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RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

RC-NET STAFFによる、日常の些細な出来事から、お知らせまでいろいろなぶろぐ。

「レイプ」という言葉を使う意味

2009-11-23 11:15:37 | スタッフ雑感
前回の記事で、なぜ「レイプ」という言葉を使うのか、ということに少し触れたので、今回はそこについて詳しく書こうと思います。
祝日なので、二度目のアップ。やりだしたら止まらない性格ってだけなんですけどね(笑)

「レイプ」という言葉に抵抗を覚える人は多いと思います。
そりゃあそうです。
今となっては私だって「レイプレイプ」言ってるけども(いや、日常生活ではそんな言ってませんが。笑)、
一種の慣れかもしれません。
逆に、この言葉を聞くとどう感じるのか、みなさんに聞いてみたいです。

ただ、思うに、
被害に遭ってしまったとき、まず最初に思い浮かぶ言葉ってなんだろうなぁ、と。
性暴力にあってしまった・・・
強姦された・・・
だろうか?と。
「レイプされた」
そう、思うんじゃないだろうか、と。


この「レイプ」という言葉、確かに妙に俗っぽくて、日本語じゃないからこそ、軽々しくて、AV業界ではやたら妄りに使われていて・・・
とても美しい日本語、とは言えない。
一般的には嫌悪してもいい言葉なのかもしれない。

でも、使うんですよね?
一般的になってしまっているんです。

被害に遭ってしまってから、インターネットに情報を求めるとします。
「レイプ」という一言かもしれない。
「レイプされたら」かもしれないし、「レイプ被害」となるかもしれない。

その時に出てくるものは・・・?
現状、「レイプ天国」「レイプされた私・・・忘れ得ぬ快感」「レイプ動画見放題!」とかね、
そんなんばっかりですよ。
今日は、google検索で、3ページ目のラストにRCSNKが来ました。

この意味、分かってもらえると思います。
こんな、二年間も活動休止状態だった団体のサイトが、被害者支援団体として、初乗りしちゃうんです。
これは、あんまり、よくない。

「性暴力被害」とまで入れると、ようやく被害者団体に出会えます。
ただ、自分に起きたことが、性暴力であり、自分が「被害者」であるという認識を持つことはある側面から見たらとても難しいことだったり、
まったく関係ない場所で生きてきたり、まだあまりにも若い人、だったりした場合、果たしてこの言葉に、行き着くのだろうか。
そんな思いがあります。

常に、一般化された言葉で人に対して接するべきなんだと思うのですね。

そんな意味から、私たちは「レイプクライシス・サバイバーズネット関西」と名乗り、
レイプレイプ、言ってるわけです。笑

この、何もしていない状況の中でも、googleで3ページ目には出てくるって言うのは、
ちょっとした、自慢にもなるのかも。いや、強み、ですか。
これを生かして、
発信出来ること、あると思うんですね。
だから、これからも続けていきたいです。

フライヤーに込めた思い

2009-11-23 07:26:09 | スタッフ雑感
昨日は、フライヤーのデザインをしてもらっているM君とフライヤーデザインに関して電話やらメールやらでいろいろ。
着々と最高のフライヤーが出来上がりつつあります。

今回、このフライヤーを作るにあたって、何個かの目的があります。
まずは、

誰にでも手にとってもらえること
これは、イラストをNobbyさんに頼んだ最たる理由の一つでもあります。
誤解を恐れずに言えば、レイプ、性暴力、虐待、それに付随するフェミニズム、男女共同参画、そうしたものを全面に出し過ぎても、その媒体を手にする人は限られてしまう。
でも、本当に手にとって欲しいのは、そんなの興味なくて、普通に生活してる、そこにいる、あなた、かもしれない。
レイプなんて身近にならない方がいいに決まってる。でも、いつ何時当事者になるかなんて、いつ何時周りに被害者がいることに気付くかなんて、誰にもわからない。
だからこそ、誰にでも手にとってもらえるものを作りたかったのです。
常に入り口は広く、低く、welcome。
それがRCSNKです。
だからこそ、かっこよく、おしゃれに。

そんで次は、

やさしいこと
これは、易しい、と、優しい、を兼ね備えたものである、ということです。
「性暴力」「強姦」という言葉をあまり使わず、「レイプ」という言葉を使うには私たちなりに考えていることがあります(これはまたの機会に)。
レイプという問題は、子どもから老人まで、男女問わず本当に誰にでも関係し得ることです。
だからこそ、その入り口に専門性を付きだしてはいけないし、常に簡潔に、分かりやすいものであるべきなんじゃないかと思います。
そして、当事者は、どこにでもいる。
たった一枚のフライヤーが出来ることは少ないかもしれないけれど、
これを手に取ったときに、少しでも、その人の心に優しさが届くようなものを作りたいなと思いました。

そして最後に

人としての共感を得ること
RCSNKはその名の通り、「レイプ」にコミットした団体です。
でも、その根本にある問題、というか、私たちが本当に解決しなきゃいけないものってなんなのかって言ったら、
世界中に溢れる暴力、戦争、環境破壊、飢餓、全てに繋がる、一人ひとりの人間の生き方であったり、
本当の幸せってやつだったり、自分や、人を許せる力だったり、愛ってやつだったり、するんですよね。
全ては繋がってる。
これは、実感としてあるんですね。
だから、レイプだって、関係ないと思っている人がいるとしても、本当は関係なくなんてないんです。

ぷれいす東京というNPOがありまして、そこがLiving Together計画というのをやっているんですが、私も一時期、よく顔を出させてもらっていたんですね。
そこの講座に参加した際に、ちゃんと覚えていないんで申し訳ないですが、このような事をおっしゃっていたんですね。
「社会では共生社会、だとか言うけれども、実際共生ってどんなシーンで使われてるだろう?三宅島でのガスとの共生、とか、なんだか、悪いもの、恐いものと折り合いを付けて、でも一緒に生きて行こうよ、っていう雰囲気がある。でもね、私たち、もうすっかりずっと、いるんですよ。一緒に生きて行こう、じゃなくて、もうここに生きているんです。だから、私たちは、進行形で、一緒に、生きているんです」
だから、Living Togetherなんだ、と。日本語って難しいなぁ、と思いつつ(笑)私はこの言葉にすごく共感したんですね。
もう、一緒に生きようとか、認めてくれだとか、そんなことはいいんだな、と思いました。
私たちはここに存在している。
その事実は確かで、だからこそ当たり前に、私たちは動き、休み、また動き出した。

だからこそ、全ての人に、共感し得る言葉で伝えられたらいいな、と思いました。

とりたてた強い意志だとか、そういうことではなくて、当たり前に当たり前のことを。私たちに出来ることを、一人の人間としてやる。そこに、一人、また一人と、仲間が集ってくれればいいなぁと思います。



長々書きましたが、そんな思いを持ちつつ、今回のフライヤーを作っています。

って、こんなけ思って一枚のフライヤーなんですけどね(笑)

まぁ、ぼちぼち行くので、応援してくださいませ。