中間玲子のブログ

仕事のこととか日々のこととか…更新怠りがちですがボチボチと。

『ミッフィーとメラニー』

2010-06-02 22:58:03 | 読書日記
学生に紹介するたび、とても好評なお話を紹介しましょう。

ディック・ブルーナさんの絵本
『ミッフィーとメラニー』です。

この本は、ミッフィーちゃん(=うさこちゃん)シリーズ
第20作目にあたる本です。
20作の間に、ミッフィーちゃんは色々な経験をしてきました。
動物園や海水浴に行ったり、自転車に乗ったり、勉強したり、
おばあちゃんの死を経験したりもしています。

この本でミッフィーは、文通相手のメラニーと対面します。
ミッフィーは白いうさぎなんですが、
メラニーは茶色いうさぎ。
ミッフィーの周りには、今まで白いうさぎしかいませんでした。
ミッフィーにとってメラニーのような茶色いうさぎははじめて。

そこでのミッフィーの様子を、とても素敵に描写している文章があります。
以下、そのまま引用させていただきましょう。

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人(?)生で初めて出会った、人(?)種の違う相手に向かって、ミッフィーはつぶやきます。「あたしのおなか、メラニーちゃんみたいな茶色だったらすてきだったのにな」
 おやすみ前に着替えたときに、それまでワンピースの下に隠れていたメラニーのおなかまでが茶色いことに、ちょっと驚いたんでしょう。そして、いいな、と思ったんでしょうね。
 あちらとこちらの違いを、違いのままに受け止める。すこやかでまっとうな人(?)に、ミッフィーは成長しているようです。ありがたい。肌の色が違うだけで、いわれなき差別や区別をする我ら人間をやすやすと超えるうさぎたち。安らかなふたりの寝顔で一巻の幕は下ります。この安らぎ、この希望。そうだ、これは、ブルーナさんのうたう「イマジン」(byジョン・レノン)だな。


(かわべしょうこ/『MOE』第22巻第5号, 2000年5月1日)
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ミッフィーちゃんはその後も色々な経験をしていきます。
これからもミッフィーちゃんの成長を見守りたいと思います。
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