたんです。
すごく楽しい職場だったし、とても勉強になったし、未だに「辞める」ということがなかなか、寂しくもあるのですが、次なる道に歩み出すということを思うと、
やはり感慨深いものがありますね。
みなさん、すごく気持ちよく送り出してくれました。
この職場での出来事は、今、私がここに立つ上で、なくてはならないものでした。
この職場でのことは、なんらかの形でみなさんにお話しする機会がもてればいいなぁと思います。実に、おもしろい経験でした。

そんなこんなで、一人飲みです。
いろいろ思うところはありますが、とりあえず、乾杯しよう、自分自身に、と思いました。

して、
勇気を振り絞って入った初めてのお店は、ゴハンもおいしいし、お店の人たちもすごく気さくで、カウンター陣とも非常に仲良くなれたし、
実に楽しい時間を過ごせました。
お隣に座っていた方が、「えーと、数ヶ月前になるんだけど、隣の居酒屋に一人で来てなかった?なんか見たことがある気がして・・・」と。
これ、なんだか恥ずかしいですよねー。
別に恥ずかしいことしてるわけじゃないけど、
一人飲みの現場を誰かに見られるというのは、妙に恥ずかしいものです。と、そのようなことを言いますとその人が、
「いや、すごくカッコイイと思いましたよ。その時も初めて来たと言ってた気がするけど、二杯かそこら飲みながら談笑して、さっと帰って行きはって。こういうことの出来る人はいいな、と思いました」とおっしゃる。
その方が私よりだいぶ年の離れた方であるのが惜しまれますが(笑)悪い気はしないものです。

また来てねーーと送り出され、
帰り道はルンルンです。

勇気を振り絞った先に、楽しい出会いがあったりすると、すごく嬉しいですね。
確かに、いくら勇気を振り絞ったところで、全然不作に終わることもあるのですが、
何もしなければ、何も起こらない、変化のないままに終わってしまうという現実もやはり、確かなものです。
いいことばかりではないけれど、
悪いことばかりでもない。
それは、続けていなければ、確かめようのないものなのでしょう。

だこらこそ、諦めきれないし、
諦めて欲しくはない。

私たちにとっての未来。
あなたにとっての、未来。


ただの飲んだくれですが、そんなことを思いながら(もう一件寄ろうかどうか考えながら)
家路についたのでした。

今日はただの日記になってしまいました。スミマセン。

私たちに、できること。

2009-11-27 09:09:02 | スタッフ雑感
ブログを始めてから一週間が、経つのです。
まだ一週間。されど一週間。
私は元来とてつもなくナマケモノなので、こうしてそれなりに長い(長い?)文章を毎日書くなんて、そうそう続かないやろなと思っていたのですが、とりあえず一週間です。
次は、二週間を目指し、その次は一ヶ月を目指そうと思います(笑)
更新が途絶えたら、それはそれで笑ってください。

なんて言っても、朝、寒いから。笑

なかなか、布団から出るのは大変ですよね。
でも、こうしてブログを書くことで、大したことを書いているわけではないですが、確実に誰かに伝わっていくんだと思うと、ナマケモノの私も、少し頑張ってみようという気になります。
この一週間、私はやたらとパソコンにかじりついていたようです。

この二年間の間に、多くの場所で被害者に対する新たなサービスが始まり、また新しい取り組みが生まれている。
そういった場所を巡り巡って、とても幸せな気持ちになりました。

アメリカでのレイプサバイバーに対するサービスなどを見たとき、多分一番に感動するのは、
その連携の仕方にあるのではないかと思います。
レイプクライシスが現場や病院などにも駆けつけ、病院から警察へも、警察から病院でも、そしてカウンセリング機能も、24時間体勢で行われています。
また、スタッフ教育も充実しているし、サバイバーへの二次被害を防ぐための多くの技術、スキルが施され、
サバイバーの負担を軽減することに対しての努力は、本当に目を見張るものがあります。

性暴力被害、というのは、その暴力の特殊性から、
被害者の自尊感情を傷つけるものです。
自分がいけなかったんじゃないか、自分があんなとこに居たから、あんなことを言ったから・・・・
そうしているうちに、「自分自身」に自信がなくなり、「選ぶ」という権利が自分にあることを忘れてしまう。
そんなこともあります。
だからこそ、そうした被害者に対して私たちが出来ることは、
「あなたが選んでいくお手伝い」だとも言えます。
被害からの回復は、結局自分自身の手で掴んでいくしかないと思っています。
「正しい」ことは、確かにあるかもしれない。被害に遭って、確かにすぐに病院に駆けつけ、その被害を警察に言い、被害届をだすべきかもしれない、加害者を断罪することは、正しいかもしれない。
でもその「するべき」は社会観念であって、
被害者自身が選んでいないことを押しつけることには、意味がないと思います。ただ、必要と思われる医療機関への受診、という意味では、多少意味合いが変わりますが。
なんにせよ、被害者のサポートに関しては、「失われた自己を取り戻す」過程なのではないかなぁと私たちは思っています。
BAWAR(※)のスタッフの話で興味深かったのは、
まずサバイバーが事務所に来たとき、「この椅子に座る?それとも、ソファーがいい?」そこから聞くことで、「自分が選んでいいんだ」という感覚を身に付けていってもらう、という話でした。

※BAWAR=アメリカのNPO、Bay Area Woman Against Rape。私たちはこのBAWARと提携して、プログラム開発をしてきました。私たちがやりたかったのは、身近な人にサポートスキルを身に付けて貰う、ということで、ユース・ピア・サポート・トレーナー養成講座や、他のミニ講座なども、BAWARとの協力のもの作られたプログラムになっています。

日本でも、本当に少しずつですが、こうした連携を持ちながらサバイバーを支援していこうとしている組織が見えてくるようになりました。
もう、ほんっとに、すげー!と、思いました。

しかし、やはり現状でもその数は、少なすぎるのです。
レイプと書き込み出てくる支援団体がない。性暴力被害。とまで入れても、トップにはたいして出てこない。強姦でもでてこない。
そう、性暴力被害にコミットして活動している組織そのものが、少なすぎる。
まだまだこれから、なんですね。

かといって私たちは、そうした大きな組織を作れるような力を持っていません。
だからこそ、私たちは地道に、その必要性であったりを「身近な人たち」に伝えながら、そこに通じる入り口を、作りたいと思っています。

そこには私たちの思いだけではなく、様々な角度からこの「レイプ」に対し思いを寄せる人たちの存在が不可欠であり、
その思いを、届けることが出来たらと思います。

これから、どうなっていくんだろう。
まだまだ始まったばかりですが、だからこそ、全てはこれから、始まるんです。

あなたの力を貸してください。
私たち一人ひとりの力は、ばかにならないです。