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RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

RC-NET STAFFによる、日常の些細な出来事から、お知らせまでいろいろなぶろぐ。

私たちに、できること。

2009-11-27 09:09:02 | スタッフ雑感
ブログを始めてから一週間が、経つのです。
まだ一週間。されど一週間。
私は元来とてつもなくナマケモノなので、こうしてそれなりに長い(長い?)文章を毎日書くなんて、そうそう続かないやろなと思っていたのですが、とりあえず一週間です。
次は、二週間を目指し、その次は一ヶ月を目指そうと思います(笑)
更新が途絶えたら、それはそれで笑ってください。

なんて言っても、朝、寒いから。笑

なかなか、布団から出るのは大変ですよね。
でも、こうしてブログを書くことで、大したことを書いているわけではないですが、確実に誰かに伝わっていくんだと思うと、ナマケモノの私も、少し頑張ってみようという気になります。
この一週間、私はやたらとパソコンにかじりついていたようです。

この二年間の間に、多くの場所で被害者に対する新たなサービスが始まり、また新しい取り組みが生まれている。
そういった場所を巡り巡って、とても幸せな気持ちになりました。

アメリカでのレイプサバイバーに対するサービスなどを見たとき、多分一番に感動するのは、
その連携の仕方にあるのではないかと思います。
レイプクライシスが現場や病院などにも駆けつけ、病院から警察へも、警察から病院でも、そしてカウンセリング機能も、24時間体勢で行われています。
また、スタッフ教育も充実しているし、サバイバーへの二次被害を防ぐための多くの技術、スキルが施され、
サバイバーの負担を軽減することに対しての努力は、本当に目を見張るものがあります。

性暴力被害、というのは、その暴力の特殊性から、
被害者の自尊感情を傷つけるものです。
自分がいけなかったんじゃないか、自分があんなとこに居たから、あんなことを言ったから・・・・
そうしているうちに、「自分自身」に自信がなくなり、「選ぶ」という権利が自分にあることを忘れてしまう。
そんなこともあります。
だからこそ、そうした被害者に対して私たちが出来ることは、
「あなたが選んでいくお手伝い」だとも言えます。
被害からの回復は、結局自分自身の手で掴んでいくしかないと思っています。
「正しい」ことは、確かにあるかもしれない。被害に遭って、確かにすぐに病院に駆けつけ、その被害を警察に言い、被害届をだすべきかもしれない、加害者を断罪することは、正しいかもしれない。
でもその「するべき」は社会観念であって、
被害者自身が選んでいないことを押しつけることには、意味がないと思います。ただ、必要と思われる医療機関への受診、という意味では、多少意味合いが変わりますが。
なんにせよ、被害者のサポートに関しては、「失われた自己を取り戻す」過程なのではないかなぁと私たちは思っています。
BAWAR(※)のスタッフの話で興味深かったのは、
まずサバイバーが事務所に来たとき、「この椅子に座る?それとも、ソファーがいい?」そこから聞くことで、「自分が選んでいいんだ」という感覚を身に付けていってもらう、という話でした。

※BAWAR=アメリカのNPO、Bay Area Woman Against Rape。私たちはこのBAWARと提携して、プログラム開発をしてきました。私たちがやりたかったのは、身近な人にサポートスキルを身に付けて貰う、ということで、ユース・ピア・サポート・トレーナー養成講座や、他のミニ講座なども、BAWARとの協力のもの作られたプログラムになっています。

日本でも、本当に少しずつですが、こうした連携を持ちながらサバイバーを支援していこうとしている組織が見えてくるようになりました。
もう、ほんっとに、すげー!と、思いました。

しかし、やはり現状でもその数は、少なすぎるのです。
レイプと書き込み出てくる支援団体がない。性暴力被害。とまで入れても、トップにはたいして出てこない。強姦でもでてこない。
そう、性暴力被害にコミットして活動している組織そのものが、少なすぎる。
まだまだこれから、なんですね。

かといって私たちは、そうした大きな組織を作れるような力を持っていません。
だからこそ、私たちは地道に、その必要性であったりを「身近な人たち」に伝えながら、そこに通じる入り口を、作りたいと思っています。

そこには私たちの思いだけではなく、様々な角度からこの「レイプ」に対し思いを寄せる人たちの存在が不可欠であり、
その思いを、届けることが出来たらと思います。

これから、どうなっていくんだろう。
まだまだ始まったばかりですが、だからこそ、全てはこれから、始まるんです。

あなたの力を貸してください。
私たち一人ひとりの力は、ばかにならないです。